ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

数独

2020-07-10 07:54:00 | 日記・エッセイ・コラム


初めて数独の問題をつくった。
最近はもう、解けない数独がないのでは、と思い、
問題をつくるほうに挑戦しはじめた。

数独を始めたのは、母の影響だ。

認知症予防のためか、母は好んで数独を解いていた。
兄が時々数独の本を買ってきていた。

私と同居を始めてまもなく、母は数独に興味を示さなくなった。
認知症が進んで、全く解けなくなったのだ。
私が同居する前も、すでにデタラメに数字を入れるだけの状態だったのだが。

それからは、兄の買った本を私が手に取るようになった。
母との同居と新しい仕事。
しんどかった。
だんだん活字を読んでも意味が頭に入らず、物忘れが多くなり、考えがまとまらなくなった。

私自身が壊れてきているのか。
恐怖だった。
「大丈夫」と確認したくて、母の本で数独をするようになった。
空き時間にできる手軽な気分転換だった。

昇進して勤務を継続するか、昇進しないまま退職するかを決めなくてはならなかつた。
昇進するには、学会誌に投稿しなければならない。
種はあるが、とても書けない。
疲労が溜まりに溜まっていたので、退職を決めた。

でも継続雇用を勧められ、授業に専念する形で仕事を続けられた。
学生たちには、迷惑をかけただろうと思う。
母から離れた時間、若い彼らと一緒にいられるのは、私にとっては幸せだった。

母が亡くなったあとのポッカリと空いた大きな穴も彼らが少しずつ埋めてくれた。
また書けるようになった。

恵まれていたと思う。

こんなことで、今も時々数独をしている。
自分でつくった問題が難しすぎて解けないのだか。
仮置きすれば解けるが、それは嫌だなあ。
もうひとつ数字をオープンにするかな?
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