Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE507. シッポ

2012年11月03日 | Kyoto city
 旅行だったら出かける朝はウキウキした気分で楽しいだろうけど、しかし旅の朝は憂鬱である。佐渡の宿根木に出向いて富山を回って帰ってこよう。連泊予定なので出勤届はたっぷりとってある。なんでこんな面倒な仕事を作ったのか、もちろん考えたのは自分なんだけど、面倒だからやめるか、やはり仕事だから行くかと逡巡したあげく、憂鬱な気分で家の玄関を出るわけだ。
 フーテンの寅さんも、ささいなことで=つまり失恋で突然おいちゃん達と喧嘩してフィッと長旅に出る。そう旅の始まりは、誰しもが憂鬱なのである。
 さて名古屋まではいつもの新幹線通勤コース。旅と言っても佐渡の民宿を予約したぐらいで、 成り行き任せの旅だから、 名古屋駅の自販機で直江津までの乗車券と長野までの自由席特急券を購入する。ワイドビュー信濃3号の最後尾車両の最後尾シートに体を沈めるとき、ようやく旅モードになる。この秋始めてコートを着てきたが、ポケットには、キャップレンズを付けたPEN E-PM2がすっぽり入っている。一眼レフがポケットにはいるというのは、なかなか画期的なことだ。
 ワイドビュー信濃のシッポの座席というのは、先ず人があまり来ない。もちろん車内販売も来ない、それでいて車掌室のあるデッキにでれば、三方向の視界が開ける。私にとっては快適且つ撮影しやすいポジションだ。木曽路は紅葉が始まったころだから、撮影するのにはもってこいのシッポである。シッポでPEN E-PM2のキャップレンズの試写をしていた。
 やがて列車が長野駅に着く頃、佐渡の宿から私の携帯に電話があった。「お客さん、午後の船便ですよね!、それ欠航決定です!!、決定ですから今日はもう船はでません!!!、明日も6mの波で今日以上に海が荒れるという情報です!!!!」
 海が荒れている!?、昨日のiPhoneの天気予報ではなかった話だ。うん!、なんだこりゃ。先ずは直江津の佐渡汽船の乗り場まで行ってみよう。長野駅からローカル線に乗り換えて旅は続く。

ワイドビュー信濃3号,2012年11月1日
OLYMPUS  PENmini E-PM2,15mmF8,
ISO250,焦点距離,露出補正-0.3,f8,1/125
コメント
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