夜、ある路線を走っていた。最初に乗っていた十名ほどの乗客は、途中のバス停でみんな降りてしまい、残っていたのは… 途中のバス停から乗った若い女性一人だけだった。そして、大抵の人が降りる“終点の一つ手前の某駅停”が近付いてきた…
降車ボタンは押されておらず、彼女にも動きはなかったけれど、とりあえず某駅停で止まって扉を開けたところ… 彼女はスッと立ち上がって無言で降りて行った… んにゃろぉ~! それでも人間かぁ~! えっ!? 彼女に足はあったのかって? そんなぁ… 怖いこと言わんといてちょ~!
約1時間後、同じ路線を走っていた。出発して3つ目のバス停に接近… 降車ボタンが押されていなかったので、私は通過するつもりで「△△停…」と喋り始めたのだが、ちょうどバス停に向かって歩いている男性がいたので、私はバスを減速させて男性の様子をうかがっていた。
その時、「ガサッ!」と荷物を持って「カツカツカツ…」とヒールの音を響かせながら、中扉(降車口)の内側まで歩いてきた若い女性がいた。すぐに私は「あ、降りられますか?」と尋ねたのだが… シ~ン…(完全無視…) 私がバスを止めて扉を開けると、彼女は無言でサッサと降りて行った…
フン! なによ! ちょっと若いからって… ちょっと脚が細いからって… ちょっと顔が小さいからって… ちょっと本物の女だからって… 調子こいてんじゃないわよ! あらやだ… こんな言い方してたらマツイ・デラックスなんて言われちゃうじゃない!(あんたの場合… デラックスよりもデトックスの方がいいんじゃないのか? ハハハ…)