クリフォード・ブラウンの死を悼んで書かれた「アイ・リメンバー・クリフォード」、出演したクラブに敬意を表した「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」、破竹の勢いをみせるメッセンジャーズの「ブルース・マーチ」、ベニー・ゴルソンの曲はタイトルだけで曲が作られた背景がみえる。そして、リロイ・ジャクソンによって歌詞もつけられ、最も多くカバーされた曲に「ウィスパー・ノット」があるが、どんな背景で書かれたのだろう。
56年にゴルソンがディジー・ガレスピー楽団に在籍中に作曲していることから、初演は57年4月録音のガレスピー「バークス・ワークス」かと思ったら、リー・モーガンのブルーノート盤のほうが早く、56年12月録音だった。ゴルソンとモーガンは、当時ともにガレスピー楽団に参加していたこともあり、早くからモーガンの才能を見抜いていたゴルソンは、「アイ・リメンバー・クリフォード」という珠玉のバラードをモーガンが吹くことを想定して書いたという。ならば「ウィスパー・ノット」も初演がモーガンなら、コーラス部分と同じコード進行で、別のメロディが付いている所謂、セカンド・リフを巧みに使う凝った曲もモーガンなのだろうか。
多くの名演を生んだこの曲のタイトルをイメージするジャケットは、アル・ベレットの「Whisper not」だ。あまり馴染みのないプレイヤーだが、アルトとクラリネットを丹誠に吹き、さらに歌も上手い。スタン・ケントン楽団で活躍したジェリ・ウィンタースのデビュー盤でバックを務めていたバンドのリーダーといえば、ベレットのベルベットの音が思い出されるかもしれない。セックステットという編成を上手く生かしたアレンジが面白く、タイトル曲のテーマは所々めりはりのあるアンサンブルを入れ、各人のソロは短いながらも洗練されている。甘いジャケットだけで敬遠されそうだが、開けて吃驚の玉手箱の仕掛けだ。
モーガンが吹くことを前提にしていたとしてもタイトルの謎が残る。当時のガレスピー楽団はツアーが多く、旅先で血気盛んな男が考えることはひとつしかない。メンバーは、モテ男のモーガンを初め、アル・グレイ、ビリー・ミッチェル、ウィントン・ケリー、チャーリー・パーシップ、況してや遊ぶために仕事をしている親分のガレスピーだ。イメージが湧き、集中して曲を書いているときメンバーから悪魔のささやきを聞いたゴルソンは言ったのかもしれない。「Whisper not!」と。
56年にゴルソンがディジー・ガレスピー楽団に在籍中に作曲していることから、初演は57年4月録音のガレスピー「バークス・ワークス」かと思ったら、リー・モーガンのブルーノート盤のほうが早く、56年12月録音だった。ゴルソンとモーガンは、当時ともにガレスピー楽団に参加していたこともあり、早くからモーガンの才能を見抜いていたゴルソンは、「アイ・リメンバー・クリフォード」という珠玉のバラードをモーガンが吹くことを想定して書いたという。ならば「ウィスパー・ノット」も初演がモーガンなら、コーラス部分と同じコード進行で、別のメロディが付いている所謂、セカンド・リフを巧みに使う凝った曲もモーガンなのだろうか。
多くの名演を生んだこの曲のタイトルをイメージするジャケットは、アル・ベレットの「Whisper not」だ。あまり馴染みのないプレイヤーだが、アルトとクラリネットを丹誠に吹き、さらに歌も上手い。スタン・ケントン楽団で活躍したジェリ・ウィンタースのデビュー盤でバックを務めていたバンドのリーダーといえば、ベレットのベルベットの音が思い出されるかもしれない。セックステットという編成を上手く生かしたアレンジが面白く、タイトル曲のテーマは所々めりはりのあるアンサンブルを入れ、各人のソロは短いながらも洗練されている。甘いジャケットだけで敬遠されそうだが、開けて吃驚の玉手箱の仕掛けだ。
モーガンが吹くことを前提にしていたとしてもタイトルの謎が残る。当時のガレスピー楽団はツアーが多く、旅先で血気盛んな男が考えることはひとつしかない。メンバーは、モテ男のモーガンを初め、アル・グレイ、ビリー・ミッチェル、ウィントン・ケリー、チャーリー・パーシップ、況してや遊ぶために仕事をしている親分のガレスピーだ。イメージが湧き、集中して曲を書いているときメンバーから悪魔のささやきを聞いたゴルソンは言ったのかもしれない。「Whisper not!」と。
ウィスパー・ノットはイメージが湧いて僅か20分足らずで書いたゴルソンの傑作です。今週はホーン楽器(ヴァイヴ含む)でお好みの演奏をお寄せください。ピアノ、ヴォーカルは別の機会に話題にします。
管理人 Whisper Not Best 3
Lee Morgan Vol. 2 (Blue Note)
Benny Golson / New York Scene (Contemporary)
Stan Getz / Cool Velvet (Verve)
多くの名演がありますので何が挙げられるのか楽しみです。
今週も先週同様たくさんのコメントをお待ちしております。
目指せ100コメ(笑)
Vol.2 もいいけど、私はモーガン絡みなら、これ。
モーガンの奔放かつ繊細なミュート、
ビリー・ミッチェルts、ビリー・ルートbs の両ビリーによる
短いけどガツンと来るソロも、堪りません。
ガレスピー不在の、バンドのメンバーによる録音ですが、
JJ抜きの「Over Seas/ Tommy Flanagan」とか、
「親分抜きセッション」がこの当時流行っていたのでしょうか?
②「Destiny/ Mark Nightingale」(MONS)
英国のトロンボーンの俊才、マーク・ナイチンゲールが
RIAS Big Band をバックに吹き込んだ、好アルバム。
97年録音当時、まだ30才の若さのマークですが、
高度に研ぎ澄まされたテクニックと、溢れる歌心に
驚かされます。
イントロとエンディングで、Five Spot After Dark を
ちょろっと回想しているのも、粋ですね。
③「Bags Opus/ Milt Jackson」(UA)
ヴァイブもありって、それじゃまるで誘導尋問ですね。
わかってても、引っかからざるを得ません。
次点に、
「Legacy/ Jon Faddis」(Concord)を。
ファディスのハイノートと、ケニー・バロンpの
ソロが秀逸です。
ファディスも、最近あまり話題に挙りませんね。
やはりアトモスフェアがきましたか。今でこそモーガンもケリーもビッグネイムですが、アル・グレイとビリー・ミッチェルのジャケ写を見てもわかるように当時は無名だったのでしょう。特定のリーダーがいないジャムセッションでして、親分抜きの気心のしれた仲間だけに伸び伸びした演奏です。
Specialty オリジナルを持っている、なんて怖ろしいことは言わないでしょうね。(笑)
親分抜きセッションは息抜きのようなものでしょうか。レギュラー以外の仕事でエネルギーを発散し、そのセッションで切磋琢磨したのかもしれません。
Five Spot After Dark を引用した、でマーク・ナイチンゲールの演奏を思い出しました。持ってはいませんが、フーリッシュ・ハートも演奏していたと思います。
そして「Bags Opus」、誘導尋問にかかりましたね。(笑)
ゴルソンは自分のナンバーでは控えめなプレイをし、ジャクソンを立てたのでしょう。
ファディスのコンコード盤は聴いておりませんが、相変わらずハイノートで飛ばしているのでしょうか。
いかにもハード・バップという感じを受ける演奏が良いです。
モーガンはこの時18歳という若さというのに驚きました。
②Art Farmer=Benny Golson Jazztet / Here And Now
アート・ファーマーのトランペット、ベニー・ゴルソンのテナー、グラチャン・モンカーⅢのトロンポーンの3管のハーモニーが優しく、美しいです。そして、しみじみとしたゆったりとしたテンポが雰囲気を出しています。
ゴルソンのソロがいいなあ、と思って聴いていると、
次のファーマーのソロが、これまた良い。アレンジにも工夫がされていると思います。
③Milt JAckson / Bags Opus
ヴァイブが管楽器の存在感に押され気味という感じもしますが、ヴァイブでのこの曲も好きです。
ここでも、またアート・ファーマーとベニー・ゴルソンが参加していますが、Here And Nowよりテンポが速く、また違った印象です。全体的にくつろいだ感じになっていて、こういうのも好きです。
モーガンはつくづく天才だなぁと思うのは、18歳にしてこの演奏、そして翌年には「アイ・リメンバー・クリフォード」、荒削りと言われますが歌心に溢れております。
Here And Now もありましたね。この3管で後に大きく変ったのはグラチャン・モンカーⅢでした。2世はサボイ・サルタンズのベーシストでしたが、3世でこんなに変るとは先祖も思わなかったことでしょう。3世の時代でも変わらないのが日本の政治家とか。(笑)
Bags Opus のウィスパー・ノットは少しテンポが速めですが、ジャクソンのブルージーな歌いはバラードで演奏するより前面に出ておりますね。
ウィスパー・ノットはゴルソンの傑作の一つですね。
今日店でモーガンのVol2をかけておりました。
そして帰宅すると、今週はウィスパー・ノットでした。
お気に入りは
「リー・モーガンVol2」
モーガンの自由奔放さが好きだ!モブレイも良い味を出している!
「ニューヨーク・シーン」ベニー・ゴルソン
6管編成の分厚いハーモニー・・良いな!
中でもゴルソンとファーマーに注目だ!
「バグス・オパス」ミルト・ジャクソン
この顔ぶれなら名演しかありえない!
次点「サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ」
モーガンのVol2をかけていたとは、偶然か以心伝心か、はたまた鯛を2匹持ったヱビスが現れたのでしょうか。(笑)
当然トップはモーガン、そして私も挙げた「ニューヨーク・シーン」がきましたね。ゴルソンは何度も演奏しておりますが、これが一番と思います。ジャケからもタイトルからもニューヨークというジャズの最前線に臨む意気込みが感じられます。
サンジェルマンもモーガンのミュートに続くゴルソンがいいソロを吹いておりますね。
ピアノ、歌の方のヴァージョンもあげたいところですが、今回はホーンということなので反射的に決まりました。
①ART BLAKEY / au club St.Germain (RCA)
②Dizzy Atmosphere/ Morgan=Kelly Septet
(Specialty)
③Lee Morgan Vol. 2 (Blue Note)
という定番的なところになりました。Dizzy Gillespieバンドの「Birk's Works」(Verve)における演奏も印象に残っています。Dizzy Atmosphereは、絶好調のケリーのプレイが忘れられません。
B.Golson quintet 1987
Benny Golson(ts) Freddie Hubbard(tp,fh)
Mugrew Miller(p) Ron Carter(b) Marvin Smitty Smith(ds)
http://www.youtube.com/watch?v=qGN9o-zmFIc
動画ではありません。(音だけ)
Lee Morgan Sextet(1956)
Lee Morgan (trumpet), Kenny Rodgers (alto sax), Hank Mobley (tenor sax), Horace Silver (piano), Paul Chambers (bass), Charlie Persip (drums),
Benny Golson (arrange)
http://www.youtube.com/watch?v=xRgR9StLyaQ
Art Blakey & The Jazz Messengers Live in '58
http://www.youtube.com/watch?v=LrmJJ87KZ0U
動画ではありません。(音だけ)
Lee Morgan Sextet(1956)
Lee Morgan (trumpet), Kenny Rodgers (alto sax), Hank Mobley (tenor sax), Horace Silver (piano), Paul Chambers (bass), Charlie Persip (drums),
Benny Golson (arrange)
http://www.youtube.com/watch?v=xRgR9StLyaQ
動画ではありません。(音だけ)
Maynard Ferguson Orchestra 1967
http://www.youtube.com/watch?v=tJVgZTaW2a4
トシコの秘蔵っ子、バビー・シューであります。(太ったね)
Bobby Shew & Las Vegas Brass Band plays Whisper Not(2007)
http://www.youtube.com/watch?v=fOwbMZVv9Qs
ソプラノも良いね。
Tenor and Soprano Sax
http://www.youtube.com/watch?v=mzS0n11C7vw
Alto Sax
http://www.youtube.com/watch?v=9HVETOoJsCc
フルートでWhisper Not、誰が良かったっけ?思い出せない。
女の人がフルートを演奏すると美人に見えますよね。(バックが単調)
Jazz CRSM - Whisper Not
http://www.youtube.com/watch?v=Bx_zotfUc_c
ヴィブラフォンも鍵盤楽器だと思うのだが、それはさておき、いいねぇ
Bobby Hutcherson(1984)
http://www.youtube.com/watch?v=rtvPJYPrEYk
ということは、ハーモニカも許さるのだな...ソロの切れが今ひとつ
Whisper Not
http://www.youtube.com/watch?v=a7xGBMWT-pA
反射的に決まったようですが、全部モーガンですね。(笑)
この時期のモーガンは甲乙付け難い内容ですが、私はモーガンのソロに限ってはやはりリーダー作を推したいですね。トップに挙げられたサンジェルマンは最も煌びやかですが、これはおそらくパリジェンヌにアピールしたものでしょう。その後のパリの夜はわかりませんが、ベッドで「Whisper Not」かなぁ。(笑)
「Birk's Works」はあまり話題になりませんが、御大もいいですね。