△めぐりあう時間たち(2002年 アメリカ 115分)
原題/The Hours
監督/スティーヴン・ダルドリー 音楽/フィリップ・グラス
出演/ニコール・キッドマン ジュリアン・ムーア メリル・ストリープ エド・ハリス
△マイケル・カニンガム『めぐりあう時間たち』より
3つの時間がある。
1923年、ロンドン郊外リッチモンド。
1951年、ロサンジェルス。
2001年、ニューヨーク。
これらの時間軸は決して合わさることはない。
けど、3つを繋いでいるのは、ニコール・キッドマン演じるヴァージニア・ウルフの書いた『ダロウェイ夫人』だ。キッドマンは『ダロウェイ夫人』を書くことでその日を送り、ジュリアン・ムーアは『ダロウェイ夫人』を読むことでその日を送り、『ダロウェイ夫人』とあだ名をつけられているメリル・ストリープは、エイズになっているエド・ハリスを面倒を見、その自殺を迎える。
まあ、決して楽しい内容ではないし、それどころか、神経がぴりぴりするような重苦しさと緊張感がある。
キッドマンは綺麗だし、当然、とっても上手なんだけど、どうにもやるせない感情を抱えた設定だから、輝いてはいない。一冊の本を軸に、女性たちの心情が巡りあってゆくというのは好きな設定なんだけど、いやまあ、どうにも辛くなってくる話ではあるよね。