Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都に棲む11.

2008年11月04日 | Kyoto city
 「垣間見る」という言葉がある。路地の町屋越しに眺める法観寺八坂の塔も、日本的な優れた風景だ。垣間見るという言葉通り、絵になる風景だと思う。このような風景を知ってしまうと、やはり建物の高さは低い方がよく、それも2階ぐらい迄かなとおもう。この街のランドマークは、やはり塔なのである。
 現代は、こうした塔よりもさらに高い建築物を大量量産し、垣間見られる優れた風景を損ねてしまった。「しょうがないじゃない」という意識で気にかけることはない。そういう感覚なり神経を持った都会人は、結構多いのである。
 八坂の塔の高さは49mであり、我が国最大の東寺57mに次いでいる。京都駅の高さがが約59mだから、京都では50m代というのが最高高さだとおもわれる。そうした高さはランドマーク性ある建築にゆだね、通例町中の建築は2階建て、100歩譲って4階程度とするほうが、景観上はよい。
 今京都の都心は10階建て程度の建築物が多いのだが、何十年か先に、それらがなくなり、少しは京都らしい町並みに戻ることを期待している。そういう点で、都市の景観規制は未来的な英断だったのである。日本の人口も減少に転じ、なにかにつけてダウンサイジングが、これからの必須である。新しく建てる発想ではなく、不適切な要素を次第に削除してゆく、それがこれからの街づくり指針ではないかと思う。

Fuji FinepixS5pro,AF Micro Nikkor F2.8/60mm
コメント
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