◇弾丸を噛め(1975年 アメリカ 131分)
原題/Bite the bullet
監督・脚本・製作/リチャード・ブルックス 音楽/アレックス・ノース
出演/ジーン・ハックマン ジェームズ・コバーン ジャン=マイケル・ヴィンセント ベン・ジョンソン
◇1906年、西部横断レース
まあ要するに西部を舞台にした超酷烈な耐久競馬で、純粋に賞金を稼ごうという連中だけのレースではなくて、恋人の囚人を脱獄させるためにレースに参加するキャンデス・バーゲンみたいなね~ちゃんもいたり、いろいろな思惑の中で進行していき、塩まみれの馬がばたばたと倒れ、やがて喝采の中、奇妙な友情の果てに手をつないでゴールしていくっていう、ありきたりといえばありきたりな展開になっていくんだけど、それについてはいい。
この映画は、実は僕は封切りで観てる。
高校1年のときだったか、まあ映画に興味を持ち始めた頃で、ひとりでうらぶれた劇場の片隅でじっと見てた。当時はジーン・ハックマンの出演した作品が次から次へと封切られ、特に印象深かったのは『フレンチ・コネクション』で、そういう中にこの『弾丸を噛め』があった。実をいえば、あんまりおもしろくなかった。ぼんやりと遠い国の西部劇を眺めてるだけだった。
だからタイトルの意味もまるでわからなかった。
弾丸を噛むってのは、その昔、西部では麻酔もなしに手術のような荒々しい治療をしなければならなくなったとき弾丸を噛んで歯を食いしばり強烈な痛みを耐えたことから、どんなに苦しくたってやり遂げるんだっていう意味になる。
なるほどね~っていうような話だけど、だからといってそんな意味の邦題をつけてもおもしろみはないわけで、ここはやっぱりわけのわからん『弾丸を噛め』で好かったんじゃないかっておもうんだよね。