大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカル「アイ・ラブ・ア・ピアノ」が、ここ札幌で開催される。アメリカのさまざまな歴史を1910年に作られたピアノを通して描いたもので、ガーシュインをして「アメリカのシューベルト」と言わしめたアーヴィング・バーリンの作品が60曲以上登場するという。世界で最も売れた「ホワイト・クリスマス」や、アメリカでは第二の国歌として親しまれている「ゴッド・ブレス・アメリカ」等、バーリンが書いた曲は1000曲以上に上る。
なかでもジャズメンがよく取り上げる曲といえば「How Deep Is The Ocean」で、そのメロディの美しさからバラード表現の真価を問われる難曲だ。ピアノトリオかワンホーンでじっくり聴くべき曲なのだが、テナー奏者4人でつなぐ演奏がある。「Tenor Conclave」というおどろおどろしいタイトルが付いているプレスティッジお馴染みのオールスター・セッションの一つで、「Conclave」は、ローマ教皇を選出する選挙システムの意味だから、立候補者4人がそれぞれの主張を訴える内容ということだろうか。人気も実力もマニフェストも拮抗している4人なら選挙戦で争うには根性も比べられる。それでコンクラーベという。
先陣を切って飛び出すのはアル・コーンで、短いソロながら凝縮されている。レッド・ガーランドが橋渡す形で2番手のズート・シムズに引き継ぐ。コンビのコーンの後ということもあり前者の韻を踏んでいる。続いてポール・チェンバースのアルコソロを挟み一際大きな音で登場するのがジョン・コルトレーンだ。全体の空気が変わるほど前者2人とは明らかにアプローチが違う。そして最後を締め括るのはハンク・モブレーで、アンカーらしい落ち着いたフレーズで決める。録音された56年という時点でそれぞれスタイルは確立されており、将来のテナー界を担うだけの実力を備えている。その後大きく変貌するコルトレーンは別にしての話であるが。
バーリンが、「愛は海よりも深く、山よりも高い」という詞も曲と同時に書き上げたのは1932年に発表される数年前だという。これほど心打つバラードの発表が何故遅れたかというと、当時バーリンは極度のスランプに陥っており発表する自信がなかったそうだ。幾多の名曲を書いた才能溢れる作曲家も悩み苦しんだ時期があったことに驚くが、ロシアの作家ドストエフスキーは、苦しむこともまた才能の一つである、と言っている。
なかでもジャズメンがよく取り上げる曲といえば「How Deep Is The Ocean」で、そのメロディの美しさからバラード表現の真価を問われる難曲だ。ピアノトリオかワンホーンでじっくり聴くべき曲なのだが、テナー奏者4人でつなぐ演奏がある。「Tenor Conclave」というおどろおどろしいタイトルが付いているプレスティッジお馴染みのオールスター・セッションの一つで、「Conclave」は、ローマ教皇を選出する選挙システムの意味だから、立候補者4人がそれぞれの主張を訴える内容ということだろうか。人気も実力もマニフェストも拮抗している4人なら選挙戦で争うには根性も比べられる。それでコンクラーベという。
先陣を切って飛び出すのはアル・コーンで、短いソロながら凝縮されている。レッド・ガーランドが橋渡す形で2番手のズート・シムズに引き継ぐ。コンビのコーンの後ということもあり前者の韻を踏んでいる。続いてポール・チェンバースのアルコソロを挟み一際大きな音で登場するのがジョン・コルトレーンだ。全体の空気が変わるほど前者2人とは明らかにアプローチが違う。そして最後を締め括るのはハンク・モブレーで、アンカーらしい落ち着いたフレーズで決める。録音された56年という時点でそれぞれスタイルは確立されており、将来のテナー界を担うだけの実力を備えている。その後大きく変貌するコルトレーンは別にしての話であるが。
バーリンが、「愛は海よりも深く、山よりも高い」という詞も曲と同時に書き上げたのは1932年に発表される数年前だという。これほど心打つバラードの発表が何故遅れたかというと、当時バーリンは極度のスランプに陥っており発表する自信がなかったそうだ。幾多の名曲を書いた才能溢れる作曲家も悩み苦しんだ時期があったことに驚くが、ロシアの作家ドストエフスキーは、苦しむこともまた才能の一つである、と言っている。
歌詞の一節から「ハウ・ハイ・イズ・ザ・スカイ」の題名もある「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン」ですが、今週はホーン楽器でお好みをお寄せください。ピアノとヴォーカルは機を改めて話題にします。ヴィブラフォンも含みます。
管理人 How Deep Is The Ocean Horn Best 3
Miles Davis Vol.1 (Blue Note)
Walt Dickerson / To My Queen (New Jazz)
Sonny Criss / Go Man (Imperial)
ハリー・エディソンや、最近ではジュシュア・レッドマン等、多くの名演がありますので、何が挙がるのか楽しみです。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
How Deep Is The Ocean、ぱっと思いつくのは、2枚しかないのです。しかもdukeさんが挙げたものばかり・・・。(泣)
Miles Davis Vol 1
このアルバムは、外せない!
Go Man/Sonny Criss
ソニー・クリス節(所謂、泣き節)が好きだ!
ソニー・クラークも好演だ!
問題は、後の一枚・・・探してみます。
マイルスはやはり外せませんね。ジャンキーから立ち直っていく時代ですので、音楽的にも人間的にも重要な演奏です。
クリスのゴーマンはアルバム自体ベスト盤ですし、クラークの後ろ髪引かれるフレーズも魅力があります。ソニーと呼べばソニーと応える二人のソニーのコンビはこだまを聞いているようです。
デュークさん、カミさんとソニー・クリスを
選出なさっていますね。
私もクリスは嫌いではありませんし、一時期随分と
蒐集したものですが、ことHow Deep に関しては、
クリスのようなコテコテの泣き節よりも、
そこはかとなく哀感の漂うような演奏のほうが好きなので、
選外としました。
1)「Bone Ified / Bill Watrous」
渋いです。
超ハイテクを誇るワトラスが、技巧を抑えめにして、
「そこはかとない」哀感を感じさせているところが、憎い。
2)「Sweets / Harry Eddison」
tp では、他にお二人の挙げておられるマイルス盤や、
「Broken Wing / Chet Baker」がありますが、
オープンで吹いてるマイルスやチェットよりも、
ミュートで抑えめのエジソンを推します。
ベン・ウェブスター、ジミー・ロウルズの好サポートも
光っています。
3)「To My Queen / Walt Dickerson」
「ヴァイブ界のコルトレーン」と言われる
ディッカーソンのヴァイブは、なんとなく理屈っぽくて
実はあまり好みではないのですが、このヴァージョンはいいですね。
適度にリリカルで、よく歌ってる。
ちょっと長いのが、難点。
ヴァイブでは他にテディ・チャールズの
「Vibe-Rant」がありますが、まあこれは可もなし不可もなしで、
ランクインさせるほどでもないと思います。
ギターもありなら、ウォルトの代わりに
「Intuit / Kurt Rosenwinkel」を。
コテコテ系を外して哀感路線できましたか。 ビル・ワトラスの「Bone Ified」は全体に優しいトーンが流れていて良い内容ですし、この曲はおっしゃる「そこはかとない」哀しさが漂いますね。ワトラスは数々のビッグバンドを渡り歩きながら未だ日本では評価が低いのが残念です。神業は近寄り難いものがあるのでしょうかね。
ハリー・エディソンは私も迷った1枚です。ジャケだけで「Sweets」な演奏が聴こえてきます。ミュートでバラードはこう吹くのだ、というお手本です。
ディッカーソンだけは同調しましたね。どうしてもコルトレーンのイメージで聴かれ語られるディッカーソンですが、歌心もあります。メタリックな音は好みが分かれますが、時代的には新鮮でしたし、アイデアは斬新でした。
カートの作品はオリジナル曲が多いですが、このアルバムはスタンダード中心で聴きやすいですね。グラント・グリーンを思わせる音です。
>ワトラスは数々のビッグバンドを渡り歩きながら
未だ日本では評価が低いのが残念です。
そうですね、一般のジャズ・ファンの間では、
JJなんかに比べれば知名度は低いですが、
アマチュアも含めたtrombone player に限定して
トロンボーン奏者の人気投票をやったら、
おそらくワトラスはかなり上位にランクインすると
思いますよ。
知り合いのボントロ奏者で、ワトラスが好きだという人
かなり多いです。
一般のジャズ・ファンだけの投票で入って、奏者で入らないボントロ奏者・・・カーティス・フラー
両方で入るボントロ奏者・・・JJ
両方で入らないボントロ奏者・・・ラズウェル・ラッド(笑)
ついでに、唸り声が好きなファンで入るボントロ奏者・・・マシュー・ジー
肉類よりも魚貝類が好きなファンで入るボントロ奏者・・・カイ・ウィンディング
ジョシュア・レッドマン、あったハズですが・・・見つからない・・・憶えていない。(汗)
・チェット・ベイカー「ブロークン・ウイング」
アタマに鳴り響くのは、インストならコレです♪
・スタン・ゲッツ「プレイズ」
速いテンポ。CDのボーナス・トラックです。
・ハリー・エディソン「スウィーツ」
よく行く喫茶で聴きました。ミュートが素敵!
「モダン・ジャズ・セクステット」のバラッド・メドレーの中にも、ガレスピーの吹く同曲を見つけました。
Miles Davis Vol.1 (Blue Note)
Walt Dickerson / To My Queen (New Jazz)
Sonny Criss / Go Man (Imperial)
これ以外に持ってないかと探したら・・ピアノ物は多いのに、管ものが少ない。
しかし、ベスト3となると・・・私はこの三枚ではなく、ハリー・スイーツ・エジソンのスイートを絶対に入れたいものだ。
じゃあ、誰を外すか・・しょうがないな、今回はディカーソンを外そう。
25さんと違って私はディカーソンのヴァイブは好きな方で、良いとは思っているのだが・・・絞込みで外した。
ということで、
1、マイルス
2、スイーツ・エディソン
3、クリス
これで決まりだな!
ところで、ヴォーカルの高樹レイちゃんとピアノの若井優也君が今札幌でライブ中とか・・昨日、今日あたりやっているらしい。
お閑なら覗いてみてください。
ジョシュア・レッドマンは「Timeless Tales」に収録されております。ビートルズ・ナンバーも入っておりました。
ベイカーはこの時期精力的にレコーディングしておりますが、若い頃にはないバラード解釈がみられます。フィル・マルコビッツのピアノとの対話が聴きどころでしょうか。
ゲッツの「プレイズ」はレコード所有ですので、じっくり聴いたことはありませんがこの時期ですから悪かろうわけはありませんね。
スウィーツの甘さはバーでグラスを傾けながらでも聴ける大人の味でしょうか。
「モダン・ジャズ・セクステット」のバラード・メドレーの中にもありましたね。ジャム・セッションには欠かせない見せ場でもあります。