Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE520. 佐渡・宿根木集落へ

2012年11月19日 | field work
 案の定佐渡汽船は、まっすぐ歩けないぐらいに揺れていた。時折ガーンとする金属音は高波をくらったときだ。船内のラウンジで、岩海苔味噌ラーメンなどを食べ、あとは2等船室でゴロ寝をしているほかない。
 小木港につき、団体客をすり抜け、たった1台だけ停まっているタクシーに駆けこんだ。ほどなく宿根木の民宿に着き、宿の主とやってこれましたねの挨拶もそこそこに、夕方すでに陽が沈んだ集落へ 、崖の石段を下りていった。最初に眼にした佐渡・宿根木の風景がこれ。突然雨が降り、オオッ!、良い風景ではないですか。そこには江戸時代、北回り船で繁栄を極めた往事の集落の姿があった。
 宿根木は密集した家屋と細い路地の集落である。路地から路地へと歩き続けていると、ヴェネチアを歩いたときのあの感覚を思い出す。 今、このような集落は日本にはほとんどないといってよい。
 建築基準法で言えば4m以上の道路に家屋が接していないものはすべて既存不適格建築だ。だが建築自体はもう200年はゆうに経過しており、法規どころの話ではない。その古い建築を、大いに補修しながら現代のライフスタイルに合わせて暮らしているようだ。
 雨の路地を歩きまわる心地よさを蘇らせながら、路地なりに集落を歩き回っていた。

佐渡宿根木,2012年11月15日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO1000,焦点距離54mm,露出補正-0.3,f5.4,1/100,
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