潜る前の打ち合わせでインストラクターの先生が、「次は△×◇-×です」。「はあー!、なんていいましたか?」、「名前なんかどうでもいいのよ!!!」(笑い)・・・。それが渡嘉敷島と座間味島のほぼ中間のあたりに男岩(うがん)と呼ばれるポイントであり、大きな岩はこの海域のランドマークになっている。WEBによれば、うがんは聖地という意味だそうだ。
20mの海底からストンと起立しているので聖なるものという名前からすれば男根を意味するらしいのだが、日本の各地方によくある性器信仰ですかぁー。性器崇拝とは男女の生殖器をかたどって崇拝するというもので、よくある農本社会時代からの信仰であり祭だ。
例えば愛知県小牧市田縣神社の祭では、男根を輿に乗せてギャル達が担ぎ回るし、まあ男根は女性達にパワースポット同様に人気シンボルなんだろう。つまり子宝に恵まれたいとする庶民の願望があるわけだ。だから神様の御利益は子孫繁栄なんだな。
子孫繁栄、その子供は農家の労働力、労働力が増えるとそれによって作付面積も広がり米の生産力向上を目的とする農本社会の姿だったといえよう。だから神様には、お米とお米からつくられたお酒を献上しているわけだ。
映画WOOD JOBをみると、最後にやはり性器信仰のお祭りが登場し、大木を切り倒して巨大な男根をつくり、わらでつくった女陰めがけて転がり落とし、ムラの若い女達が転がり落ちた男根をさすって安産を祈願するというシーンがあった。これは映画の中の話だが、似たような祭は日本の中には数多くある。
それが後に都市が形成されてくると、今度は商売繁盛を御利益とする恵比寿様が登場してくる。神様の御利益も時代によって変わってくる。
そんなわけで、沖縄にも性器信仰があったのか。実際潜ると直線でカットされた岩が海底に数多く見つかる。それは男岩に祠などがあったときの礎石ではなかろうか。つまり男岩の頂部には祠あるいは小さな社殿が祀られ、紙垂(しで)をつけた大きなしめ縄が岩の胴体に飾られた姿があったのではないかと想像すると、それはなかなか様になる風景かもしれないと思われた。いっそ復元したらどうだろうか?。
それにしても男岩は、この海域のランドマークであることは確かなのだけど、これが男根というのには少し想像力が必要だと私は思うけど。昔のヒトはおおらかな想像力が豊かだったんだろう。
男岩の海底
沖縄県慶良間諸島男岩
NikonW300、NIKKOR 5X OPTICAL ZOOM4.3-21.5mm、F2.8-4.9
上)ISO125,焦点距離4.3mm、露出補正0,f/2.8,1/1500 、下)ISO125,焦点距離4.7mm、露出補正0,f/2.8,1/320