Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ718. 京都市の広告で思いだしたちびくろサンボ事件

2024年05月22日 | field work

 私のブログも毎月、映像、ドローイングと手間のかかる執筆をしているが、このエッセイだけは日頃の気づきをかくだけだから簡単に作成できる。
 さて今日は2月13日だから、1週間後に迫った京都マラソンの3DCG広告が町内の掲示板に貼ってあった。この広告は複数のバージョンがあり、その一つだ。しかし複数のバージョンに共通している間違い探しが面白い。まず競技を観戦しているビジターの背後にエベレストが描かれている。はあっ!?、なんでこれが京都ですかぁー。もっというとランナーもいないのにゴールテープが膨らんでいるという物理的にあり得ない表現。
 GPSを使えば京都の愛宕山ぐらいのデータはひろえるが、なんでエベレストなんだろう。
 私のデザイン経験からして、こういう間違いは制作段階でチェックされるので社会に登場して恥をかくことはなかったが、今は恥がジョークとする言い訳を伴って堂々と登場するんだ。時代がかわったね!。
 大方のグラフィックデザイナーは知っている話しだが、昔「ちびくろサンボ」という童話の翻訳版が岩波書店から刊行されていた。
 Wkiの説明によれば「軍医であった夫とインドに滞在していたスコットランド人、ヘレン・バンナーマン(ヘレン・バナマン)が、自分の子供たちのために書いた手作りの絵本であった。のちに公刊され、多くの海賊版(後述)によって広く流布した。」原題は"The Story of Little Black Sambo"である。
 このBlackが黒人と解釈されアメリカで海賊版として刊行され、それが当時のアメリカでの黒人の公民権運動の高まりと連動して黒人差別であるとの批判を受けるようになり、1988年(昭和63年)には出版社が一斉に絶版させるに至った。
 原題になぞらえれば、Blackというのは、肌の色が黒いインドの少年という意味であり黒人をさしているわけではない。概してアジア人は、インド、タイ、ベトナム、フィリピンと熱帯地方の人間達の肌は黒いのである。
 そんなことを考えると、日本も含めて国際社会も随分といい加減なんだ。そもそも著作権を確立しないまま海賊版などを勝手に刊行するから、こうした問題が発生したのだろう。
 つまり私達の社会は、いい加減な社会。「あんた何やってんの!、バス停の近くで煙草吸わないでくださいよ!!」という、いい加減な国民から怒られた経験をもつ、いい加減な日本人ですが・・・。

iPhon13pro
コメント
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