
老若男女を問わず人気のあるグッチ。
イタリアのおしゃれなブランドの元祖とも言われています。
世界で初めて、品質保証のためにデザイナーの名前を商品に入れたそうです。
グッチの歴史はよくブランド雑誌にも載っていて、
ワイドショーをにぎわすような血を血で洗う抗争が繰り返されました。
告訴合戦ありぃ~の、殺人事件ありぃ~ので、1993年グッチ一族の手を離れ、
今やフランス小売り大手のPPRの傘下に入っています。
グッチのブランド戦略は、非常に興味深いものがあるのでご紹介します。
原価は何も意味を持たない
むしろ商品の値段が高ければ高いほどそれを所有する事の価値も高くなる
これは創始者グッチオ・グッチが発見したポリシーです。
イタリアで貧困に育ったので、一旗上げようとイギリスへ渡りました。
ロンドンの最高級ホテルの「サボイ・ホテル」の皿洗いからスタートし、
一階のウェイターに出世しました。
王侯貴族御用達ホテルであったので、
立ち居振る舞いを間近で見聞きし、持ち物や物の考え方などを学びました。
1901年イタリア・フィレンツェへ戻り、
第1次世界大戦後、高級レザーグッズの店で皮革の扱い方を習得しました。
1922年フィレンツェのパリネオ通りに自分の店を開き、
翌年家族の名前から「GUCCI」という店名になりました。
グッチが主に扱ったのはイギリスから輸入した鞄とその修理。
この鞄の修理によって、
壊れやすい箇所やそこをどう作れば良いかなどの旅行鞄の作り方を
研究することができ、使いやすく丈夫な鞄を作る術を学ぶ事ができたらしい。
第2次世界大戦が始まると、イタリアでも皮革は統制品となり
革が使えなくなってしまったので、
代用品としてキャンバス地にコーティングを施して使う事になりました。
その配色が思わぬ人気を博し、人気店へとなっていきました。
6人いた子供のうち、3男アルドは、
ビジネスのサラブレッドと呼ばれるほど商才にたけていたそうです。
ニューヨークなどにも海外出店し、ハリウッド女優も取り込み、
世界のセレブの間で空前のグッチブーム。
ジョンFケネディ夫人ジャクリーンが愛用したバッグは、
ジャッキーバッグとして面々と受け継がれています。
1965年に発表されたビットモカシン。
グッチの代表的金具がついたローファーです。
これはNY近代美術館永久コレクションの所蔵されるほどの逸品です。
有名なバンブーバッグ。
戦争中革が不足し、苦肉の策として竹を組み合わせたデザインとなりました。
制約は独創を産みますね。