Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE510.  都市浴

2012年11月06日 | field work
 調度旅に出た時が、この秋一番の寒い日だった。低気圧が通過していたので、突風や雷雨の注意報、そしてなんと海上には波浪警報が出されていた。持ち歩いていた傘も突風で折れてしまった。当然佐渡汽船も運行停止になるわけだ、夕方のニュースをみて納得していた。
 高岡の街の徘徊の帰りしな、重要伝統的建造物群保存地区である山町筋を通った。日も暮れるのが早いので、蔵の街はもう夜の風景であった。雨ち風の中二台の機材を振り回し、街の地図を見ながら、傘をさしつつ、スニーカーには雨水が入り指先が冷たいという失態のなか、しどろもどろになって駅前ホテルに戻った。
 さて夕飯!。駅裏手にゆけば飲食街が比較的あるのだが、天気の故もあり、人影はまばらだ。一巡して駅前の富山ラーメン屋で定食となるなど、寂しい限りの夜である。駅前は再開発の工事用仮囲いばかりで、お店がない。だからホテルの狭い部屋に戻ってもどこか感覚が変だ。そうした力の抜けた感覚は、帰ってからも続いていた。
 あの輪島の街に出かけた時のようなテンションといったらよいだろうか。あのときは地元の人が出かける美味しい飲み屋があり、古い落ち着いた街並みが続き、大変魅力的な朝市もあった。そして世の中から隠れるならば、こんな街がいいだろうというイメージまで湧いた。そういう魅力ある街のしつらえと時間が、旅人を元気にさせてくれる。そうした作用を森林浴ならぬ”都市浴”と読んでおこう。旅人にとっては、街の都市浴が必要なのである。
 高岡には、それがなかったなぁー。

高岡市,2012年11月1日
OLYMPUS  PEN E-PM2,9-18mm,f4-5.6
ISO1600焦点距離9mm,露出補正-0.3,f4,1/50
コメント
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