生まれながらの放浪者だった主人公が、身投げした女性を救う。一命を取り留めた美しい女性は過去の記憶を一切忘れていた。主人公は己が名さえ知らぬ女性と次第に惹かれ合うのだが、ある日彼女の記憶が戻ると記憶喪失中の出来事を忘れてしまっている。何とも切ないストーリーは、1933年の映画「風来坊」で、主人公を演じたのは「ジャズ・シンガー」にも主演したアル・ジョルソンだ。
そのジョルソンがこの映画で歌ってヒットした曲に「ユー・アー・トゥー・ビューティフル」がある。その後散発的に取り上げられていたが、この曲の存在を決定付けたのはコルトレーンをバックに熱唱したジョニー・ハートマンだった。ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズのコンビだけあり、タイトルの如く詞も美しければメロディも哀しいほどに美しいバラードだ。詞をドラマティックに歌い上げることでメロディの際立った美を引き出す効果もありインストは少ないもののモンクやロリンズといった個性派のプレイヤーが取り上げているのが面白い。ときにアヴァンギャルドに聴こえる音使いだが、歌心あってこその名演だろう。
ペギー・リーの伴奏者を務めたことがあるハル・シェイファーがこの曲をトリオで吹き込んでいる。ジャズピアニストというよりも映画畑の仕事が多い人で、20世紀フォックス社に在籍していたこともあり、その当時はマリリン・モンローやジェーン・ラッセルのボーカル・コーチをしていたという。さてそのピアノスタイルだが、冗談音楽を思わせるひょうきんなジャケットからは想像も付かない端正なピアノで驚く。ビル・エヴァンスに通ずる内省的な面もあるがタッチは明朗で、メロディラインの輪郭は太い。このスタイルこそがモンローやラッセルの歌唱に結びつき名唱を残したといっていい。
シェイファーは46年にJewelレーベルにソロ録音をしたあと、50年代にこのアルバムと「The RCA Victor Jazz Workshop」、60年代には数枚の作品をユナイトに残している。そして76年の春に突然マイナーレーベルのRenaissanceからライブ録音の「The Extraordinary Jazz Pianist」を発表した。このアルバムが好評でディスカヴァリーから再発されたので耳にされた方もあろう。気が向くとジャズのアルバムを作るハル・シェイファーは春の風来坊かもしれない。
そのジョルソンがこの映画で歌ってヒットした曲に「ユー・アー・トゥー・ビューティフル」がある。その後散発的に取り上げられていたが、この曲の存在を決定付けたのはコルトレーンをバックに熱唱したジョニー・ハートマンだった。ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズのコンビだけあり、タイトルの如く詞も美しければメロディも哀しいほどに美しいバラードだ。詞をドラマティックに歌い上げることでメロディの際立った美を引き出す効果もありインストは少ないもののモンクやロリンズといった個性派のプレイヤーが取り上げているのが面白い。ときにアヴァンギャルドに聴こえる音使いだが、歌心あってこその名演だろう。
ペギー・リーの伴奏者を務めたことがあるハル・シェイファーがこの曲をトリオで吹き込んでいる。ジャズピアニストというよりも映画畑の仕事が多い人で、20世紀フォックス社に在籍していたこともあり、その当時はマリリン・モンローやジェーン・ラッセルのボーカル・コーチをしていたという。さてそのピアノスタイルだが、冗談音楽を思わせるひょうきんなジャケットからは想像も付かない端正なピアノで驚く。ビル・エヴァンスに通ずる内省的な面もあるがタッチは明朗で、メロディラインの輪郭は太い。このスタイルこそがモンローやラッセルの歌唱に結びつき名唱を残したといっていい。
シェイファーは46年にJewelレーベルにソロ録音をしたあと、50年代にこのアルバムと「The RCA Victor Jazz Workshop」、60年代には数枚の作品をユナイトに残している。そして76年の春に突然マイナーレーベルのRenaissanceからライブ録音の「The Extraordinary Jazz Pianist」を発表した。このアルバムが好評でディスカヴァリーから再発されたので耳にされた方もあろう。気が向くとジャズのアルバムを作るハル・シェイファーは春の風来坊かもしれない。
コルトレーンとジョニー・ハートマンで有名な「ユー・アー・トゥー・ビューティフル」ですが、今週はインストでお気に入りをお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 You Are Too Beautiful Best 3
Thelonious Monk / The Unique (Riverside)
Sonny Rollins at Music Inn (MetroJazz)
Julius Watkins & Charlie Rouse / Les Jazz Modes (Dawn)
他にもジュニア・マンス、レッド・ガーランド、ベン・ウエブスター、キャノンボール・アダレイ、エディ・ロックジョー・デイヴィス、ウォーン・マーシュ、タル・ファーロウ、最近ではグラント・スチュワート等々、名演がありますので何が挙がるのか楽しみです。
Thelonious Monk - You are too beautiful
http://www.youtube.com/watch?v=uO-kP4CLSQQ
ワトキンス&ラウズ、ガーランドのソロ、
キャノンボール、マーシュは手持ちにないので、
発注しました。
挙がっていないところでは、
ゴー・ゴー・ゴラゲールと、
フェルドマン・イン・ロンドンVol.1 が、
手持ちにありました。
ジュニア・マンスは、そう多くないリーダー作の中で、
2度も取り上げているので、よほどこの曲が
好きなんでしょうね。
発注されたなかではワトキンス&ラウズが気に入ると思われます。ともに目立たないお二人ですが、いい味を出しております。
アラン・ゴラゲールもありましたね。廉価盤の冴えないジャケで持っておりますが、フィリップスのオリジナル・ジャケで入手したいアルバムです。
フェルドマンは残念ながら持っておりません。気になるところです。
ジュニア・マンスのヴァンガード盤は持っておりますが、もう1枚は何でしょうか?
>ジュニア・マンスのヴァンガード盤は持っておりますが、もう1枚は何でしょうか?
すみません、曲名検索してたらSoulful Pianoの
ジャケ写のCDが出てきたので、てっきりあれにも
入ってるのかと思ったら、ヴァンガード盤を含む
コンピCDのようです。
↓
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4968640
この曲は、コルトレーン&ジョニー・ハートマンの印象が強いですね。
お気に入りは
The Unique/Thelonious Monk
At The Village Vanguard/Junior Mance
A Sign Of The Time/Tal Farlow
モンクのアルバムは大好きで、週に一回は店でかけています。おかげで、モンクのソロが全て頭の中に入っています。(笑)
1)「Elvin! / Elvin Jones」
朗々たるサドのコルネット、繊細なフランク・ウェスの
フルートをフロントに、ハンクのリリカルなピアノ、
そして抑制の効いたエルヴィンのブラシがバックを支える、
まさに最高のトラックと思います。
ハンク、サド、エルヴィンのジョーンズ兄弟が
揃い踏みしたアルバムは意外と少ないだけに、貴重ですね。
2)「The Unique / Thelonious Monk」
これは、鉄板ですね。渋い!!
3)「Victor Feldman In London Vol.1」
Vol.2 がBig Band やNinetet の大きい編成のナンバーが
中心なのに対し、Vol.1 はスモール・コンボです。
僕がゲットした20年前はどちらも入手困難で、輸入盤専門店で
やっとの思いで手に入れたものでしたが、今は
CDで容易に入手できますね。便利な世の中です。
You Are Too Beautiful は、終始一貫フェルドマンの
ヴァイブのソロが展開されます。
ミルト・ジャクソンなら、もっとしつこくうねるような
ソロを取ったんじゃないかと想像しますげ、残念ながら
ミルトの音源はないようですね。
次点に、マンスのヴァンガードでのライブ盤。
ゴー・ゴー・ゴタゲールは、ベース、ドラムが
やや弱いので残念でした。
このコンピCDでしたら勘違いされるかもしれません。3枚まとめて聴けるお買い得盤ですが、それぞれにジャケも個性がありますので出来れば別々に揃えたいものです。
そして、ベストのトップにエルヴィンがきましたか。これは忘れておりました。今聴き返しておりますが、サドとウェスの対話がいいムードを醸し出しております。仲の良いジョーンズ兄弟ならではのまとまりのあるアルバムです。
モンクは鉄板としてヴァイブ好きの25-25 さんは外せないフェルドマンが挙がりましたね。このレコードは見かけたことがありますが、高くて手が出ませんでした。コアなファン向けですので多少高値でも売れたのでしょう。CDが出ているようですので探してみます。
ミルト・ジャクソンの音源はないようです。あのうねるようなソロでこの曲も聴いてみたいもんです。
ゴー・ゴー・ゴタゲールは印象が薄いですね。ゴー・ゴーという勢いを期待すると外れの1枚です。
トップはモンクで決まりかもしれませんね。数あるモンクのアルバムでも、これとエリントン集は売れたといわれておりますが、やはり選曲なのでしょう。オリジナル曲は全て素晴らしいもので今でこそスタンダードですが、ブルーノート盤はブルーノート・レーベルのなかでも最悪のセールだったそうです。先を行っていたのでしょう。
そしてマンスはジャズ喫茶の人気盤だけあり聴き所が満載ですね。
次いでタル・ファーローが挙がりましたか。このアルバムは以前話題にしましたが、メロディラインが太くて良いですね。
At The Village Vanguard/Junior Mance
後一枚、実はガーランドが良いと思っている。
何故か彼はよくこの曲を弾いていたような気がする。「レッド・アローン」というアルバムがいい。
しかし、この曲の歌詞は口説き文句にはうってつけと考え、女性の耳元で歌詞を囁く馬鹿が多い。バーカウンターで偶然隣に居た男性がこの歌を囁き始めたという話を女性から聴いた事がある。「アノ馬鹿何考えているだろうか、気持ちわるいたらありゃしない」と後でコケにされているとは露知らず、毎晩そんな事をやっている男がいるのだろう・・・まさかDUKEさんじゃ無いですよね。
モンク、マンスに次いでガーランドとピアノが並びましたか。レッド・アローンを聴きかえしておりますが、カクテルピアノ風の甘さがあるとはいえ程よい装飾はガーランドさがにじみ出ていますね。かつてはカクテルピアノと酷評されたこともありますが、もしホテルのラウンジで弾いていても会話が止まるほど素敵なピアノだと思います。
私は音痴ですので、バーで女性にこの曲を歌うことはありませんが、「君の瞳に乾杯!」と言ってグラスを近づけます。その途端、頭がカクテル漬けになっておりました。(笑)