グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ボランティア考

2013年11月15日 | 火山・ジオパーク
今日は自衛隊が完全に大島から引き上げる日でした。
午前11時少し前、役場前には数100人の島民があつまり、みんなで自衛隊を見送りました。

行方不明者の捜索や瓦礫の撤去など、プロの活動にたくさん助けてもらいました。
本当にありがとうございました&お疲れさまでした!

そしてまだ活動を続けるボランティアセンター。

ここでも私は「プロ」の存在を感じています。

当日参加者が何人か、その日にならないとわからない状態。
80人の日もあれば500人の日もある…それが混乱もなく活動できているというのは「プロのわざ」以外の何ものでもないような気がします。

観光で500人集まるイベントをするとしたら、かなり時間をかけた準備と人が必要なのに、なんでこんなにスムーズに進行するのでしょう?

島外からボランティアに参加している人に聞いたところ「被災地に行くと必ずその人がいる」という、ノウハウを持ったボランティアのプロ(?)のような人たちがいるそうです。

「今回はその人たちが集結している。だからスムーズなんですよ」と評する人もいます。
「その人たち」は、NPOやその他の団体、個人など様々なようですが、阪神大震災、東日本大震災など数々の災害のボランティア活動で輪が広がりノウハウを積み上げていったようです。

大島の災害後も翌日には「その人たち」が現地入りし、大島社協と協力して活動を開始してくれたと聞いています。あくまでも島の人の気持ちを優先し、一緒に考えていくことを重視してくれたと…。

大島のボランティアセンターでは、半日ずつの活動を受けつけています。
これは考えてみれば、中をしきる人にとっては大変な手間のはず…

でも労をいとわず、午前半日で帰った人の穴を午後から参加する人で埋めるような「マッチング」という作業が毎日行われています。

参加する側としては、とてもありがたいです。

半日参加があったおかげて、家事のある主婦や、私のように少しは仕事をしなければいけない人間も参加することができました。毎日少しずつでも空き時間のある時に無理なく回数を重ねられました。

朝の活動開始後すぐにフェイスブッックやホームページで活動状況が報告される情報発信の速さと確実さも本当に見事です。「今朝の状況を1時間後には知ることができる」これが活動に参加する人を「仲間」として1つにまとめていく役割をしているように思いました。

泥出しなどの作業がキツい人には機材管理や受付など…

様々な形で参加することができます。

いつも整然と片付いている資材を見るたびに「見事だなぁ」と思います。


ところで「その人たち」に聞いたところ「大島は今までで一番活動しやすい」のだそうです。他地域では社協が外の人間を受け入れないところもあるし、被災地の人がこれほど参加する地域はないのだそうです。

確かに「今回の災害は誰にとっても他人事ではない」という「島の良さ」のようなものはあるかもしれません。それは誇りに思っていいかも…。

でもやっぱり、朝早くから夜遅くまで話し合いを重ね中を仕切っている人たちのやり方が、的確だからだと思えてなりません。

さて、今回のボランティアには「他人ごとじゃないから」と島外から参加してくれるたくさんの人たちがいます。

(写真は、富士山をベースにガイドをしている「ホールアース自然学校」の皆さんです。)

1週間の休暇を取って参加している常連(?)のような人たちにも会いました。
「これって、これからの時代を生き抜くための1つの形かも」…そんなふうに思いました。

1度ボランティアに参加すると「それが本当に必要なこと」だとわかります。
泥出しも、一人だったら途方に暮れるところを、みんなでやると終わっていきます。
する側も、される側も元気がもらえます。

そして、こんなふうに外からボランティアに来てもらうと「私も他地域の災害の時には、可能な限り手伝いにいこう」と思ったりもします。

不安なこと、人の力ではどうしようもないことはたくさんありますが、こうやって「支えあおう」とする活動を見ると、明るい光が見えるような気がします。

みんなで一緒に様々なことを学び、語り合いながら生きていきたいです。

(カナ)


コメント
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