定点観測だ。いつも同じ時間に同じ場所から港の風景を描く。毎日続けているわけではないが、時折午後3時の定点スケッチが習慣になっている。そして放課後地獄坂を通ると、小春がやってきた。
「ユウ君のインポはなおったのかい?」
小春「もち!、三日後に回復したよ」
「そりゃなにより!!」
小春「あのねえ、明菜姉ちゃんが、制服の下が紐パンなの!」
「はあ!!!」
小春「この間紐パンをつけて、これで彼氏を興奮させるんだって。『さあ、子供を沢山作りましょう!』だって。でっ、エロいでしょう!、って自慢していた。それで7人子供を作る作戦なんだってさ・・・・」
「明菜姉ちゃんは細身でスタイルがいいから、似合うかもね。きっとここぞという場面で紐パンで迫る作戦なんだよ。少ない打撃で効率的に当てようというわけさ」
小春「私は?、今じゃダメ?」
「オヨヨ!、無理にとはいいませんが。多分キャラクターがあると思う」
小春「ヒモパンって男の人にとって魅力的なのかなぁー?」
「多分、細身だったら似合うかもね」
小春「小春も、7人子供をつくる方法を考えなきゃ・・・。明菜ねえちゃんと競争だもん・・・。だってさあ男の人って飽きるじゃん。だから飽きさせない方法が必要だよね」
「だからといって、一度に7回もおねだりしてユウ君をダウンさせるのも、ちと違うと思うけどなぁー」
小春「排卵日に打つのかぁーーー。そういえば明奈姉ちゃん、毎朝体温計を唇に加えているのは、それかぁー・・・」
「それで排卵日を探っているのでしょう。それで排卵日が来たら、今日は一発やりましょう !、というわけで紐パンで誘惑するのかなぁー」
小春「少ない打撃で効率よく妊娠するわけだ!」
「まあ、そういうことになりますか・・・」
小春「ユウ君に栄養をつけさせなきゃ、スーパーへゆこうよ!」
生協のスーパーへ小春と並んで坂道を下っていった。眼前には、真っ青な海が見え隠れしている。
女達の打撃群かぁー・・・、そんな考えが頭をまわっている。
・・・・
木々の色が変わりだした。
小樽も秋だね。