近江商人の商売は信用を第一とし、物の不足に便乗した値上げなどは厳しく戒め、人々から愛され必要とされる商いを心がけました。
また橋の架け替えや神社仏閣への寄進も怠ることなく、地域貢献を忘れることはありませんでした。
近江八幡の日牟禮八幡宮鳥居の前に、白雲館という観光案内所があります。
明治10年設立された八幡東学校は、建築費用当時のお金6000円のほとんどが近江商人の寄付によってまかなわれたそうです。
現在は観光案内所が併設された市民ギャラリーとして利用されています。
ヴォーリスが設立した近江兄弟社のビル横にある自動販売機。
「この自販機の収益は全額チャリティー基金とさせていただいています」
近江商人のモットーは「しまつしてきばる」と「陰徳善事」
「しまつ」節約し、「きばる」ガンばる。
「陰徳善事」は人知れず善いことをするということ。
売り惜しみなどで荒稼ぎをする事や、投機相場の操作で利を稼ぐ事などを、邪道として戒めているそうです。
「売り手良し、買い手良し、世間良し」の「三方良し」が近江商人の理念です。
他国で商売する際に、その地域社会とのかかわりを常に中心にすえて商いをし、勤勉により得た利益以外は受取らない、という心がけを家人や奉公人にしっかり守らせたといわれています。
近江商人の中でも、豪商の典型といわれるのが八幡商人です。
安南(現在のベトナム)との貿易で巨万の富を 築いた豪商・西村太郎右衛門
寛永13年(1636)の鎖国令で帰れなくなり望郷の想いを込めて描かせたものが
日牟礼八幡宮の社宝に奉納され、安南渡海船額として残っているそうです。
これは見落としてしまった。