秋麗(あきうらら)

うーちゃんの節約日記です。
不思議だなと思う心、いつまでも忘れずにいたいな

閉業のお知らせ

質店は2021年8月に閉店いたしました。 昭和21年9月創業で75年間にわたりご愛顧賜りありがとうございました。

マエストロ・リウタイオ★楽器つくりの名人

2011-10-05 | 旅・イタリア
このたびのイタリアの結婚式の新郎アンドレア君のお父さんは日本人です。
1970年にイタリアのクレモナに着いた石井高さんは、
ヴァイオリン製作学校を卒業し、1975年マエストロ・リウタイオ(楽器製作マイスター)石井に。
ジュゼッピーナさんと出会い結婚し、幾多のの困難を乗り越え、今日があります。

詳しくはマエストロ石井さんのサイトでどうぞ→こちら



クレモナの現在の工房で、ヴァイオリンど素人ファミリー向け講義をして下さった。


素材となる木が音を決めるから選別は大事です。
表はもみの木で、裏と横はかえで。

接着するためのニカワは、振動をうまく伝えるためには天然の動物性油脂でないとダメだそうです。
表面に何十回と塗るニスもこだわりの茜色。

形、板の厚さ、カーブ、すべてにこだわり、手作業で仕上げていくから数ヶ月はかかります。
機械を使って作れば1日1万台はできるという。
現在流通するヴァイオリンの90%は中国製だとか。

ほかにもいろいろ、聞いたしりから忘却のかなたですが
マエストロ・リウタイオ、楽器つくりの名人ならではのお話が伺えました。



石井さんが作られたヴァイオリンで、リトアニア人のドナタが試奏した。
リトアニア人って何でもできるのにもびっくりだった。


「秀吉が聴いたヴァイオリン」(三信文庫)という著作をいただけてサインしてもらった。

まだ全部読み終えてないのですが
天正遣欧少年使節が日本にに持ち帰った楽器で、秀吉に当時の音楽を聞かせたことが本のタイトルになっています。
アマーティの作ったヴァイオリンのニスの茜色に惹かれた話から、
その持ち帰った楽器を調べたり復元に努力されたこと、ストラディバリとその周辺の話などなど。




マエストロ石井さんは、ストラディバリがアホみたいに高い値段で売買されているのをとても冷静にご覧になられています。

ちなみに現存する真作で最も評価の高い18世紀初頭の作品は、オークションで約4億円で落札された。
ふつう新品のヴァイオリンは、高価な品でも200万円くらいらしい。

2011年6月21日、東日本大震災の被災者支援のために日本音楽財団が英国のオークションにかけた、
1721年製のストラディバリウス「レディ・ブラント」は1589万4千ドル(約12億7420万円)で落札されました。

18世紀初頭の作品が最も評価が高いようです。
というのは、ストラディバリの生存は1644~1737年で、いくらなんでも80歳越したら体力的にもヴァイオリンを作るのは難しいから。

現在本物と確認されているのは約600挺といわれるにもかかわらず2000挺ほどでまわっているらしい。

ストラディバリの製作した弦楽器には、18世紀の慣例に基づきラテン語でAntonius Stradivarius Cremonenfisというラベルが貼られています。
ここから、彼の製作した弦楽器はストラディバリウスあるいは省略してストラドと呼ばれます。

偽物ラベル
ラベルが貼られていても、レプリカや贋作が多いそうです。

実際、石井さんの工房に鑑定や修理などで持ち込まれたもので贋作に出会った経験も何度かおありのようです。
これは贋物ですって宣告するかどうかは、実に悩ましい。
持ち主の考え方生き方を見て答えるそうです。

莫大な金額で流通するものは、真偽鑑定も、通知も難しいものですね。