秋麗(あきうらら)

うーちゃんの節約日記です。
不思議だなと思う心、いつまでも忘れずにいたいな

閉業のお知らせ

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法務省からの逆襲、か?

2011-10-26 | 保護観察
山本譲司さんの講演は澱むことなく、数字もばんばん出てきてとても説得力ありました。

今の日本で18~60歳で障害手帳を持つ方は250~300万人程度らしい。
しかしこうした障害はほとんどが身体障害です。
知的障害は現在の福祉制度で救われてることは少ないと話されてました。
にもかかわらず、知的障害者人口0.3%程度でなく、実際はその20倍ぐらい存在する、ちなみにアメリカでは発達障害は人口の20%と聞いたような。
(ここで記した数字は不確かです)
日本のように年金制度なくとも、もっと手厚い福祉制度があるらしい。


刑務所のアセスメントで、入所者が振り分けられると前稿で書きました。
読み書きができないとか、人のいうことが理解できないなどあまりに知的に劣っている場合、あるいは精神的に落ち着いてない懲役者は仕事ができません。

そうした人達は、寮内工場で勤務?するのですって。
いままでいろんな刑務所を見学に行きましたが、知らんかった。。。

どこの刑務所にもあるけれど外のものの目に付かないようにしているそうだ。

寮内工場とは名ばかりです。
仕事をできる状態の人はいなくて、ただただ存在し、食べて飲んで出すだけ。
あまりに騒いだりうるさいものはお薬で静かにしてもらう。
そして部屋のBGMはずっと童謡が流れている。
山本氏はこの寮内工場で排泄をお世話する係りをしていたそうです。

刑務所に実際入ってびっくりしたことは、
識字率の低さと、社会で生きづらい人間関係が苦手な弱者があまりに多かったことだそうです。
いじめられたり、無視されたり、暴力を受けたり、…
目をすぐにそらせ目線を下に落とす気弱な人が多かったらしい。
刑務所の中でこそ安心して暮らせる人たちがいた。

刑務所の高い塀は、塀の外のものに危害を及ぼさないためではなく、
塀の中に居るものにとって、とても安心できる塀であったに違いないと、つくづく思ったそうです。


「なんでもかんでも福祉を刑務所に押し付けている」とぼやく刑務官の言葉は、刑務所は福祉の吹き溜まりみたいな意味でしょう。

破綻寸前の年金制度、そして失業率の増加と生活保護の問題。
いろんな福祉のしわ寄せが刑務所に来ているということです。


ここ数年、裁判員制度から始まり検察審議会など、今まで自分とは関係ないと思われてた法務関係の諸々が身近なものとなりました。
そして何よりびっくりしたのは、大阪地検特捜部の証拠改ざん隠ぺい事件。
相手は厚生労働省の元局長村木さんで、障害者郵便制度悪用事件に始まります。

今回、こんなリアルな話をされる講演者を選んだ更生保護大会。
法務省から厚生労働省への逆襲の始まりかもしれませんね。

終の棲家となる国営ホテル・刑務所

2011-10-26 | 保護観察
昨日聞いた講演タイトル『福祉的視点から見た更生保護』
これだけをみるとあまり聞きたくなさそうでしょう。

講師は作家・元衆議院議員の山本譲司氏でした。
1985年早稲田卒業後、前首相・菅直人代議士時代の公設秘書。
その後26歳で東京都議会議員2期、1996年衆議院へ
2000年9月秘書給与流用の詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕され
2001年6月一審で実刑判決懲役1年6月を受ける。
栃木県の黒羽刑務所で服役し、刑期満了4ヶ月ほど前に出所し、保護観察を受けた。

略歴をみるとちょっと話聞いてもいいかあぁ~と変化した。

そしていよいよ話が始まってみると、驚愕の事実を次々と知ることとなりました。
小説としての妄想や想像の話ではなく、これは真実なのでしょう。
大阪保護更生大会でこの講師をセレクトされたということは、以下の内容を外に出してもいいという判断があったということですよね。
いや広めて欲しいということなのかもしれない。

数字などちゃんと正確に記録して聞かなかったので、おおよその話をお伝えします。

山本氏は、衆議院議員になり、公設秘書として支給されるお金を私設秘書に流用したという罪で実刑を受けた。
その後多くの議員がこの容疑で摘発されてましたが、他の議員が懲役になったかどうか記憶がない。

刑務所に入ると、懲役でどのような仕事ができるかを調べられます。
最初に府中刑務所で適正や能力検査があったそうです。
ここで振り分けられて、初犯受刑者が多い黒羽へと移送されたのです。

その府中刑務所でのオリエンテーションみたいなアセスメントは50名ほどの刑務所新入り同期がいたそうです。

日本は鎖国していた江戸時代より寺小屋などで文盲は少なく識字率が高いと聞いていた。
ところがびっくり、なんとその50人中7~8人は字の読み書きができない。
さらに数人はじっと着席して検査を受けれる状態ではなかったという。

つまり世間一般に比べて、識字率がぐ~んと落ちるということは、
知的障害、行動障害、精神疾患、認知症の割合が高いということです。

世間一般のニュースでは、事件を起こした犯人が精神や知覚に障害があれば罪に問われないと報じています。
しかしこれらの検査される事件は、ほんの一部の凶悪事件だけです。
裁判員裁判になるような大きな事件の時で、微細なというか窃盗や万引きなどでは行なわれない。
確かに言われてみればそのとおりで、すべての事件で検査してたら時間も経費も膨大なものとなる。

例えば無銭飲食や万引きなどで捕まった犯人は、家族などの身元引受人に代金を支払うなどで引き取られていくことがほとんどです。

最近は高齢者の万引きが増えていると聞くが、高齢者人口が増えているのは事実だから犯罪者も増える。
問題はここから先の話で、お金に困った人が食べるために犯罪を犯して捕まって、引受人がいないと刑務所へ送らざるを得ない。
これが増えているというのが問題です。
終の棲家となる国営ホテル刑務所で最後をむかえ、棺おけで出所する人が増えているのです。

刑期満了となるまでに仮出所する人が減ると同時に、
満期出所より「ガン○○」が増えたと聞いたのにそのキーワード忘れてしまった。

…前半終わり、後半に続く