おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

9条改正より怖い「緊急事態条項」って何!?

2016年05月08日 | Weblog

 

午前6時の気温はプラス7度。

強い風と雨で目が覚めました。

少しおさまって来たようですが、それでも時おり強い風と雨になる。

午前8時を過ぎて、晴れてまいりましたけど、風は依然として強いです。

桜もこのお天気で散ってしまうのか?

パッと咲いて、パッと散る桜、きれいだとは思いますが、これをニッポン人の「死生感」にまで影響を与えた時代もあって、嫌な気分にもさせられる。

「♪咲いた花なら~ 散るのは覚悟~ 見事散りましょ 国のため~」。

こんな歌に鼓舞されるように10代、20代の若者が死んでしまった時代が繰り返されないよう望むばかりでござる。

そんなことで、

いま一番危惧されておるのが「緊急事態条項」というものだそうな。

9条改正より、よっぽどヤバいとされるのが実はこれ!!

自民党憲法改正推進本部事務局長の礒崎陽輔首相補佐官が今年3月に講演しこう述べておる。

憲法改正について「『一番テーマになっているのは緊急事態条項だ。そういうことをまずやっていきたい』と述べ、大規模災害時などに首相にさまざまな権限を与える『緊急事態条項』を、最初の改憲項目として発議する考えを示した」と毎日新聞が伝えておる。

これだけ聞くとなにがなんだか分かりませんが、ようするに自民党は「9条改正を後回しにして、まず緊急事態条項から憲法を改正したい」としておるらしい。

この緊急事態条項があれば、災害や震災時に「法律の範囲内で首相に権限を与え、対処できる」のだそうな。

緊急時なのだから、「首相に権限与えて何が悪い」と思えるけど、どうやらここに大きな落とし穴があるという。

自民党憲法改正草案98条、99条(緊急事態条項)が通ると、一時的に憲法を停止できるようになる。

つまりは「憲法9条が事実上骨抜き」になるというから、相当ヤバイのです。

かつてドイツには民主的で進歩的と言われた「ワイマール憲法」がありました。

この憲法をヒトラーが空洞化させてしまうのですが、その法的根拠となったのが「非常事態権限」(ワイマール憲法48条)だった。

ヒトラーはこの非常事態条項を使って結社、出版を禁止する。

首相になった1933年1月からその年の10月までに、約10万人もの人々がこれにより拘束されたという。

ニッポンでは、麻生大臣がナチス政権の「手口を学んだら どうか」と述べたのも記憶に新しい。

また、フランスでも1961年のアルジェリア危機の際に、憲法16条の「緊急権」が発動され50人近くが警察に殺されたという。

「アメリカ憲法は、大統領に議会招集権限を与えているだけだし、ドイツ憲法も、議会の権限・手続きの原則を修正するだけ。

政府に独立の立法権限を与えるものではない。

また、フランスや韓国の憲法規定は、確かに一時的な立法権限を大統領に与えているものの、その発動要件はかなり厳格で、そう使えるものではない」と首都大学東京准教授(憲法学)の木村草太さんは述べておる。

これが現在、世界の実情なのでござる。

日本国憲法に緊急事態条項がないのは、政府への権限集中について「極力これを防止しなければならぬ」との考えからだという。

自民党が画策する今回の緊急事態条項は、災害に役立つなどとして理解を得やすい「お試し改憲論」などと称しておる。

単なる目くらましにすぎませぬ。

実際には、緊急事態条項さえ盛り込めば、なんでもかんでも「緊急事態」だとして、国会を無視して政令でかなりのことができてしまうという。

安倍総理が、辺野古基地問題で対立する翁長沖縄県知事を罷免するなんてことも、緊急事態条項なら可能となるわけで、地方自治権を無視するとんでもない話になりかねないからヤバイのです。

だからこそ、憲法学者は「緊急事態条項は危険」だと指摘しておる。

9条改正には多くの国民が反対しておるわけで、かなりホッとしておったおぢですが、現実的に一番危険なのは、憲法にこの緊急事態条項を盛り込むこと。

なんどでも書きますが、「憲法とは、国民が国家権力を縛るためにある」ものですから、縛られる側からの提案はたいていヤバイ。

「お試し改憲」「災害に役立つ」などという甘言に迷わされ、「緊急事態条項」など成立させてはヤバイのだと、覚えておいてくださいね!!