Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

京都に棲む17.

2008年11月10日 | Kyoto city
 京都に棲むと題しながら、その郊外に足を向けたい。東京で言えば1時間でゆける鎌倉みたいな所、それが奈良である。鎌倉と違いここも京都同様に世界文化遺産が数多い。奈良は、その点では鎌倉とは格が違う。それから野生の鹿が放し飼いにされているという風景も鎌倉にはない。京都から1時間あれば、西の京や法隆寺には行くことができる。
 奈良の国立博物館で調度60周年の正倉院展が開催されていた。私は、それを目的に訪ねたわけである。記念展なので美術の教科書にも掲載されていた硝子の器などの国民的に知られた展示がされており、少し拍子抜けした。まあここは、そこそこに、夕方奥の奈良公園へ足を伸ばした。夕方だったせいかもしれないが、都市の中にこの観光シーズンの時期にこれだけ、人の少ない優雅な空間があることに感激した。人は少ないが自然と多くの鹿は見かけた。鹿を目の当たりにして、ゴメン・・お煎餅はさっきあげてしまった、と思ったが、所詮野生なので気にすることはないだろう。
 都市の中に野生の生き物がいるところというのも、日本では数がすくないと思われる。そんな一つが奈良だ。生き物が都市にいるというのは、どこか不思議な感覚を呼び起こす。昔は、これが普通だった。そんな追憶かも知れない。奈良は、歴史の時間が停まったような都市である。そこが奈良のよいところであり、嫌われるところなのかもしれない。

Fuji FinepixS5pro,AF-S NikkorF3.5-5.6/16-85mmm
コメント
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