バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

どちらが早いですか?

2011年08月26日 23時38分27秒 | バス運転士

先日、A駅を発車しようとしたところ、一人の女性から「このバスはB駅へ行きますか?」と聞かれたので、私は「はい、行きますよ。某園の方を回って…」と答えた。

すると彼女が「この後に来る某隊の方を回って行くバスとどちらが早いですか?」と言った… つまり、その地域の北の方(某園)を回るバスと南の方(某隊)を回るバスの、どちらに乗ればB駅に早く行けるのかと言うのである。

同時発車ならば「某隊経由の方が早い」と言えるのだが、発車時刻に数分の差があるならば… 私は「ほとんど同じだと思いますよ」と答えた。そして彼女は「そうですか、ありがとうございます」と言いながらバスに乗った。

それからB駅へ向かっている間、私は「ほとんど同じだと言ったものの、やはり先に到着したいなぁ…」と思っていた。そしてやってきたB駅前の交差点… 私のバスはガッツリと赤信号に止められてしまい、その時点で定刻よりも約1分の遅れ… と、そこへ交差点の右方から某隊経由のバスがビュ~ンと駅前ロータリーへ入って行った…

そして、私は静かに目を閉じて涙を流し… というのはウソで、車内ミラーをチラッと見て「彼女は今のバスに気付いただろうか?」と思っていた。しかしまぁ「ほとんど同じ」であることに間違いはなかったんだから、そんなに気にすることもないのだが… でも、やっぱりちょっと悔しかった。


運転士監視員のコメントから 2

2011年08月25日 18時03分23秒 | バス運転士

実は、昨日ここに書いた話の“採点シート”と一緒に、もう一枚(そちらも女性らしき筆跡)の採点シートをもらっていた。そして、そこには「マニュアル通りにやられれば、いい乗務員さんになれると思います」と書かれていたのである。私はそれを読んだ瞬間、思わず笑顔になってしまった…

なぜならば、それは“マニュアル通りにできない”私にとって最高の褒め言葉だったからである。もっと言えば… 監視員はマニュアル(採点項目)を見ながら乗っているので、「松井はマニュアル通りにやっていないダメな運転士だ!」というような悪い評価をするしかない(その通りなので、それで結構である)。

しかし“本物の乗客”はマニュアルを知らないので、私が会社のマニュアル通りにやっているかどうかは分からないのである。だから、私はそのコメントを読んで「少なくとも乗客に悪い印象を与えていることはなさそうだ」と思い、「それで充分だ」と…

が、もしも監視員と“強烈なマナー違反者”が同乗した場合には、印象が違ってくるかもしれない。鈍感な私が監視員の存在に気付くはずもなく… 思いっ切り「○▲□×っ! ★◇▼◎※ぁ~!!」と注意して… その時は何て書かれるのかなぁ? いや、そういう場合は採点シートに記入せず、別紙で報告することになってたりして!? そんな“裏採点シート”があるかもね。ハハハ…

追伸 母と一緒に某大手ショッピングセンター内の“某オムライス屋さん”へ昼食を食べに行ったところ、女性店員さんが営業スマイルでもなく無愛想でもなく… 不思議な表情をしているように感じた。私は「あぁ、我々親子が今流行り(なのか?)の“年齢差の大きな夫婦”だと思って、興味深そうに見ているのかな?」と思ったのだが… 今、この話を書いていて「ひょっとして彼女は運転士監視員もやっていて、その採点シートの記入者なのか!? それで私の顔を不思議そうな表情で見ていたのか???」などと思ったりして… これって、あるコト? ないコト?


運転士監視員のコメントから

2011年08月24日 22時05分31秒 | バス運転士

モニターという名の“運転士監視員(あるいは運転士査定委員と言うべきか!?)”がチェックした採点シートを受け取った。点数の悪い運転士は、上司から「もっとがんばりましょう」と言われるため、必ず受け取りに行かなければならないのだ。

さて、点数の話はあっちの方に置いといて… シートの最後には“監視員のコメント”があるのだが、なんとそこには「アイドリングストップの間、音楽を流していて気持ちが和みました」と書かれていたのである。

そう、いつ頃だったか… ここにも書いたと思うけれど… 「アイドリングストップ中の音楽が耳障りだという苦情があったので、音楽のスイッチを切るように!」と、みんなが点呼で言われたという話… 確かに、それ以後は乗るバス乗るバスすべての音楽スイッチが切られている。

しかし、私は「切るように!」という話を“風の便り”で知っただけで、直に言われていないので“これまで通りスイッチオン”である。これまたここにも書いたと思うけれど、いつだったか助手席の子供が「いい音楽だね」と言ってくれたこともあるしねぇ…

さてさて、悪の手… いや、失礼! 会社の手先である監視員が、ウチの上司の指示に反する感想を書いてしまって… その監視員は“裏切り者”として処罰されていないだろうか? ひょっとして運転士側のスパイなのか!?(なんのこっちゃ…) ならば今すぐ助けに行かなければ!(おいおい、妄想が暴走かい…) え? 何をバカなことを言ってるんだって? いやぁ~、筆跡が女性っぽかったもので…(映画のようにはいかないの!) ニャハハ…


聞こえなきゃ良かった!?

2011年08月23日 15時59分27秒 | バス運転士

いつものようにバスを走らせていたら、急にお年寄り同士の会話が聞こえてきた。何を言っているのかハッキリと分からなかったが、一人のお爺さんが“乗るバスを間違えたらしい”という雰囲気だけは漂ってきた。

その後も、私の耳には途切れ途切れの会話が入ってきて… 「巡回バス」という単語が聞こえたのである。私は「ゲゲッ… それは他の営業所がやっているバスだ。私に聞かれても分からないから、乗客同士で問題を解決してくれないかなぁ…」と思っていた。

しかし、そのお爺さんが通路を前へ歩いてきてしまい… 「このバスはどこ行き?」と言った。私が「☆☆行きです」と答えると、お爺さんは「バスを間違えちゃったもんで、☆☆で降ろしてくれるかなぁ?」と言った。私は巡回バスについて無知なので、「はい、わかりました」と返事をすることしかできなかった。が、お爺さんが席へ戻る時に「○○駅へ行かにゃ…」と独り言のように言ったのが聞こえてしまったのである。

私は「○○駅かぁ… ここから行くにはどうすれば…」と考えながら次のバス停で止まった。そして「ここで待っていれば、○○駅へ行くバスが来ますよ」とお爺さんに声を掛けた。お爺さんは「あぁ… ええよ、☆☆で乗り換えるで…」と言ったけれど、私は「☆☆だと、乗り換えるのに少し歩かなきゃいけないから…」と言いながら、たまたま運転席から見えたバス停の時刻表を確認して「あと… 5分くらいで来ると思いますよ。△△行きのバスが…」と付け加えて降りてもらった。

が、実は… その時点でバスは5分以上遅れていたのである。だから、「そんなことやってないで、サッサと行ってくれぇ~!」と思っていた乗客がいたかも… 否、いた。車内後方に座っていた男性が“貧乏ゆすりをしながら私の方を見ていた”のがミラーに映っていたのである。幸い、その男性からの“御言葉”はなかったようだが… その時は、たまたま“聞こえちゃった”からなぁ… そして“そういう気分になっちゃった”KARA…


落ち着きがある=手を抜いている!?

2011年08月22日 22時19分46秒 | バス運転士

「遅い!」という“御言葉”をいただいた先日の話について… 私は考えた。そして、あそこまで言われる理由の一つとして、「バスが遅れているのに、私が“のんびり”運転していたから!」かもしれないと思った。

私はちょっとしたことで慌ててしまう傾向があるので、事故を起こさないためにも“落ち着いて”運転するように心掛けている。だから、先を急いでいる人の目には“ちんたら”走っているように映ったかもしれない。

もしも私が“俳優の卵”か何かで、少なからず演技に自信があれば、“いかにも急いでます!(慌ててます!)”という動きや言動を駆使して御言葉を回避できたのかもしれないなぁ~!

いくら例え話とはいえ、俳優の“卵”ってのはどうなのかって? 卵=若い人じゃないかって? はいはい、卵は卵でも… どうせ“化石”ですよ! 何とかザウルスの… 納得していただけましたか? ハハハ…