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世界で最も権威ある音楽賞といわれているグラミー賞の発表が先日行われ、B'zのギタリスト松本孝弘さんをはじめ、クラシックのピアニスト内田光子さん、琴演奏家の松山夕貴子さん、ジャズ界からは上原ひろみさんらが各賞を受賞した。過去にも日本人が受賞しているものの各界からの多くの受賞は快挙で、日本人ミュージシャンの演奏レベルの高さや、アイデアの豊富さが世界に認められたことは喜ばしい。
そのグラミー賞のジャズ部門を83年に「An Evening With George Shearing & Mel Torme」で受賞したのは、先日亡くなったジョージ・シアリングだ。ダコタ・ステイトンをはじめペギー・リー、ナンシー・ウィルソン、ナット・キング・コール等々、多くのシンガーとアルバムを発表してきたシアリングの集大成である。一連の作品は単なる歌伴ではなく、そのシンガーの持ち味を引き出すシアリングのファンタスティックなタッチと、その音から閃くシンガーが一体となった歌伴を超えた芸術といっていい。シアリングとメル・トーメの男の粋と色気を漂わすアルバムは、イギリス出身のシアリングが盲目というハンディを負いながらも手にした名誉の作品でもある。
渡米後、49年に結成したオリジナル・クインテットは、ピアノ・トリオにヴァイヴとギターを加えたユニークな編成で、クール・サウンドの創始者と呼ばれた。クールというとトリスターノ派の難解な演奏を思い起こすが、こちらはその編成から音こそクールであれ、爽快にスウィングするし、ピアノとヴァイヴとギターのユニゾンは世界中でコピーされたほど馴染みやすい。ここ日本でも渡辺晋とシックス・ジョーズがそのスタイルに倣い、シアリングの大ヒット作「九月の雨」をテーマ曲にしていたほどだ。49年というビ・バップ全盛期にこのスタイルは相当に斬新で新鮮であったろうが、今聴いてもそれは洗練されていて眩いほどだ。
2007年にその大きな功績が認められ、出身国のイギリスでナイトの称号を授与されたシアリングが亡くなったのは2月14日、ヴァレンタインデイのことだった。シアリングが作曲した永遠の名曲「バードランドの子守唄」は、多くのシンガーやプレイヤーがレパートリーにしている。そのメロディはチョコレートを貰った男性のように心が弾み、チョコレートのようにほろ苦く、そして甘い。Sir George Shearing 享年91歳 合掌
そのグラミー賞のジャズ部門を83年に「An Evening With George Shearing & Mel Torme」で受賞したのは、先日亡くなったジョージ・シアリングだ。ダコタ・ステイトンをはじめペギー・リー、ナンシー・ウィルソン、ナット・キング・コール等々、多くのシンガーとアルバムを発表してきたシアリングの集大成である。一連の作品は単なる歌伴ではなく、そのシンガーの持ち味を引き出すシアリングのファンタスティックなタッチと、その音から閃くシンガーが一体となった歌伴を超えた芸術といっていい。シアリングとメル・トーメの男の粋と色気を漂わすアルバムは、イギリス出身のシアリングが盲目というハンディを負いながらも手にした名誉の作品でもある。
渡米後、49年に結成したオリジナル・クインテットは、ピアノ・トリオにヴァイヴとギターを加えたユニークな編成で、クール・サウンドの創始者と呼ばれた。クールというとトリスターノ派の難解な演奏を思い起こすが、こちらはその編成から音こそクールであれ、爽快にスウィングするし、ピアノとヴァイヴとギターのユニゾンは世界中でコピーされたほど馴染みやすい。ここ日本でも渡辺晋とシックス・ジョーズがそのスタイルに倣い、シアリングの大ヒット作「九月の雨」をテーマ曲にしていたほどだ。49年というビ・バップ全盛期にこのスタイルは相当に斬新で新鮮であったろうが、今聴いてもそれは洗練されていて眩いほどだ。
2007年にその大きな功績が認められ、出身国のイギリスでナイトの称号を授与されたシアリングが亡くなったのは2月14日、ヴァレンタインデイのことだった。シアリングが作曲した永遠の名曲「バードランドの子守唄」は、多くのシンガーやプレイヤーがレパートリーにしている。そのメロディはチョコレートを貰った男性のように心が弾み、チョコレートのようにほろ苦く、そして甘い。Sir George Shearing 享年91歳 合掌
年に何回訃報記事を書くのだろう、と思いますが、こればかりは仕方がないですね。寂しいですが、残されたレコードで聴けるのは幸せなことかもしれません。今週はシアリングのお好みのアルバムをお寄せください。メル・トーメとの共作を話題にしましたのでシンガーとの共演盤でもかまいませんが、多くの共演盤がありますので、シアリング&シンガー・ベストは別の機会に話題にしようと思っております。
管理人 George Shearing Best 3
September In The Rain (MGM)
Lullaby Of Birdland (MGM)
George Shearing & Montgomery Bros. (Jazzland)
ベスト・ジャケット Latin Lace (Capitol)
初期の作品に集中しましたが、キャピトルやコンコードにも多くのアルバムがありますので何が挙げられるのか楽しみです。
63年にゲイリー・バートンとアン・リチャーズを伴って来日しておりますので、ご覧になった方は生のシアリングのご感想をお寄せください。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
たぶん私はみなさんより生まれがだいぶ遅い育ちの悪いジャズファンなので、あまりグランマスタークラス(ビバップを生きた)には触れておりません、悔しい限りです
The Shearing Sound(Telarc)
ブルーノート東京で見ました
やはりこのクラスのピアニストは凄いというか、どんなフレーズを弾こうが指運びはゆったり!なんですねぇ…そして音の大きさ(音量ではなく)と打鍵の強さですかね、実際に空気を通して聞くシアリング・サウンドはかなりラフでしたが同じ編成でもあの暖かみと浮遊感は出せないものなんだと最近聞いた若手(ベニー・グリーン達)の演奏を聞いて、あれは貴重な体験だったと実感した次第です
このアルバムはメンツが最高で、ベースのニール、ドラムに大好きなデニス(これを聞いた時は出世したなぁと思ってましたがマッコイのビッグバンドでのフライのアレンジャーぶりや、なぜだかベイシー・オケのリーダーまで…たいした奴です)にスティーブも頑張っていてイースト・オブ・ザ・サン~コンセプション~ベリー・アーリー~ピース~ララバイ・オブとアルバム構成も痒いところに手が届くヘビーローテーションな一枚です、ジャケもファニーな一枚
I Hear a Rhapsody/Live at The Blue Note(Telarc)
もう一枚のよりこちらの方が選曲がよくて…エンド・オブ・ラブ・アフェアやパウエル・チューン、なんといってもDuke(この作曲者もそろそろ…)、生きているのにプレイできないグラディを想ってしまいやるせなくなりますが…トリオだとこの方のハイレベルでお洒落なタッチがよく聞こえます
Jazz Moments(Capitol)
このベースとドラムは最強ですね
次点にOn Stage(Capitol)
パーシー・ブライス、トゥーツ、エミール、アル、アーマンド…最強のシアリング・サウンド…聞き直していて選曲がいいというよりシアリング・レパートリーが私は好きなんだと気付きました(笑)
シアリング曰く「私はたまたま白いだけさ」…越境者を思いなぜだかベン・ウェブスターとザヴィヌルのアルバムが聞きたくなりました
ここに集う皆様のお生まれはほとんど宵闇散歩さんと変わらないでしょう。60年代初頭にメッセンジャーズの洗礼を浴びた長老の SHIN さんからみると私はヒヨコみたいなものです。
ブルーノート東京でシアリングを聴かれたとは羨ましいですね。私はついぞ一度も聴けませんでした。レコードで聴く限りでは打鍵の強さは伝わってきませんので、生は貴重な体験です。
「The Shearing Sound」に、「I Hear a Rhapsody」と、新しいところが挙がりましたか。メンバーが誰であれ、それは共演したシンガーでも同じですが、スタイルは変わらない人ですね。いつの時代の作品でも安心して聴けます。「Duke」の作曲者もシアリングとほとんど生まれが変わりません。おっしゃるようにそろそろ…かもしれませんが、続けて追悼記事は嫌ですね。
そして「Jazz Moments」は挙がるのを予想していた1枚です。グループサウンドとしてのシアリングの評価は高くても、意外と話題にならないのがそのピアノスタイルです。クロスビーにタイコ失念、このトリオ盤を聴くといかに優れたピアニストだったかわかるでしょう。
On Stage はヒットナンバー・オンパレードですね。レパートリーは趣味の良さですし、それを巧にシアリング・サウンドにするあたりは天才です。
dukeさん、皆さん、こんばんは。
どうにも疲れてしまい、頭が全く働かない。
そんな中で絞り出した3枚
September In The Rain
Lullaby Of Birdland
Jazz Moments
真面目に働くのは、向いていないようだ。(笑)
1.Latin Lace
2.White Satin
3.Burnished Brass
ジョージ・シアリング・・・けっこう好きなんです(笑)
MGMからcapitol中期辺りまではジャケットもいいですね。
まずは「好きジャケット」の方だけ挙げてみます。
capitol諸作のジャケはどれも素晴らしいのですが・・・私のベスト1は~
Blue Shiffon(T1124)というやつです。青いカーテンに囲まれた青いベッドに横たわる、青いドレスの女・・・という感じのジャケットです。いいなあ・・・(笑)
dukeさん、TAKASHIさんから挙がっている、Latin Laceも、もちろん嫌いではありません。背中辺りがいいですね(笑)
dukeさんがヒヨコなら私は卵ですね(孵ることのない)
ニューオーリンズ生まれシカゴ育ちの偉大なヴァーネル・フォーニエですよぉ
つくづく実感しますがピアニストはエヴァンスなんか聞きこまないでシアリングを勉強すべきです(別にピアニストに限らずですが)
最前線の若手達はあのシアリングのフロウするサウンドとイカしたスペースをなんとか盗もうと必死に勉強してます
あぁ、ヴァーネルのポインシアーナのニューオーリンズ・ジャズ・ルンバを聞いて床につくとします
一番聴いたのは、
「On Stage !」ですね。
"And my name is....Erroll Garner!”と笑わせて、
ガーナーそっくりのBehind The Beat で弾く
「君住む街で」が、とても印象的。
シアリングのコンボのヴァイビストといえば、
初代マージョリー・ハイアムズ、その後ジョー・ローランド、カルジェイダー、
エミール・リチャーズ、ゲイリー・バートンと続きますが、
カルが在籍していた頃の音源が、手持ちにありません。
何かお薦めがあれば、教えてください。
挙げられた3枚は意識朦朧でも無意識に選ぶシアリングのベストアルバムでしょう。
September In The Rain のアレンジとユニゾンの素晴らしいこと。憂鬱な雨の日でも心は晴れる名演ですね。
真面目に働いているようには見えなかったがなぁ。(シ刑)
トップは文句なしでしょう。山頭火の詠んだ句を思い出します。うしろすがたのしぐれてゆくか。
White Satin も素敵ですが、黒髪のおごりの春のうつくしきかな・・・Black Satin に惹かれます。
Burnished Brass ブラスは磨かれておりますが、モデルは・・・私が磨きましょう。