Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE508. 街の構造

2012年11月04日 | Kyoto city
 建築・都市を専門分野としている人間にとっては、訪れたことがない都市というのは興味がある。情報を集めどんな街だろうとイメージする。もちろん事前のイメージと実際の街の姿とが一致することはまずない。だから百聞は一見にしかずである。
 佐渡汽船が欠航ならば、今日は行ったことがない上越市の中心市街地でも視察するか。夜はお店位あるだろう。そんな気分で長野から各駅停車で1時間半、ようやく直江津に着いた。
 実に簡素な駅に降り立つと、古いビジネスホテルがあるだけで駅前広場、観光案内所もなく、カフェやコンビニすらなく、ターミナル駅としての機能を欠いており、そんな街の構造があるのだろうかという疑問が生じる。タクシーに乗り、この街の話を運転者さんから聞きながら、佐渡汽船の乗り場を目指した。
 運転者さん曰く、「この街はみんな奥に引っ込んでしまったので、ここは人がいないよ、商店街!?、イトウヨーカドーがあるだけ・・・、ホテル!、駅前にはないよ、みんな奥!!」。それがこの街の中心市街地かいとさらに疑問が膨らむ。ホテルもないのでは泊まれない。都市インフラには見識がある新潟県人にしては、めずらしいことだ。
 佐渡汽船の乗り場には、「本日は海上時化のため欠航」とあった。時化を調べると「しけ」、こういう読み方なのかと、最近のPCによる漢字音痴に恥じる。屋上に上がり日本海や上越市を眺めながら、さて少し街を歩いてみるか、といって街情報はない。
 街をあるくと、ほとんどの店はシャッターを降ろし、歩く人もいないゴーストタウンだ。撮影していても街の空気が皆無で意欲が湧かない。なんだろう、この風情のないすさみ方は。
 そこで私は、次の目的地である富山県高岡市を目指すことにした。
 後で調べてわかったのだが、上越市は直江津市と内陸の高田市とが合併してできた都市である。街の中心も内陸部の旧高田市側に市役所や公共施設、高速バスターミナル、ホテル、城址もあるので歴史があって昔からの街並みが少し残されている。奥、すなわち上越市中心市街地は、内陸部高田のことだったのである。そんな街の構造がわかっただけでも、私には勉強になった。
 佐渡宿根木行きは次回に延期したが、こんど時化待ちのときに高田へ泊まろう。

上越市,2012年11月1日
OLYMPUS  PENmini E-PM2,15mmF8,
ISO250,焦点距離,露出補正-0.3,f8,1/125
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