いつもの朝の散歩に出かける。今日は遅がけの散歩だ。宮川町でBMWが追い越してゆくと、その先で停車し浴衣掛けの舞妓さんらが車に近寄ってゆく。運転席をみたらお茶屋のママ風だ。これから高雄などに川床料理でも食べに行くのだろうか。遅い時間の散歩は結構暑い。ようやく七条のマッサージ屋にたどり着く。帰りしなに旧五条楽園を抜けてゆく。ひたひたと熱い日差しが追いかけてくる。
京都市の五条通から七条通りの間、鴨川沿いの西の五条新地と呼ばれていた菊浜地区はかっての花街であった。花街に花札を提供して会社の基盤を築いた任天堂旧本社の北側、高瀬川沿いには、五条会館をはじめ、いくつかの大きな古民家が残っている。
菊浜地区は、遊郭があったためか通例ビジターが訪れないところである。だがその民家の一つが和風旅館であり、しばしば欧米の外国人に出会う。海外にいてこのような所を訪ねるとは、随分と調べたのだろう。画像の三友は、この地区の中でも最も大きなお茶屋だが未使用状態のまま現在に至っている。お茶屋建築の中にキッチュな日本文化が残されているのだろうか。
日本建築学会の論文検索でも、近畿支部の支部研究報告で「井上年和:京都五条楽園の変遷、近畿支部研究報告集、計画系,2014,05,pp797-800」があるぐらいだから、建築の研究対象としては興味が薄い。このあたりは巷の研究対象でしょう。当然のことながら文化財等の指定はないだろう。今京都は民泊ブームだから、和風旅館として再生できればよいのだろうけどね。
京都市菊浜地区
EOS1DsMark3,EF16-35mm,F2.8
ISO400,焦点距離20mm,露出補正-1/3,f/7.1,1/200