グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

渚のお宅訪問

2010年09月03日 | 哺乳類、爬虫類、他
 海水温は、9月も高い状態が続くので、まだしばらくウミガメが産卵に上陸する可能性があります。
子ガメの孵化・脱出を調べることもあって、毎朝、近くの浜辺へ通っています。

 今朝は、イソヒヨドリが賑やかに鳴いていました。
カメの巣の保護柵に寒冷紗を掛けて、地温を調節していますが、
イソヒヨドリはネットの下の日陰で涼んでいるのか・・・? 
足跡がたくさん残っていました。虫でも捕っていたのでしょうか?


 砂に開いた穴は、虫の巣でもないし、子ガメの脱出した跡でもないんです。


 
 朝の砂浜で目立つ穴は、スナガニの巣穴です。
夜の内に、巣穴を修復して、深い所の湿った砂を運び出すので、
こんな↓ふうに、砂の色が違って見えます。
特に、このところ晴天続きで地表面はカラカラに乾いてますからね。




 穴の直径は、箸を刺して開けたくらいから、
私の太い指が入るくらいのものまで、さまざまです。

 でも、よく見ると波打ち際に近い方が小さく、浜を登るほど大きいような・・・?

 大島には、スナガニ科の2種・・・スナガニとミナミスナガニ・・・が
いると文献にありましたが、まだ、確認していません。

 ミナミスナガニは、甲羅の幅が約2.5センチ、
スナガニは甲幅が約3センチと一回り大きいそうです。

 すると、波打ち際の近くに巣を作っているのがミナミ?
高潮線より上に深い穴を掘るというスナガニが浜の高い位置に巣を?
 
 これは今後の研究課題として、スナガニ類ということで話を進めましょう・・・(汗)



 どうです、↓こんなラブラブの巣?もありました!



 2世帯住宅かもしれません?

 巣穴は、かなり大きいです。500円玉くらいの直径。
深さは、どの位あると思いますか?

 1メートル以上あるはずです。巣穴の主人・・・いや主ガニを捕るには、
昼間に巣穴を掘るのが確実です。

 子どもの頃、やりませんでしたか?
巣穴の口から、乾いた砂を少しずつ中へ入れて穴を埋めてしまいます。

 それから、掘って行きます。すると・・・
深い湿った砂の中に乾いた白い砂の線がハッキリ見えます。

そして、その先にはスナガニが。



 こちら↑、V字状に2種の甲殻類が歩いた跡、お分かりでしょうか?

 スナガニは、カニ類でもっとも目が良く、
走る速さは、時速8キロ程だそうです。

 身軽で、すばしっこいスナガニ類が右側、
重たい貝殻を背負ったオカヤドカリが左側です。

 子ガメの這った跡は、今度ご覧頂きましょう。また少し違います。



 満潮線より下の潮の引いた湿った場所↑で、
朝日を浴びて一生懸命に巣穴を掘っているスナガニがいました。

 小さいカニです。若いのか? それともミナミスナガニ?



 「カニの横ばい」と言いますが、スナガニはジグザグに走ることもできます。

ただ、波打ち際に追い詰められると、固まって走れなくなってしまいます。

 それで、こんな具合に・・・。




 甲の形が、丸みを帯びているようなので、ミナミスナガニなのかもしれません。

 スナガニのはさみ脚は、左右で大きさが違い、大きいハサミにはギザギザがたくさんあって、
それをすり合わせて音を立てるらしいのです。

 ミナミスナガニには、それがありません。・・・が、小さな個体だったので分かりませんでした。すぐ、放してやりましたよ。


 黒くて大きな目が、なんとも可愛らしいカニです。


 (なるせ)




コメント
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