グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

キカラスウリ

2011年12月01日 | 植物
「植物の生態図鑑」を読んでいたら「カラスウリの栄養繁殖」という小見出しの下に、こんな記述を見つけました。
「夏の間、上へとのびていったツルは、秋になるとまっすぐ下にたれてきて、先端が地面にもぐり、養分がたまって新しい子イモができる。」

そして、その文章のそばには、上からまっすぐ垂れ下がり、地面に入り込んでいるツルの写真が載っていました!「な、何ですって~!?」

カラスウリはキカラスウリの仲間。
そしてキカラスウリと言えば、10月27日の日記に載せたボサボサの髪の毛のようなツル植物!

その時のボサボサ具合はこんな感じでしたが…

このあとツルが伸びて地面に突き刺さったのでしょうか?

細長い何本ものツルがまるで鉄格子のように地面に刺さっているのを想像して、確かめずにはいられなくなり、
さっそく見に行ってきました。そうしたら…

アレ?
鉄格子になっていないばかりか、ずいぶん貧相になってますねぇ(^_^;)

ツルの位置は私の頭より高く、それほど下に伸びている感じではありません。

まだ緑色の実は少し残っていますが、それも以前よりかなり淋しい感じ…。

森の中に入れば“地面に刺さるツル”が見つかるのではないかと、久しぶりにザクザク溶岩を登って藪に入ってみましたが…

目に入るのは、サルトリイバラやボタンズルなどの蔓ばかりでした。
(帰ってから調べたら、キカラスウリのツルは地面までは伸びないらしい(^_^;))

先日の日記にもコメントいただきましたが、以前あちらこちらにあったと言われるキカラスウリは最近ではずいぶん数が減ったらしく、なかなか姿を見かけません。

「せめて実でも落ちていないかなぁ」と思って探してみたら…
ありました!

草の中でツヤツヤ光る黄緑色の実(^O^)
持ち帰って、中を割ってみることにしました。

夕方、自宅に帰り包丁で切ってみたのがこの写真です。
「す、すごく美味しそう~!!」

ネットで調べたら、「熟さないと苦いけど、黄色く熟したものは甘い」と書いてあります。
これは外の皮はまだ黄色くなっていないけれど、中身は熟れ熟れって感じですよね~?

で「苦いかも」と少し警戒しながら、スプーンですくって食べてみました。
そうしたら…

「甘~い!!」熟れた柿にそっくりな味です!
こ、こんなに美味しいとは!(^^)!今まで食べた数々の実の中でかなりのヒットです!

中のタネはこのサイズでした。

これも柿っぽいかも?

明日の昼間に野外で残りの実を食べてタネは吐き出し、少しでもキカラスウリの繁殖のお手伝いをしてくるつもりです。

キカラスウリさん、どうかずっと大島で無事に生き続けてください!
来年も、タネ散布のお手伝いをしますから(^O^)

(皆さんも、もしキカラスウリの実を食べる機会があったら、ぜひタネ散布にご協力くださいね~)

(カナ)




コメント (2)
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