『マッスルモンク』
RUNNING ON KARMA 大隻佬(2003年香港)
監督 ジョニー・トー
ワイ・カーファイ
脚本 ワイ・カーファイ
ヤウ・ナイホイ
出演 アンディ・ラウ
セシリア・チャン
チョン・シウファイ
カレン・トン
■ストーリー■
超ムキムキのマッチョ筋肉質ボディビルダー系の男性ストリッパーのビッグ・ガイは、犯人を追跡していた女性刑事リーと遭遇して、わいせつ罪で逮捕されそうになるが逃走する。殺人犯を追っていた警察隊とリーは銃を発砲するが誤って警察犬を撃ってしまうのだった。その様子を見ていたビッグガイは、警察犬とリーに「前世の業(カルマ)」を見るのだった。
5年前に何者かに恋人を殺されたビッグ・ガイは「前世の業」が見えることに苦悩して山を降りストリッパーになっていたのだ。中国人を虐殺する旧日本兵が前世だったリーが、このままでは、前世の業のために死んでしまうを知ったビッグガイはリーを救おうとするのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
ジョニー・トー監督の宗教アクション映画。
数多くのコメディ映画や、アクション映画を監督しているジョニー・トゥ監督の作品なんで、てっきり今作もコメディ系のアクション映画だと思って観たんですけど甘かったです!
今作のアンディ・ラウの筋肉質の姿を見て、
「どう考えても香港映画お得意のコメディタッチの軽い作品に違いない!」
って思った自分がバカでした。
“バカ、バカ、バカ・・・”
コメディどころか、超マジメな作品でした!!
それもインパクトが強すぎの超マジメ作品です!!
その上、ストーリーも暗い!暗い!暗い!
観たあとどっと疲れるくらいマジメで暗い作品でした!!
その上、ストーリーが暗いだけでなく、悲しい、悲しい、悲しい、悲しい!暗くて悲しいマジメな作品でした。あの筋肉質なアンディ・ラウの姿は、映画の“つかみ”としては十分効果がありますけど、映画の内容と違いすぎです!
この作品を仏教的な意味合いでとらえると、「暗い」とか「悲しい」とか言っちゃいけないんでしょうけど、観た後、しばらく落ち込んで色んなコトを考えさせられました!観終わってからのあまりの展開にショック状態から抜け出れるまで、少し時間がかかりました!
ところでアンディ・ラウのあの筋肉質の体って、やっぱり話題作りだったんですか??
確かに自分もだまされました!話題作りやつかみとしては十分成功ですけど、ストーリー上での意味は??
だって、物語に直接は関係ないですもんね、あの超筋肉質な身体。
最後に普通の肉体に戻ったアンディ・ラウが登場するんで悟りを開いたことで筋肉が落ちたってことは、あの筋肉は俗世間の象徴なんでしょうか??
『インファナル・アフェア無間序曲』(2003年)、『インファナル・アフェアIII終局無間』(2003年)を押さえて“第23回金像奨作品賞受賞”っていうんでかなり期待して観たのもショック度をアップさせちゃいました。
この作品が、「インファナル・アフェア」シリーズの第2作、第3作を押さえて、「金像奨作品賞受賞」っていうこと考えると、香港の人々の生活に、仏教が根付いてるってコトですよね!
日ごろ、日本にいて宗教と何にも関係ない生活をしてると、こういう作品に触れると、しみじみ考えさせられます!
日本でこんな作品を作ったら、何の映画って思われちゃいますよね。
だって、「インファナル・アフェア」の2作目、3作目を押さえての金像奨作品賞受賞っていうのは、すごいことですよね!!まぁ、「インファナル・アフェア」の方は、シリーズ物っていうのがあったのかもしれないですけどね。
それにしても、今作の血とバイオレンス描写のの多さは何でしょう!!!
アクション映画好きの@KOBAが見ても、どうしても引くような描写が、ありまくりです!
“さすが香港映画!大好き香港映画!”
美人女優セシリア・チャンの首がつるされてるのって何ッ!!!!!!!
アレには引きまくりました!あのシーン自体が夢オチなのかな??って思うくらいのショッキング度!
結局、人間は“前世の業(カルマ)”からは逃れられないのね!主人公の努力がムダっていうのがなんとも言えない本作の魅力になってます!!アンディ・ラウ演じるビッグガイ自身にとって、その行動はムダじゃ無いんですけどね。大好きです、香港映画!! 65点
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