デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

プロ野球という大看板がなくなる札幌ドームの施設命名権、一体全体誰が買う?

2022-10-02 08:32:33 | Weblog
 先月21日に札幌ドームが施設命名権(Naming Rights)を売却すると報じられた。スポーツ中継やニュースなどで命名した名称が出ることで宣伝効果が見込まれるからこそ企業がその権利を購入するのであって、日本ハムファイターズが来季から北広島市の新球場に移転してメディア露出が激減する施設を誰が買うのか。札幌市民の冷笑、嘲笑、嗤笑、失笑、譏笑、絶笑、放笑、爆笑が聞こえる。

 Rights と聞いて久しぶりにフィル・ウッズの「Rights Of Swing」を取り出した。61年の録音で58年のエピック盤「Warm Woods」以来のリーダー作になる。注目すべきはレーベルがナット・ヘントフ監修の「Candid」だ。僅か2年で消えたマイナーレーベルながらアビー・リンカーンの強烈な叫びに圧倒されるマックス・ローチの「We Insist!」や、黒人を差別した政治家を嗤った「フォーバス知事の寓話」で知られるチャールズ・ミンガスの「Mingus Presents Mingus」等、
メジャーレーベルとは一線を画す作品が多い。

 このアルバムは社会性が強いものではないが、当時ウッズが在籍していたクインシー・ジョーンズ楽団から選抜したメンバーで構成され、ウッズ自身の作、編曲という意欲的なものだ。ベニー・ベイリーをはじめカーティス・フラー、サヒブ・シハブ、ジュリアス・ワトキンスのホーンはよく鳴るし、ビッグバンドで培ったアンサンブルはタイトルの如くスウィングする。トミー・フラナガン、バディ・カトレット、オシー・ジョンソンの安定したリズム隊をバックに主役のウッズは気持ちよさそうに吹いているのでこちらも気分が良くなる。

 翌日の新聞に札幌ドーム社長のインタビューが載った。日ハム関連の売り上げは3割なので、ネーミングライツ売却で穴を埋めると。同じ紙面に札幌市は日ハム移転後に売上高が5割減ると出ていた。繋がった組織なのに損失額を誤魔化そうとするから差が出る。ドームも市もテレビ中継がなくなるためフェンスから撤去される広告収入を忘れてはいないか。引き算を勉強したほうがいい。
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