女の子とオッサンと女性

昨日、あるバス停で乗った女の子がICカードを「ピィーーー！」と…　そう、エラー音が鳴り響いたのである。画面に“残額７１円”と表示されていたので、私は「このカードには７０円しか残っていないみたいだけど…　今、お金を持っていますか？」と尋ねた。

すると、女の子は首を横に振ったのだが…　その表情が「とんでもないことをやってしまった！」という感じだったので、「こりゃマズイ！」と思った私は、この“ごっついオッサン顔”をできる限り“優しいお兄さん顔”に変えてみた。（無理、無理！）

そして、他の運転士さんたちと同じように、「あぁ、いいですよ。今日はこのまま乗って行って…　明日、今日の分と合わせて２００円を払ってくださいね」と言ったところ、女の子が私を指差したので、「明日は私じゃないかもしれないけれど、乗ったバスの運転士さんに“昨日の分も一緒に”と言ってください」と答えた。

約１０分後、終点に到着…　中扉から降りようとした女の子に、１人の女性が声を掛けたようだった。「ひょっとして…」と思っていたら、女の子が私のところへ来て３０円を差し出したので、ICカードから７０円を引いた後、３０円を運賃箱へ投入…　私が「帰りは大丈夫なの？」と尋ねると、女の子は元気よく「大丈夫です」と答えた。

運賃精算を終えると、女の子はバスを降りた女性のところへ行き、「ありがとうございました」と頭を下げていた。その女性がどんな人なのか、よく見えなかったけれど…　雰囲気からすると４０～５０代の…　「きっと身も心も美しい女性に違いない！」と思った私は、車外スピーカーを通して「これからお茶でもどうですか？」と…　否、「ありがとうございました」とお礼を言ったのだった…（そこで「お茶でも～」って言える勇気があったら、とっくに結婚しとるわなぁ～　ハハハ…）