

20XX-8-25 晴れ
幌内川の大ニジマスと神門の滝
道北の名流幌内川の源流域のごく一部の支流に特異なオショロコマの小規模な個体群が奇跡的に生息している。
艱難辛苦の末、その北限のオショロコマ個体群は私たちが撮影することが出来た。
幌内川の源流域には有名な神門の滝(じんもんのたき)がある。滝マニアの間ではとりわけ有名で北海道で一番美しい滝という人もいる。
最近はどのようになっているかは知らぬが、少なくとも1994年までは年一度、雄武町主催の神門の滝祭りという結構盛大な催しがあって滝の下のたまりにニジマスをたくさん放して子供たちに手づかみさせたり釣らせたりしていた。
その生き残りや、一時期積極的に放流されたニジマスが幌内川の巨大ニジマスとして有名になったが、釣りきられてしまったのか最近はほとんど話を聞かない。
なんとなくこの滝壺にオショロコマがいるのではないかと気になりだし、遠路はるばるでかけてみたときのこと。
北見市からはとても遠い。さらに林道にとりついてから滝までのアプローチは気が遠くなるほど長かった。
試行錯誤しながら林道をすすみ、やっと神門の滝まであと700mの看板を発見した。
ここには Zinmonn no Takiとローマ字で書いてあり じんもんの滝が正しい読みだろうか。
駐車場からきつい下り道を降りて滝の真下にでた。神門の滝はまことに立派で、ほれぼれするほど美しかったが滝壺にはオショロコマはおらずハナカジカ5匹しかいなかった。












かって北海道の川には無尽蔵に生息していた底魚代表ハナカジカはいまや極めて少なく、オショロコマよりは遙かに少ない魚であるとおもう。
イトウが減ったことに大騒ぎする人たちは滅法多いが、ハナカジカが危機的状態にあることには恐らく唯の一人も気をとめない。
その理由は、小型であることと、この不細工な容姿のせいであろうか。
撮影させていただいたハナカジカたちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。
滝の下流域も滑川(なめかわ)部分が多く魚無しの川であった。



滝の上流には渓流にかかる小さな橋があり、そこから川に降りて釣ってみたがここも滑川、岩盤の川で魚信はまったくなかった。



かってオショロコマを捜して幌内川各支流を探ったときは少数の放流ヤマベと放流ニジマス(いずれも小型)しかいない魚類にとっては、ほとんど死の川に見えたが下流域にある巨大ダムの影響は極めて大きいと思われる。
しかし、釣り雑誌などにはしばしば道北の名流として紹介されている。実際にはどうなのだろうか。私たちにはわからない。
かっては神門の滝のみならず幌内川全域にニジマス放流が行われていたと思われるが、最近はそのような気配はないようである。

