秋雨前線の雨だそうです。ずっと暑かったので、ゆっくりタップリ降って欲しいです。南海上の台風の影響が気がかりですが・・・。
最初の画像は先週の続きで、お彼岸なのでヒガンバナです。雨の予報が出ていたので、晴れていた22日に撮りました。まだ、数輪咲いているだけでしたが、何とかお彼岸に間に合いましたね。虫にもやられていませんでした。雨に濡れたヒガンバナもいいかもしれません。
さて、今日のお題は「ソテツの花」なのでした。
19日の夜、○HK教育テレビの「日曜美術館」の再放送をご覧になった方いらっしゃいますか? 私は何か用事を片付けながら見ていたところ、ソテツの花が話題になりました。
奄美大島で亜熱帯の神秘的な日本画を描いた田中一村さんを特集していました。
その代表作の「クワズイモとソテツ」の絵をゲストが語っていた時、「雌雄で異なる株のソテツの花は、咲く時季が6ヶ月くらい違う・・・」というような内容に聞こえたのです。・・・ウトウトしていたのかな?(笑)
えっ! そうだったの? ソテツの花って???

暖地の大島でもソテツは自生していませんが、移植されて路地で元気に育っています。
公園や道路の歩道、一般の住宅の庭にも植えられています。比較的よく目にする植物ですね。
こちらは、元町の海照山 光明院 潮音寺。浄土宗のお寺さんの本堂です。南無阿弥陀仏。
お堂の正面両側にソテツが植えられていて、軒ほどの高さです。21日の夕方でした。
伺うと、この↑ソテツには実がなるとのことでしたが、高すぎてよく見えませんでした。

お堂の左のソテツ↑は1本の幹がスーと伸びていますが、50年程前は、子どもが腰掛けられる高さだったそうです。右が雌株だとすると、左は雄株なのでしょう。
一昨年、新島と神津島へ行く機会があった時、新島の十三社神社でも、神津島の物忌奈命(ものいみなのみこと)神社でも、社殿前に一対のソテツが植えられていましたし、伊豆半島の下田周辺の社寺でも同様にソテツが対にして植えられていました。
四国や九州のお寺や神社でも同様のソテツを多く見かけたように思います。
ソテツには何か特別な意味(ご利益:ごりやく)などがあるのでしょうか?
自生地は九州本土の南部から、沖縄、中国南部とのことです。もう30年以上前のことですが、鹿児島県の大隈半島南端の佐多岬へ行くには有料道路しかなく、貧乏旅行者には酷なところでした。そこは崖に天然記念物のソテツがたくさん自生する亜熱帯植物園のようなところでした。
当時、ソテツの花を見たのかさえ覚えていません(汗)

都道の歩道にある街路樹のソテツを見ていくと↑、
松ぼっくりのお化けのようなものが葉陰にぶら下がっています。
やはり雄花の使用後は、こう↑なるのだ(意味不明?)
ちなみに、使用前(あるいは使用中)は、こちら↓です!
ツクシの頭のような若くて元気な雄花。7月17日の撮影です。
鱗片状の雄しべが多数あり、裏一面に花粉を収納する葯室がついているそうです。
花粉が風によって運ばれる風媒花。シダ植物のように精虫を作っての生殖です。

ソテツは、蘇鉄と書きます。ソテツは鉄分を好み、衰弱した時に鉄分を与えると回復(蘇生)するという言い伝えから、蘇鉄の名前があるとか。本当かな?!
ソテツの仲間は、太古の昔、シダ植物から進化したと考えられています。
古生代の二畳紀に、まずソテツ科の植物が現れ、中生代ジュラ紀に最も繁茂していたことが化石によって分かっているそうです。ジュラ紀と言えば、恐竜の時代。うろこ状のソテツの樹皮は恐竜の皮膚をイメージさせますね。
こちら↓のタマネギ状が、雌花の現状(9月21日)です。

こちら↑羽状に裂けた多数の心皮が重なりあって、
綿毛が何とも優しげです。
心皮の元に胚珠という、種子になる部分があります。
種子を大切に育てている期間のようです。
7月中旬の雌花は、まだ小さいですが、咲いていたのは分かります。↓幹の上部。

この↑写真の下の方に、光沢のある朱赤色の丸いものが見えます。↑これが前年の実です。
朱赤色の果皮を取り除くと、こう↓なります。

以前どこかで頂いてきたソテツの種子です。3~3.5センチくらいの大きさ。
イチョウの実のギンナンに似ているのは、同じソテツ綱のグループだからでしょうか? 偶然?
この種子は、漢方薬(下痢止め剤など)、毒抜きして食用に。幹も芯材、髄(ずい)を乾燥させて、でんぷんを採ることができるので、飢饉用の救荒作物として植えられたとか。
こんな、利用価値の高さからも、神仏の前に雌雄1対で植えられるのでしょうか。
太古から引き継がれてきた生命に対する尊崇の念。
男女和合、祖先崇拝、子孫繁栄などなど、このソテツには、
さまざまな祈りや願いが託されているように思えます。
(なるせ)
最初の画像は先週の続きで、お彼岸なのでヒガンバナです。雨の予報が出ていたので、晴れていた22日に撮りました。まだ、数輪咲いているだけでしたが、何とかお彼岸に間に合いましたね。虫にもやられていませんでした。雨に濡れたヒガンバナもいいかもしれません。
さて、今日のお題は「ソテツの花」なのでした。
19日の夜、○HK教育テレビの「日曜美術館」の再放送をご覧になった方いらっしゃいますか? 私は何か用事を片付けながら見ていたところ、ソテツの花が話題になりました。
奄美大島で亜熱帯の神秘的な日本画を描いた田中一村さんを特集していました。
その代表作の「クワズイモとソテツ」の絵をゲストが語っていた時、「雌雄で異なる株のソテツの花は、咲く時季が6ヶ月くらい違う・・・」というような内容に聞こえたのです。・・・ウトウトしていたのかな?(笑)
えっ! そうだったの? ソテツの花って???

暖地の大島でもソテツは自生していませんが、移植されて路地で元気に育っています。
公園や道路の歩道、一般の住宅の庭にも植えられています。比較的よく目にする植物ですね。
こちらは、元町の海照山 光明院 潮音寺。浄土宗のお寺さんの本堂です。南無阿弥陀仏。
お堂の正面両側にソテツが植えられていて、軒ほどの高さです。21日の夕方でした。
伺うと、この↑ソテツには実がなるとのことでしたが、高すぎてよく見えませんでした。

お堂の左のソテツ↑は1本の幹がスーと伸びていますが、50年程前は、子どもが腰掛けられる高さだったそうです。右が雌株だとすると、左は雄株なのでしょう。
一昨年、新島と神津島へ行く機会があった時、新島の十三社神社でも、神津島の物忌奈命(ものいみなのみこと)神社でも、社殿前に一対のソテツが植えられていましたし、伊豆半島の下田周辺の社寺でも同様にソテツが対にして植えられていました。
四国や九州のお寺や神社でも同様のソテツを多く見かけたように思います。
ソテツには何か特別な意味(ご利益:ごりやく)などがあるのでしょうか?
自生地は九州本土の南部から、沖縄、中国南部とのことです。もう30年以上前のことですが、鹿児島県の大隈半島南端の佐多岬へ行くには有料道路しかなく、貧乏旅行者には酷なところでした。そこは崖に天然記念物のソテツがたくさん自生する亜熱帯植物園のようなところでした。
当時、ソテツの花を見たのかさえ覚えていません(汗)

都道の歩道にある街路樹のソテツを見ていくと↑、
松ぼっくりのお化けのようなものが葉陰にぶら下がっています。
やはり雄花の使用後は、こう↑なるのだ(意味不明?)
ちなみに、使用前(あるいは使用中)は、こちら↓です!
ツクシの頭のような若くて元気な雄花。7月17日の撮影です。
鱗片状の雄しべが多数あり、裏一面に花粉を収納する葯室がついているそうです。
花粉が風によって運ばれる風媒花。シダ植物のように精虫を作っての生殖です。

ソテツは、蘇鉄と書きます。ソテツは鉄分を好み、衰弱した時に鉄分を与えると回復(蘇生)するという言い伝えから、蘇鉄の名前があるとか。本当かな?!
ソテツの仲間は、太古の昔、シダ植物から進化したと考えられています。
古生代の二畳紀に、まずソテツ科の植物が現れ、中生代ジュラ紀に最も繁茂していたことが化石によって分かっているそうです。ジュラ紀と言えば、恐竜の時代。うろこ状のソテツの樹皮は恐竜の皮膚をイメージさせますね。
こちら↓のタマネギ状が、雌花の現状(9月21日)です。

こちら↑羽状に裂けた多数の心皮が重なりあって、
綿毛が何とも優しげです。
心皮の元に胚珠という、種子になる部分があります。
種子を大切に育てている期間のようです。
7月中旬の雌花は、まだ小さいですが、咲いていたのは分かります。↓幹の上部。

この↑写真の下の方に、光沢のある朱赤色の丸いものが見えます。↑これが前年の実です。
朱赤色の果皮を取り除くと、こう↓なります。

以前どこかで頂いてきたソテツの種子です。3~3.5センチくらいの大きさ。
イチョウの実のギンナンに似ているのは、同じソテツ綱のグループだからでしょうか? 偶然?
この種子は、漢方薬(下痢止め剤など)、毒抜きして食用に。幹も芯材、髄(ずい)を乾燥させて、でんぷんを採ることができるので、飢饉用の救荒作物として植えられたとか。
こんな、利用価値の高さからも、神仏の前に雌雄1対で植えられるのでしょうか。
太古から引き継がれてきた生命に対する尊崇の念。
男女和合、祖先崇拝、子孫繁栄などなど、このソテツには、
さまざまな祈りや願いが託されているように思えます。
(なるせ)