彼は50年代初頭に広くポピュラーな存在になっていたが、それはレコード会社の手で「ニュー・バード」という売り出し方をされていたからである。アルト・サックスを手に取った若手なら誰でもそうだった。それはあまりにも過ぎたやり方で、彼にとってもまだ早すぎるものだった。彼は確かに完璧なプレイヤーだったが、当時の彼はイノベーターでもなければ、際立ったオリジナリティを持つソロイストでもなかった。
ロバート・ゴードンの著書「ジャズ・ウェスト・コースト」の一節である。彼とは4月2日に亡くなったバド・シャンクで、チャーリー・バネット楽団でデビューしてから今日まで大きな注目を浴びることはなかったが、常に第一線で活躍した人だ。ローリンド・アルメイダと組みアメリカでボサノバが流行する以前からブラジル音楽を取り入れたり、インド音楽とジャズの融合をはかったこともあり音楽に向かう姿勢は意欲的だった。アルトは勿論のこと、フルート、クラリネット、テナーにバリトンまで完璧に吹けるプレイヤーで、その器用さがゴードンの指摘するオリジナリティの稀薄さなのかもしれない。
多くのセッションに参加し、自己のアルバムも数多いシャンクだが、56年の「ザ・バド・シャンク・カルテット」はクロード・ウィリアムソンの好バッキングもあり、余すことなく西海岸の陽光を浴びた爽やかなアルトと美しいフルートを楽しめる。アート・ペッパー、ハーブ・ゲラーと並んでウェスト・コースト白人アルト奏者御三家と言われていたころの作品で、「ニュー・バード」という閃きはないが、「ニュー・アルト」と呼べる新鮮なフレーズはカラッとした明るさがあり、収録曲「ウォーキン」の足取りも軽い。「ネイチャー・ボーイ」は澄んだ音色のフルートで奏でられ、同じパシフィック盤「Bud Shank Quartet」のジャケット写真のような屈託のない笑顔は自然にふるまう少年の如しである。
レコード店で見かけると思わず手に取り、飾りたくなるイラストのジャケット、レコードを取り出すだけで広がってくるウェスト・コーストの柔らかい風、針を降ろすと同時に聴こえてくるしなやかな音、夢が広がるアルバムを残してくれたことに感謝したい。享年82歳。合掌。
ロバート・ゴードンの著書「ジャズ・ウェスト・コースト」の一節である。彼とは4月2日に亡くなったバド・シャンクで、チャーリー・バネット楽団でデビューしてから今日まで大きな注目を浴びることはなかったが、常に第一線で活躍した人だ。ローリンド・アルメイダと組みアメリカでボサノバが流行する以前からブラジル音楽を取り入れたり、インド音楽とジャズの融合をはかったこともあり音楽に向かう姿勢は意欲的だった。アルトは勿論のこと、フルート、クラリネット、テナーにバリトンまで完璧に吹けるプレイヤーで、その器用さがゴードンの指摘するオリジナリティの稀薄さなのかもしれない。
多くのセッションに参加し、自己のアルバムも数多いシャンクだが、56年の「ザ・バド・シャンク・カルテット」はクロード・ウィリアムソンの好バッキングもあり、余すことなく西海岸の陽光を浴びた爽やかなアルトと美しいフルートを楽しめる。アート・ペッパー、ハーブ・ゲラーと並んでウェスト・コースト白人アルト奏者御三家と言われていたころの作品で、「ニュー・バード」という閃きはないが、「ニュー・アルト」と呼べる新鮮なフレーズはカラッとした明るさがあり、収録曲「ウォーキン」の足取りも軽い。「ネイチャー・ボーイ」は澄んだ音色のフルートで奏でられ、同じパシフィック盤「Bud Shank Quartet」のジャケット写真のような屈託のない笑顔は自然にふるまう少年の如しである。
レコード店で見かけると思わず手に取り、飾りたくなるイラストのジャケット、レコードを取り出すだけで広がってくるウェスト・コーストの柔らかい風、針を降ろすと同時に聴こえてくるしなやかな音、夢が広がるアルバムを残してくれたことに感謝したい。享年82歳。合掌。
ウェスト・コーストの名盤や趣味のいいヴォーカルのバックに欠かせなかったバド・シャンクです。アート・ペッパーの陰に隠れて目立たないシャンクでしたが、話題にしたアルバムはジャズ喫茶ではときにペッパーを上回る人気盤でした。今週はバド・シャンクのお好みのアルバムをお寄せください。サイド作品でもいいプレイが聴けますので、リーダー作、サイド作、問いません。
管理人 Bud Shank Best 3
The Bud Shank Quartet (Pacific Jazz 1215) イラスト・カヴァー
Bud Shank Quartet (Pacific Jazz 1230)
I'll Take Romance (World Pacific) w.Strings
歌伴ではジュリー・ロンドンの「All Through The Night」が光りますね。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
ウッズの次ぐらいに好きなアルト奏者です。
以前の選択は、これでした。
↓
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さて、さっぱり盛り上がらなかったバド・シャンク、総括を・・・
「バド・シャンク、私のベスト3」
管理人からです。
①「Bud Shank Quartet」
PJ1215 の、イラスト・ジャケでWalkin' をやっているほうです。
これは、僕的にはシャンクのアルバムの中では、群を抜いています。
②「Bud Shank Quintet」(PJ1205)
昼の部と、夜の部の盤です。
夜のほうが、好みかな?
③「私は死にたくない/ Jerry Mulligan」
オープニング・ナンバーのソロの先発はシャンクです。
多分、200回くらいは聴いている。
何度聴いても、短くも素晴らしいソロ!・・・
歌伴では、ジュリー・ロンドンのコール・ポーター集が
忘れられませんね。
BGM・・・
「Peggy King (conducted by Percy Faith)」
「Girl meets Boy」と「Wish Upon A Star」の2on1です。
可憐なヴォーカルですが、あまりスウィンギーじゃない。
系統的には、コギ・グラント系でしょうか?
>TAKASHI さん。
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シャンクのベスト3書きながら、なんで
ペギー・キング聴いてたのか、不明ですが(笑)。
あと、「The Jiggs Up/ Jiggs Whigham」(Capri)
でのシャンクも、いいね!
オープニングのマイ・ロマンスのヅライブ感は
堪らんです!
これじゃ、シャンクがカツラかぶってるみたいですね。
「ドライブ感」に訂正。
>25-25さん
>「Girl meets Boy」と「Wish Upon A Star」
これは、ポピュラー・アルバムですからね。
>系統的には、コギ・グラント系でしょうか?
ゴギ・グラントはもっと伸びのある声していますよね。
ペギー・リーにアニタ・オディを足して、キュートにした感じ?
先ごろIMPERIALの「Lazy Afternoon」がCDで復刻しましたね、
このアルバムのほうがJAZZっぽいです。
ジャケットが良いので、それで満足(^_^)
Peggy King - Rain / Lazy Afternoon
http://www.youtube.com/watch?v=piprDdwl10I
貼り忘れました
Peggy King - Rain / Lazy Afternoon
http://www.youtube.com/watch?v=piprDdwl10I
でてきたついでに、BUD SHANKの歌伴(女性ヴォーカル)
「All Through The Night / Julie London」
「Waiter, Make Mine Blues / Anita O'day」
「Chet Baker Sings and Plays」
やはりトップはイラスト・ジャケでしたか。この「Walkin'」はマイルスしか知らない耳には新鮮でした。
そして、「昼と夜のシャンク」、夜の部はビル・パーキンスとのセッションですが、昼のショーティ・ロジャースとのセットと比べるとリラックスしておりますね。やはり師匠の前では緊張するようです。
マリガンの「私は死にたくない」は私も好きでして、210回くらいは聴いております。(笑)映画も何度か観ましたが、冒頭のジャズクラブのシーンは素晴らしいですね。若かりし日のシャンクの姿も見えます。
ペギー・キング聴きながらシャンクですか。私はこの記事を書きながらアーチー・シェップを聴いておりました。深い意味はありません。シャンクの棚にシェップがあっただけです。(笑)
25-25 さんのサイトではシャンクは盛り上がらなかったようですので、おそらくこちらも同じでしょう。話題を変えてペギー・キングにしましょうか。(笑)
明るいお色気で魅力的な声ですね。「Lazy Afternoon」のジャケ写ですが、キャサリン・ヘップバーンに似ていると思いませんか。
お得意の歌伴3枚を挙げていただきありがとうございます。ワンツーは異論ありません。3枚目に Cathy Hayes の「It's All Right With Me」はどうでしょう。オーライ?(笑)
バド・シャンクは、録音多いですよね。歌伴も良い。
歌伴では、この二つがダントツで好きです。
「Waiter, Make Mine Blues / Anita O'day」
「All Through The Night / Julie London」
パーカーっぽくもあり、リー・コニッツぼくもあるような気がしますが・・・。
Bud Shank Quartet (イラストジャケ)
Bud Shank Quintet PJ1205 「昼と夜のバド・シャンク」
ここまでは、直ぐに決まったのですが、次が決まらない。