不思議なハウリング

終点の待機場所にバスを止めて、中扉の横の優先席に座ってちょっと休憩…　すると、すぐに「キィ～ン」という音が聞こえ始め、徐々に大きくなっていったので、私は「（運転席の右前、運行支援システムの画面の上に置いた）マイク付き帽子の位置を変えよう」と立ち上がった。

すると、「キィ～ン」という音が徐々に小さくなったので、「なんだ？　じゃあ、帽子を動かさなくてもいいか」と思って優先席に座ったところ、再び「キィ～ン」という音が徐々に大きくなった。「えっ？　じゃあ、やっぱり帽子を動かさなきゃ」と思って立ち上がったところ、再び音が小さくなったのである。

そこで私は「逆に、このキィ～ンという音は、どこまで大きくなるのだろう？」と思って、またまた優先席に座り…　徐々に大きくなっていく音を聞きながら、水筒のコーヒーをラッパ飲み…　すると、なぜか音が小さくなっていったので、「はぁ？」と思った私がラッパ飲みをやめたところ、音が大きくなっていったのである。

水筒を顔の前に上げると音が小さくなり…　水筒を下げると音が大きくなり…　「へぇ～　マイクから離れた場所なのに…　この程度の動きでも影響するんだぁ～」と思った時、隣りに止まっていたバスが出て行ったのだが…　それと同時に「キィ～ン」という音がピタリと止んでしまった。

その後…　私が優先席に座ろうが、水筒を動かそうが、ピンクレディーを踊ろうが…（躍るなよ！）　音は鳴らなくなってしまった。不思議だなぁ～！（そりゃハウリングじゃなくて、オマエに付いている魔物の仕業じゃないのか？　なぁ、自分が魔物のくせに、ついつい魔が差してしまうという“魔、つい魔差し”くん！　ハハハ…）