翆は日勤。アチキは家でテレワーク。テレワークには、そんなもんで人生の大きな仕事ができるかとする意見にアチキは一票いれるが・・・。
ただしこれを一度やったらアチキは、大学までゆく必要が無いから手を抜くのに調度よい。実は、これ、大学の先生にとっては、やめられない悪魔の方法なんだ。
そんなわけで、最近は、テレワーク用の背景を印刷したので翆の木賃アパートの床の間に貼り付けて、いかにも大学の研究室みたいな雰囲気をだして、テレワークで講義をする。テキストは事前に学生全てにメールで送ってあるから問題なし。これで週二日は、ゆかなければならない大学へ、ゆかなくて済む。
そんなわけで午後からは、花園の画材屋にでかけて絵具を物色する。さて店を出たら、遠くから、みたことがあるカップルが近づいてくる。
「なんだあ、マサヒロ君と茉莉さんじゃないぁー。茉莉さん二人目のおめでただってぇー。お腹大きいじゃん」
茉莉「年末に出産かなぁー」
マサヒロ「あのねぇ、お爺ちゃん達が、今度芋煮会をやろうといってた。ツカモッチャン先生の所も全部声かけて、全員集合だって」
「へぇーー、そりゃ面白そうだね、一体何人いたかなぁー」
茉莉「おじいちゃんが、また外でやるので、あまり寒くならないうちにやろうよ!、って。ハロウィンだと遅すぎるから小樽は寒いでしょう、それで芋煮会だって」
「お爺ちゃん達、またチキン焼くんだ」
マサヒロ「それ、あの人の定番ですから・・・、もちろんお鍋も用意して和洋折衷でやります」
「日程を合わせるのって大変じゃない?」
マサヒロ「日程合わせていたらできないです。簡単なのは、全員集まれぇーというと、全員集まってくる号令一下です。だからその日にデートの予定をしていたら、彼氏彼女も読んできなさいだって。それでみんなやってくる」
「フゥーーん、また翆とゆくよ」
・・・
花園通り、秋の空、その先は雪だ。どうも今年は冬が遅いのかもしれない。