山本譲司さんの講演は澱むことなく、数字もばんばん出てきてとても説得力ありました。
今の日本で18~60歳で障害手帳を持つ方は250~300万人程度らしい。
しかしこうした障害はほとんどが身体障害です。
知的障害は現在の福祉制度で救われてることは少ないと話されてました。
にもかかわらず、知的障害者人口0.3%程度でなく、実際はその20倍ぐらい存在する、ちなみにアメリカでは発達障害は人口の20%と聞いたような。
(ここで記した数字は不確かです)
日本のように年金制度なくとも、もっと手厚い福祉制度があるらしい。
刑務所のアセスメントで、入所者が振り分けられると前稿で書きました。
読み書きができないとか、人のいうことが理解できないなどあまりに知的に劣っている場合、あるいは精神的に落ち着いてない懲役者は仕事ができません。
そうした人達は、寮内工場で勤務?するのですって。
いままでいろんな刑務所を見学に行きましたが、知らんかった。。。
どこの刑務所にもあるけれど外のものの目に付かないようにしているそうだ。
寮内工場とは名ばかりです。
仕事をできる状態の人はいなくて、ただただ存在し、食べて飲んで出すだけ。
あまりに騒いだりうるさいものはお薬で静かにしてもらう。
そして部屋のBGMはずっと童謡が流れている。
山本氏はこの寮内工場で排泄をお世話する係りをしていたそうです。
刑務所に実際入ってびっくりしたことは、
識字率の低さと、社会で生きづらい人間関係が苦手な弱者があまりに多かったことだそうです。
いじめられたり、無視されたり、暴力を受けたり、…
目をすぐにそらせ目線を下に落とす気弱な人が多かったらしい。
刑務所の中でこそ安心して暮らせる人たちがいた。
刑務所の高い塀は、塀の外のものに危害を及ぼさないためではなく、
塀の中に居るものにとって、とても安心できる塀であったに違いないと、つくづく思ったそうです。
「なんでもかんでも福祉を刑務所に押し付けている」とぼやく刑務官の言葉は、刑務所は福祉の吹き溜まりみたいな意味でしょう。
破綻寸前の年金制度、そして失業率の増加と生活保護の問題。
いろんな福祉のしわ寄せが刑務所に来ているということです。
ここ数年、裁判員制度から始まり検察審議会など、今まで自分とは関係ないと思われてた法務関係の諸々が身近なものとなりました。
そして何よりびっくりしたのは、大阪地検特捜部の証拠改ざん隠ぺい事件。
相手は厚生労働省の元局長村木さんで、障害者郵便制度悪用事件に始まります。
今回、こんなリアルな話をされる講演者を選んだ更生保護大会。
法務省から厚生労働省への逆襲の始まりかもしれませんね。