◎血槍富士(1955年 日本 94分)
監督/内田吐夢 音楽/小杉太一郎
出演/片岡千恵蔵、月形龍之介、加藤大介、植木基晴、植木千恵、喜多川千鶴、赤木春恵、進藤英太郎
◎『道中悲記』のリメイク
いやまあ東映が戦後おもいっきりちからをこめて撮り上げた作品のひとつなんだけど、とにかく当時、内田吐夢の復員第一作をどうするかっていうのはもう大変な悩み事だったんじゃなかろうか。
そうしたことからいえば、マキノ満男、伊藤大輔、小津安二郎、清水宏らの尽力による映像化といっていいし、千恵蔵御大としても一肌脱がなくちゃいけないってことで植木家も総動員で協力したって感じがひしひしと伝わってくる。
ただ、実際にこの作品はおもしろんだよね。
酒乱のあるじのために決して強くもない鑓持ちが腕っこきの武士たちを相手になりふりかまわぬ仇討を挑むっていう、そこへ行くまでに紆余曲折あるものの単純にいってしまえばそういう物語なんだけど、いやまじ、千恵蔵御大、凄いわ。