Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング872. 小説:小樽の翠781.フロマージュ

2024年05月06日 | field work

  翠達夜勤族の深夜のおやつタイム。
夜勤の一番の楽しみだからここははずせない。というわけで翠のナースに救急外来の晃子さんと外科病棟の百合さんがお菓子を抱えてやってきた。
翠「ルタオのフロマージュじゃん。」
晃子「誰からの差し入れなのかなぁー!?」
百合「彫刻家のおじいちゃんから。」
晃子「あらまだモデルやってんだーーー。」
百合「今日も午後遅くからモデルやってたの。今日は夜勤なんだっていったら、おじいちゃんが、ならば、これをもってゆけって持たされたの。」
翠「だっておじいちゃん超夜更かしじゃん。だから夜中に看護師達がお茶タイムするのを知ってんのよ。」
晃子「あのおじいちゃん芸術家だから敏感なのよ。80才を超えてるなんてわかんないもん。」
翠「だって百合の裸をモデルにして塑像をつくるんだもん。そりゃあ百合のオーラで若返るよね。」
晃子「いいなあ、そういう若返り方って・・・。」
百合「おじいちゃんねぇー、どんなモデルの体型が好きですか!?、って尋ねたの。そしたら私は少し高校生らしい体型がいいんだって。成熟する前の女をつくりたいんだって。」
晃子「百合ってもう成熟しているじゃん。でも体型は高校生ぽい感じもするよなあ。」
百合「なんかねぇー、小柄で少し細いのが好みみたい。」
晃子「きっとうんと若くつくって、若人達の春とかさぁーー・・そんなタイトルで小樽の駅前に置かれたりして!。」
翠「それって小樽市とかJRが作品を買ってくれないと置かないよ。」
晃子「経営低迷のJRじゃ無理だな。」
翠「小樽市だって関心なさそうよ。きっと他所の都市よ。」
百合「塑像がおかれたら私見に行くぅーー。そんな体験普通の人じゃできないもん。」
晃子「じゃさあ、三人で行って塑像の前で記念撮影しよう!。」
翠「沖縄だったりして・・・・。」
晃子「沖縄かぁー・・・、いいじゃん。ゆこゆこ!!!。」
百合「まだ場所決まってないってば・・・・。」
・・・
この時期の小樽の夜明けは近い。少しすると東の空がしらずんで来る。
夏に近づく頃だ。
コメント
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