秋麗(あきうらら)

うーちゃんの節約日記です。
不思議だなと思う心、いつまでも忘れずにいたいな

閉業のお知らせ

質店は2021年8月に閉店いたしました。 昭和21年9月創業で75年間にわたりご愛顧賜りありがとうございました。

黄落からのよみがえり

2009-07-24 | エソラ&ゆうり
10年は経つでしょうか、「黄落」という日本映画がありました。
痴呆症を発症した老母が、やがて食事を自ら断つことによって死を迎えるというストーリーでした。
介護者の視点から感傷を排し愛憎を込めて描き出され、誰もが直面する「老い」や「介護」について、やがてはやってくる「死」について考えさせられました。

今年春3月、グループホームで誕生日を迎えたあたりから急に弱りだした母。
だんだん食事をとらなくなりました。
「もう食べたくないねん」
「もうがんばれへん」
ぼそっとそうつぶやくのです。

あらぬ方向を凝視する母に何か見えるのと聞くと
「そこに父と母が立ってる」なんて言うので、お迎えにきてるのかと思われたほどでした。

かなり認知症が進んで、自分も周りのものも認識できないほどになっていたのに、絶食で終焉を迎えようとしているのかと「黄落」の映画を思い出す日々が続いていました。

4月始め、8ヶ月の身重の娘と一緒に見舞った時も、ひ孫の顔は見れないに違いないと思われたぐらいでした。

ところが母の体内でどういう変化があったのか、ホームのスタッフの手厚い看護も功を奏し、だんだん持ちなおしてきました。

昨日、エソラの1ヶ月健診が終わった後、初めてのドライブということでグループホームの母に顔を見せに行きました。

  
これから生をスタートしようとする赤ちゃんのエネルギーは求心力があるのか、周りにどんどん人が集まってきます。
皆さんとてもうれしそうに眺められます。
ペット療法というのもあるそうで、赤ちゃんも同様、もしくはそれ以上の力があるのかもしれません。

エソラの存在がエネルギーを与えたのか、最初は怪訝そうであった母もだんだん表情が緩んできます。

  
赤ちゃんに触れて、「かわいらしいなぁ~」って。

初めてのドライブやグループホームで大勢の人と出会ったからか、さすがにエソラはエネルギー大放出で疲れたようでした。
帰路の車中よりとても長い時間眠りました。