▽ダークネス(2002年 スペイン、アメリカ 102分)
原題/Darkness
監督/ジャウマ・バラゲロ 音楽/カルレス・カセス
出演/アンナ・パキン レナ・オリン ジャンカルロ・ジャンニーニ フェレ・マルティネス
▽40年という周期
どうやら、映画には向き不向きというものがあるらしい。
ジャウマ・バラゲロはおそろしく才能のあるヨーロッパの監督として、アメリカあたりで絶賛されたらしい。この映画でってわけじゃないけど、それは事実としてある。
で、この作品だ。そんな才能あるバラゲロが、豪勢なキャスティングをしてる。父親ジャンカルロ・ジャンニーニの故郷スペインのとある村で、40年前の日食の日に、7人の子供が行方不明になった。1人、当時の父親だけが帰ってきたけど、残りの6人は行方不明だ。そんな父の旧宅に引っ越してきた家族が恐怖に見舞われるって話だ。
皆既日食の日に子供たちに何かが起きる!
みたいな惹句だったんだけど、たしかにそうだ。
でも、それだけだ。
影や声や重苦しい雰囲気で恐怖を増幅させようとはしているものの、悪魔信仰に身も心もゆだねてしまった祖父がいて、40年前に仲間達が自分の子供を生贄にしたにもかかわらず、父だけが生還してしまったために、ふたたび巡ってきた皆既日食の日にかつての生贄である父をまたもや生贄にして悪魔の儀式を完成させようとする祖父の魔の手から、姉と弟が恐怖にうちふるえながらも父を守ろうとする話という解釈は、もしかしたら間違っているかもしれない。
ほんと、一所懸命に観たんだけど、物語が破綻してるのか、ぼくの脳がなにか得体の知れないものに対して拒否反応を起こしているのか、どうもよくわからない。
過去と現在の事件が、ぼくの中で、上手に繋がらないんだよ~。
象徴になってるのが皆既日食、つまりウロボロスの蛇なんだから、過去と現在は円を描くように繋がっているはずで、だからこそ、祖父は自分の家を「円」にして儀式の聖なる場にしてるはずなんだけど、そういう理屈は頭ではわかるんだけど、映像と物語が、なんでこんなに頭に入ってこないんだろう。
ふしぎだ。