◎ゴーン・ガール
デヴィッド・フィンチャー凄いわ、とおもうのと同時に、なんだか後味が良くないなあっていう感想も浮かんでくる。
ロザムンド・パイクには理想とする夫婦像があり、そこに介在しているのは恐ろしいほどの自負と高慢さなんだけど、それがベン・アフレックの浮気によって粉々にされ、自分を殺したという疑惑で死刑にまで追い込んでやろうっていう復讐劇を企むとか、もはや異常の極致だわね。
でも、これに対してベン・アフレックと双子の妹キャリー・クーンとが抵抗して逆襲に転じようとするところからおもしろくなってくるんだけど、でも、過去のロザムンド・パイクのプライドを守るためのとんでもないひとりよがりの悪事が露見してくるだけで、逆襲たりえないあたりからちょっと不満をおぼえるようになってきた。
後味の悪さってのは、冷凍精子の人工授精で妊娠するという荒業まで繰り出され、屈服するしかないってところまで追い込まれちゃうことで、どうもなあ。