週末いつものように「DAY BY DAY」のカウンターに座ると、「お預かりしております」と一目でボトルとわかる紙袋が置かれた。ファンからの贈り物は珍しくないがどなただろう?以前住んでいた道東のジャズ仲間だ。ご家族で週初めに来店されたという。そういえば息子さんが札幌に就職したことを年賀状に添え書きされていたのを思い出した。しばらくお会いしていないが、電話口の声は今も変わらない。
麦焼酎の「百年の孤独」である。これは嬉しい。薄い琥珀色で何年も寝かしたウイスキーのような深い味だ。プレミアが付いているので簡単に入手できない逸品である。ジャズファン、それもドルフィー・ファンならレコードの横にボトルを飾っているかもしれない。ラベルに「When you hear music ,after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again」が刷られている。そう、あの「Last Date」の最後の曲「Miss Ann」のあとに収録されているドルフィーの肉声だ。録音に先立つ4月にミヒャエル・デロイターのインタヴューに答えた言葉だが、この1964年6月2日の録音から27日後に帰らぬ人となったので意味深い。
バックはミッシャ・メンゲルベルクにジャックス・スコールズ、ハン・ベニンクというオランダを代表するジャズマンで、ドルフィーが引っ張る形で実力以上のものを出している。ヨーロッパのプレイヤーはアメリカと比べると数段も落ちると言われているが、ビッグネイムと共演することで鼓舞されそれがいい演奏につながっていく。アルバムはまずバス・クラリネットではじまる。モンクとケニー・クラークが1942年に共作した「Epistrophy」だ。ユーモラスでひょうきん、尚且つリズミカルなテーマはモンクならではの作風で、それを理解しているサイドメンとドルフィーのセッションは極上のものとなった。
「百年の孤独」というネーミングは、1982年にノーベル文学賞を受賞したコロンビアの作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの同名小説に由来する。20世紀文学の最高傑作のひとつと言われている作品で、無人島の1冊に挙げる人も多い。ドルフィーの深いバスクラの音色に包まれながら琥珀色のグラスを傾け、ページを開く。連休の喧騒のあと、孤独に浸るのも乙なものだ。
麦焼酎の「百年の孤独」である。これは嬉しい。薄い琥珀色で何年も寝かしたウイスキーのような深い味だ。プレミアが付いているので簡単に入手できない逸品である。ジャズファン、それもドルフィー・ファンならレコードの横にボトルを飾っているかもしれない。ラベルに「When you hear music ,after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again」が刷られている。そう、あの「Last Date」の最後の曲「Miss Ann」のあとに収録されているドルフィーの肉声だ。録音に先立つ4月にミヒャエル・デロイターのインタヴューに答えた言葉だが、この1964年6月2日の録音から27日後に帰らぬ人となったので意味深い。
バックはミッシャ・メンゲルベルクにジャックス・スコールズ、ハン・ベニンクというオランダを代表するジャズマンで、ドルフィーが引っ張る形で実力以上のものを出している。ヨーロッパのプレイヤーはアメリカと比べると数段も落ちると言われているが、ビッグネイムと共演することで鼓舞されそれがいい演奏につながっていく。アルバムはまずバス・クラリネットではじまる。モンクとケニー・クラークが1942年に共作した「Epistrophy」だ。ユーモラスでひょうきん、尚且つリズミカルなテーマはモンクならではの作風で、それを理解しているサイドメンとドルフィーのセッションは極上のものとなった。
「百年の孤独」というネーミングは、1982年にノーベル文学賞を受賞したコロンビアの作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの同名小説に由来する。20世紀文学の最高傑作のひとつと言われている作品で、無人島の1冊に挙げる人も多い。ドルフィーの深いバスクラの音色に包まれながら琥珀色のグラスを傾け、ページを開く。連休の喧騒のあと、孤独に浸るのも乙なものだ。
「Epistrophy」はモンクのライブの締めによく使われる曲でモンクのテーマといっていいでしょう。今週はこの曲のお気に入りをお寄せください。
管理人 Epistrophy Best 3
Thelonious Monk / Monk's Music (Riverside)
Eric Dolphy / Last Date (Fontana)
Art Taylor / A. T.'s Delight (Blue Note)
当然ですがモンクは何度も録音しております。他にもモンク信奉者のスティーヴ・レイシーをはじめバド・パウエル、チャールス・マクファーソン、ロン・カーター、リチャード・デイヴィス等々、多くの録音があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Thelonious Monk – Epistrophy
https://www.youtube.com/watch?v=amSRAblTGdM
レコードで聴くと訥々とした感のモンクのピアノですが、映像で観るとエネルギッシュです。
ラウズの左足に注目。タイムの取り方が絶妙です。モンクの足の動きも凄い。
「エピストロフィー」、この曲でまず思い浮かぶのが、
・Richard Davis / Epistrophy & Now's The Time (Muse)
です。1972年のライブ録音、片面で一曲20分以上のタフなヤツなので年に一・二回くらいしか聴いてませんが、熱くて好きなレコードです。
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」はずいぶん昔に読んだはずですが、あまり覚えておりません。しかしエリック・ドルフィーとなんだか合いそうな気が…。
リチャード・デイヴィスのサングラス・ジャケットが挙がりましたね。ベースの長いイントロからゆったりとしたテンポでテーマに入っていくあたりはなかなかスリリングです。この時期のマーヴィンはよかったですね。当時、ジャズ喫茶でも人気があったレコードです。
マルケスの「百年の孤独」は、コロンビアの小説が話題になった頃読みました。小説の理想形と言われるだけの組み立てです。
この曲は、ドルフィーです。学生時代に、ジャズ喫茶で聴いたドルフィーの演奏に衝撃を受け、一気にモダンジャズをかたっぱしから聴くようになったきっかけの演奏です。落差が大きく、起伏の激しいメロディーは、バスクラリネットが驚くほど似合っている気がします。
あとは、やはりリチャード・デイヴィスのMuse盤です。もちろん、モンクやパウエルなどもありますが、今週はエリック・ドルフィーとリチャード・デイヴィスの2枚で。
モンクは自分のバンドのテーマ曲として、この曲を使っていたようですね。
そのモンク自身の演奏ではTBSスタジオ録音音源を挙げたいです。
ドルフィーはモンク無しというところでしょうか。
バルネも挑戦していますが、後半モンク曲が続く「ティルト」ではなく、
「セーヌ川のジャズ」のラストに収まっていました。
ミルト・ジャクソンがピアノを弾いていますね。果たして指は・・・?
ドルフィーを最初に聴いたのは惑星でした。次に5スポット、ランチ。そしてLast Date。たまたま順に聴いたわけですがこのバスクラは強烈でしたね。モンクが低音楽器で吹くことを想定して作ったのではないかと思うほどはまっております。バスクラはジャズに向かない楽器ですが、ドルフィーが吹くと違和感はありません。ジャズ喫茶の人気盤でした。
そしてリチャード・デイヴィス、長尺ですが緊張が切れない良い演奏です。リチャード・デイヴィスは生で聴いておりますが、体も大きいし、音もでかかったです。
この曲はテーマにするほどモンク自身気に入っていたのでしょう。
TBSスタジオ録音といえば1963年ですね。マンネリと言われたカルテットですが、異国の緊張があって良い内容です。
バルネ・ウィランのセーヌ川がありましたか。ミルト・ジャクソンも短いながらソロを取っておりますね。ジャズプレイヤーはピアノの素養がありますのでそれなりに弾けるのでしょう。ヴァイヴを組み立てるのが面倒なのでスタジオにあったピアノに座ったのかな?
モンク作品集のような「ティルト」ですが、当時はモンク・ナンバーを演奏することがパリジャンにとって格好良かったのでしょう。
Epistrophy Best 3
Eric Dolphy / Last Date (Fontana)
Richard Davis / Epistrophy & Now's The Time (Muse)
Thelonious Monk / Monk's Music (Riverside)
多くの投票はいただけませんでしたが、ドルフィーが一番人気でした。リチャード・デイヴィスも広く聴かれているようです。他にもアート・テイラー、モンクの東京録音、バルネ・ウィランも挙がりました。それぞれ個性あふれる演奏ばかりです。今宵はお気に入りのエピストロフィーをお楽しみください。