300万枚を所有している世界一のレコードコレクター、ポール・マウヒニィ氏には遥か及ばないだろうが、世にレコードの収集を趣味にしている方は多い。三度の飯を抜き、中古レコード店のバーゲンセールにいち早く並び、集めたレコードは、整理に追われ、置き場所に悩みながらも増えるコレクションを見るだけで満足できるものだ。本来音楽を聴くためのソフトにしか過ぎないが、聴く楽しみ以上に集める喜びもあるのがレコードの魅力でもある。
先月29日に亡くなったクリス・コナーは、女性では珍しいレコード・コレクターだった。アン・リチャーズ、ジューン・クリスティ、アニタ・オデイ、そしてクリス、ケントン・ガールズが亡くなっていくのは時の残酷さを覚えるが、在りし日の歌声を聴けるレコードのありがたみを訃報に接する度に感じる。ベツレヘムに3部作を残してアトランティックに移籍したクリスは、ここで13枚のアルバムを作り、後期は黒人ブシを取り入れ、パラマウントに移ってからはボサノヴァやポップチューンもレパートリーにする等、従来の唱法に囚われないスタイルを身に着けた。たとえそれが売るための会社の方針であっても果敢にチャレンジしたこと変りはない。
脂が乗り切ったアトランティック時代はLPだけではなく、シングル盤も18曲ほど録音している。「ミスティ」と題されたアルバムは、日本独自の企画で、そのシングル盤から選りすぐった14曲を収録しているが、エロール・ガーナー作のタイトル曲はLPに収録されなかったのが不思議なくらい素晴らしい。ジョニー・バークが付けたお馴染みの歌詞「Look at me」のクールな歌いだしからドラマティックな展開になり、愛する人と手を携えなければ独りでは歩けない弱い女心を巧みに表現している。当時、シングル盤はジュークボックス向けに作られたものがだ、街のあちこちでハスキーで深い霧に包まれた「Too misty」が流れていたのだろう。
クリスの膨大なレコード・コレクションで、いつも棚の中心に置かれていたのはおそらく自身のレコードで、一枚一枚分身のように光り輝き、また、多くのコレクターのクリスのレコードもいつまでも色褪せることもなく、いつまでも聴き継がれるに違いない。享年81歳。合掌。
先月29日に亡くなったクリス・コナーは、女性では珍しいレコード・コレクターだった。アン・リチャーズ、ジューン・クリスティ、アニタ・オデイ、そしてクリス、ケントン・ガールズが亡くなっていくのは時の残酷さを覚えるが、在りし日の歌声を聴けるレコードのありがたみを訃報に接する度に感じる。ベツレヘムに3部作を残してアトランティックに移籍したクリスは、ここで13枚のアルバムを作り、後期は黒人ブシを取り入れ、パラマウントに移ってからはボサノヴァやポップチューンもレパートリーにする等、従来の唱法に囚われないスタイルを身に着けた。たとえそれが売るための会社の方針であっても果敢にチャレンジしたこと変りはない。
脂が乗り切ったアトランティック時代はLPだけではなく、シングル盤も18曲ほど録音している。「ミスティ」と題されたアルバムは、日本独自の企画で、そのシングル盤から選りすぐった14曲を収録しているが、エロール・ガーナー作のタイトル曲はLPに収録されなかったのが不思議なくらい素晴らしい。ジョニー・バークが付けたお馴染みの歌詞「Look at me」のクールな歌いだしからドラマティックな展開になり、愛する人と手を携えなければ独りでは歩けない弱い女心を巧みに表現している。当時、シングル盤はジュークボックス向けに作られたものがだ、街のあちこちでハスキーで深い霧に包まれた「Too misty」が流れていたのだろう。
クリスの膨大なレコード・コレクションで、いつも棚の中心に置かれていたのはおそらく自身のレコードで、一枚一枚分身のように光り輝き、また、多くのコレクターのクリスのレコードもいつまでも色褪せることもなく、いつまでも聴き継がれるに違いない。享年81歳。合掌。
クリス・コナーのハスキーでホーンライクな声は魅力があり、ケントン・ガールズのなかでも大衆的な人気を獲得したシンガーでした。心よりご冥福をお祈りします。
クリス・コナーのベスト3は、以前話題にしましたので、今週は「ミスティ」のお気に入りをヴォーカルでお寄せください。
管理人 Misty Vocal Best 3
Chris Connor / Misty (Atlantic)
Sarah Vaughan / Sassy Swings The Tivoli (Mercury)
Julie London / Around Midnight (Liberty)
クリス・コナーのベストは、拙稿「クリス・コナーはレズビアンだと言ったのは誰だ」をご覧ください。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
1)「Around Midnight/ Julie London」
やはり、これがピカ一ですね!
しっとりと、しかし過度にはセンチに陥らない
さりげない歌いっぷり、本当に心憎い。
2)「Chris In Person/ Chris Connor」
エントリーに挙がったアナログ盤「ミスティ」も
所有しておりますが、この曲に関しては「イン・パースン」
のほうが、歌伴がよりジャジーなこともあって、
我が好みですね。
3)「The Intimate Miss Christy/ June Christy」
ギター一本の歌伴で、ハスキーに切々と歌うミスティ、
素敵ですね。まさに、インティメイトなヴォーカル。
次候補に、
「Swing, You Lovers/ Keely Smith」
「The Late, Late Show/ Dakota Staton」あたりを。
キーリーの艶やかな声質は、まさにこの曲にピッタリ
のように思います。
最近の作品では、
「Standard Truth/ Mickki Brown」のものが、
なかなか良かったです。
1959 johnny mathis
http://www.youtube.com/watch?v=lq9Ox_Tautw
Julie London 動きません
http://www.youtube.com/watch?v=oPnh2sa4Fek
Sarah Vaughan
http://www.youtube.com/watch?v=df8qHnjN25s
Ella Fitzgerald
http://www.youtube.com/watch?v=mQouJdvB80U
Minnie & George
http://www.youtube.com/watch?v=gd8KwUAho1U
The Vernon Sisters
http://www.youtube.com/watch?v=AkjaPTkMSCc
Bennie Tyree - For Once In My Life - T. Honda + Mama T.
http://www.youtube.com/watch?v=GGuoLWKOJLs
Play Misty For Me
http://www.youtube.com/watch?v=u5KiL0HULwA
やはりジュリーがトップにきましたね。今回は私も相当迷いました。あれもこれもできりがなく、クリスのイン・パースンも気になりましたが、大衆受けしたクリスの歌唱こそこのバージョンだと思いトップに挙げた次第です。ジャケではジュリーが間違いなくトップです。(笑)
ミスティ・クリスティも好きなアルバムです。ギターの歌伴が曲想にマッチしておりますね。
キーリー・スミスがありましたか。 睨んでいるのか、怒っているのか、微笑んでいるのか、よくわからん写真です。歌唱は悪くありません。
ダコタのこの曲は生で聴いておりますが、力強かったです。この来日公演では自分のピアノトリオを連れてきましたが、名も知れぬピアニストがけっこう良かったです。シアリング同様、盲目でした。
ミッキ・ブラウンは聴いておりますが持っていません。シモーネに似た声だと思います。
ジョニー・マティスは感情移入型なのでしょうか。曲に入っておりますね。この人のユ-ビーソーは男性版ヘレン・メリルでした。
ジュリーの2枚目の片足を露にした写真はゾクッとします。このスタイルは動きゃなきゃダメですよね。(笑)
サラもエラも上手いもんです。
Minnie & George は初めて観ましたが、お仲が良いようで。
本田さんのミスティはソロで聴いたことがありますが、アップテンポで演奏するのが好きだったようです。
恐怖のメロディは何度か観ましたよ。怖い映画ほど美しいメロディが映えますね。
ミスティはガーナーの傑作ですね。
私のお気に入りの曲です。
お気に入りの3枚ですが、順位が付けにくいので全部ベスト1です。(笑)
「エラ・イン・ベルリン」エラ・フィッツジェラルド
「サッシー・スイングス・ザ・チボリ」サラ・ヴォーン
「アラウンド・ミッドナイト」ジュリー・ロンドン
TAKASHIさんの動画検索、「余り見つかりませんでした」って、こんなにあるじゃないの。
ジュリー・ロンドンのMistyはいいですね。優しくて雰囲気があります。
低音がなんとも言えません。
クリス・コナーとくると、ジューン・クリスティを連想してしまいますが、そんなのは私だけでしょうか。
それから、外せないのがエラです。しっとりと聴かせてくれます。
Julie London / Around Midnight
Ella Fitzgerald / In Berlin
The Intimate Miss Christy / June Christy
ミスティ1曲でガーナーの名は永遠に残りますね。日本公演でも電話帳を椅子に敷き愛しむように弾いておりました。
エラ・イン・ベルリンに、チボリ、ジュリー、甲乙付け難い素晴らしいものばかりです。この場合、順位に拘らないほうがいいでしょう。私も明日ベストを選ぶなら全く違う順位になっているでしょう。(笑)
サラはときにテクニックが鼻につきますが、チボリは肩を抜き寛いだ内容で好きなアルバムです。
TAKASHI さんは動画検索の達人ですので、これだけでは納得できないのでしょうが、ミスティ・ファンには嬉しいものばかりです。
The Vernon Sisters のハモるところはいいですよ。カメラ目線で楽譜見ながらミスがないミスティにうっとりです。
今週は先週と打って変わってベストの照準が絞られきました。挙げられたベストがベストかもしれません。
>クリス・コナーとくると、ジューン・クリスティを連想してしまいますが、そんなのは私だけでしょうか。
私もですよ。レコード棚の同じところにありますから。(笑)
クリスもミスティも好きなので、どれを挙げようか迷います。クリスは、来日時にVictorへも録音していますね。だいたいベスト3は決まったようですが、特に異存はありません(笑)。
①Julie London / Around Midnight (Liberty)
②June Christy / The Intimate Miss Christy (Capitol)
③Jane Harvey / Leave It to Jane! (Dot)
並んでクリスのIn Person、サラも楽しいし、エラも伴奏も含め素晴らしい。Jane Harveyは好みで入れてみました。B・グレコら男性も含め他にもありましたが、このへんで。
クリス・コナーは大好きな女性歌手の一人です。御冥福をお祈りします。