△コロンバス(Columbus)
小津安二郎に触発されたという話だが、小津の映画はこんなにつまらなくないぞ。
けど、いいこともいう。ゲームと読書、少年と教授、集中力の問題ではなく興味の欠如の問題なのだ。なるほど。
すべてのカットがアンバランスなシンメトリック、非対称でありながらバランスを保つっていう矛盾するような見事な画面になってるかとおもったら案外そうでもなかった。ジョン・チョーのずっとおりあいの悪かった父親の建築学者がこの旅先で倒れるあたりまでは画面が実にいいんだけど、薬物中毒の母親を抱えた建築家志望のヘイリー・ルー・リチャードソンと知り合ってからはどうも同じ構図が目立っちゃったり、ごくふつうの構図だったり、建築学的な構図が崩れちゃう。これはいただけない。
で、そんなこともあって一歩まちがえれば退屈な映画になっちゃうだろうな~っとおもって観てたら、まちがった予測だったことがわかった。一歩どころか正面切ってド退屈な映画だったわ。