A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

キッチン・オーケストラ+広瀬淳二、高岡大祐etc.@六本木 Super Deluxe 2012.5.15 (tue)

2012年05月17日 00時26分57秒 | 素晴らしき変態音楽


ノルウェー出身の即興音楽集団キッチン・オーケストラが5日間に亘ってスーパー・デラックスで公演を行う。日本では無名だが2010年ノルウェー西海岸の都市スタヴァンゲルで地元ミュージシャン22人で結成され、アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ、エヴァン・パーカー、キース・ティペットなどヨーロッパ即興界の重鎮と共演を重ねてきた新進気鋭のアーティスト集団。リーダー不在の回転体という形態のユニークなオーケストラである。今回はそのうち10人のメンバーが来日し、日替わりで日本のミュージシャンと共演を繰り広げる。招聘にはノルウェー大使館を始めヨーロッパの文化団体が協力している。理想的な文化交流スタイルである。

初日は毎月第2火曜日フリーチャージにて開催されているイベント「Test Tone」に出演。日本から鈴木學 (electronics)、広瀬淳二 (sax)、高岡大祐 (tuba)、Kelly Churko (guitar)、鈴木郁 (drums)が参加、入れ替わりでトリオ&カルテットで共演を繰り広げた。無料のイベントなので多数の観客が集まり入門編として最適だった。

第1部は鈴木學氏+トランペット+トロンボーンのトリオからスタート。鈴木氏の手製の電子楽器によるエレクトロ音響に自在に絡むホーン陣。とても気持ちいい。そこにベースが参加し、パルスビートを奏でる。二人のホーンは退場し、アルトサックス、広瀬氏、鈴木郁氏が登場、火花飛び散る丁々発止の演奏が繰り広げられる。広瀬氏のテナーはいつも通りアブストラクトなタンギング奏法から太く豪快なブローまで個性的なプレイ。初共演とは思えない息の合った素晴らしいインプロヴィゼーション。ここまで50分で第1部終了。



第2部はKelly Churko氏+女性トランペット+ベースのトリオでスタート。アヴァンギャルドなChurko氏のプレイに堂々と挑む女性トランペッターが見事。ドラムが加わりロック的なダイナミズムのある演奏に。Churko氏が退場すると高岡氏が登場。殆どチューバは吹かず、マウスピースを使ってのヴォイス・パフォーマンスが中心。ユーモラスな演奏に客席から笑いが起こる。ツイン・ドラムに女性トランペッターも参加し第1部とは違ったリラックスした演奏で50分。



日本人側の演奏が面白過ぎてキッチン・オーケストラとしての全体像は見えなかったがいずれのメンバーも柔軟性のある感性を備えたテクニシャン揃いであることを実感した。ミシャ・メンゲルベルク率いるICPオーケストラの初来日から30年。現在進行形のヨーロッパのフリー・ミュージック・シーンを象徴する珠玉の職人集団である。まだ3日間あるので観に行かれてはいかがだろうか。

5/17(木曜日)Morgan's Organ meets Kitchen Orchestra
Morgan Fisher + Nils Henrik Asheim DUO/Morgan Fisher + Kitchen Orchestra
チケット:予約 0円 / 当日 1000円 開場 19:00 / 開演 19:30

5/18(金曜日)ニューシャンバラデイ∞Kitchen Orchestra
出演:プリミ恥部、平岡 香純、白井多有、千住宗臣、朝日太一、植野隆司、長谷川真子、G10Z、大河原明子、KenOkami、メガネ、Mingo、東野祥子、BING a.k.a. TOSHIO KAJIWARA、MARUOSA、DJ 成浩一、and Kitchen Orchestra
チケット:予約 1800円 / 当日 2000円 開場 19:30 / 開演 20:00

5/19(土曜日)振動「PULSE」
出演:KITCHEN ORCHESTRA+永戸鉄也+鈴木ヒラク
スペシャルゲスト:パードン木村+菊地成孔 with HAIR STYLISTICS
チケット:前売り2800円 / 当日3300円 (ドリンク別) 
開場 19:00 / 開演 20:00

会場:
スーパー・デラックス
東京都港区西麻布3-1-25 B1F
Tel 03-5412-0515

北欧の
響きが光る
楽団員

自由っていいね!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする