11月17日に行われた第1回住民セミナーは、1分間の黙とう、4人の講師の講演、質疑応答という進行で行われました。
今日は当日会場で配られたチラシの一部や印象に残ったことを中心に報告します。
川邊禎久氏
産業技術総合研究所地質調査総合センター主任研究員。
1986年噴火以降、伊豆大島の地質を調べ続け、伊豆大島火山地質図を作成。
講義内容
伊豆大島火山が何でできていて、どんな噴火が起きていたのか?元町周辺の地質について。
印象に残ったこと
1338年元町の上で山腹にできた割れ目噴火の火口は、おそらく周りに溶岩を降り積もらせ小さな山を作っただろうが、急傾斜なので滑り落ち、その上をまた火山灰が覆っている。
角度は25度から30度の間で、上から降って来たものを積らせるが、崩れもする角度。また雨水を集める深い谷がないなどの理由で、過去に何度か土石流が起きていたらしい。
森田裕一氏
東京大学地震研究所地震火山噴火予知研究推進センター教授(火山地震学)。
伊豆大島の地震と地殻変動の観測から、地下にマグマが溜まって行くプロセスを研究。
講義内容
伊豆大島の地下に蓄積するマグマと体に感じない小さな地震活動の関係。また、このような研究を進めるために設置した地震計でとらえた、10月16日に発生した土砂災害によると思われる震動について。
印象に残ったこと
大島の火山は1~3年単位で膨れたり縮んだりを繰り返している。深さ約5kmにマグマだまり。マグマが入ると膨らみ、膨らむ時に地震が起きている。今回地震計に今回の崩落と関係があると思われる波形が記録された。2時から4時事ぐらいまで複数回。今、土石流の専門家と解明をしようとしている。
千葉達朗氏
アジア航測株式会社総合研究所技師長赤色立体地図の発明者。
1986年の伊豆大島の割れ目噴火の際はカルデラ内で調査中、250mの距離で目撃。
全国の火山ハザードマップ、伊豆大島の赤色立体3D模型の作成にかかわる。
今回の災害発生後、4学会緊急調査団の一員として現地調査に参加。
講義内容
レーザー計測と赤色立体地図でわかった、伊豆大島の地形特に元町周辺の微地形を紹介。今回の災害後の4学会合同現地調査団の調査を踏まえ、現地写真を中心に速報的に崩壊発生状況等を紹介。
印象に残ったこと
大きな精巧な模型があれば,噴火のときすぐにどこに溶岩が流れるか予測できる。
(停電でも予測できる!)
人間が被害を受けないと、同じことが起きても記録に残らない。過去の土砂移動の記録を地質を調べて読み解く必要がある。
調査で採取した試料を今後工学的に分析をして、水の通りやすさや密度などを調べて本当に雨で表面が崩れたのかを検討し、みなさんにわかりやすく説明する機会をもちたい。
中田節也氏
東京大学地震研究所火山噴火予知研究センター教授(火山噴火岩石学)、日本ジオパーク委員会委員。
1991年に火砕流災害を起こした普賢岳噴火を皮切りに火山噴火予知研究に取り組み、2000年の有珠山・三宅島噴火、2011年の新燃岳噴火等を研究。
講義内容
今回の災害について開始した科学研究費研究の概要説明。ジオパークにおける防災や観光などのあり方などについて、島原半島、洞爺湖有珠山、霧島ジオパークの活動例を紹介。今後の大島について。
印象に残ったこと
日常を取り戻すのが災害のゴール。防災は一人一人が災害の脆弱生、人間が傷つきやすいことを理解するのがゴール。研究と同時に地域の人と考えるのが大切。
島原普賢岳の噴火で犠牲者を出したが、地元住民が中心になって復興を成し遂げた。土砂を自分たちの町の上にかさ上げして農地と住宅地を作って、その土地に暮らすことを選択した。その過程でボーリングをして過去に火山の歴史を調査した。記念館をつくり、学生達にも教えている。このプロセスがジオパーク。霧島噴火では複数の市町村がジオパークでつながっていたために協力できた。
セミナーに協力を申し出てくれた環境防災総合政策研究機構の松尾一郎氏からも「コミュニティ防災」について、簡単な説明がありました。
ところで今回の講師やコーディネーターの方々は、ご自身が神戸や東日本の震災で家族や友人が被災したり、伊豆大島の噴火の中に身を置いたり、他地域の火山災害に関わってきたり、という経験をお持ちでした。
だからこそ、今回のセミナーに忙しい時間を調整して駆けつけてくれたのだと思います。
仕事の合間に夜行船に乗って日帰りしてくださった方もいます。
そして皆さん専門の知識とともに、ご自身の思いを語ってくれました。
とても嬉しく,心強く感じました。
(カナ)
今日は当日会場で配られたチラシの一部や印象に残ったことを中心に報告します。
川邊禎久氏
産業技術総合研究所地質調査総合センター主任研究員。
1986年噴火以降、伊豆大島の地質を調べ続け、伊豆大島火山地質図を作成。
講義内容
伊豆大島火山が何でできていて、どんな噴火が起きていたのか?元町周辺の地質について。
印象に残ったこと
1338年元町の上で山腹にできた割れ目噴火の火口は、おそらく周りに溶岩を降り積もらせ小さな山を作っただろうが、急傾斜なので滑り落ち、その上をまた火山灰が覆っている。
角度は25度から30度の間で、上から降って来たものを積らせるが、崩れもする角度。また雨水を集める深い谷がないなどの理由で、過去に何度か土石流が起きていたらしい。
森田裕一氏
東京大学地震研究所地震火山噴火予知研究推進センター教授(火山地震学)。
伊豆大島の地震と地殻変動の観測から、地下にマグマが溜まって行くプロセスを研究。
講義内容
伊豆大島の地下に蓄積するマグマと体に感じない小さな地震活動の関係。また、このような研究を進めるために設置した地震計でとらえた、10月16日に発生した土砂災害によると思われる震動について。
印象に残ったこと
大島の火山は1~3年単位で膨れたり縮んだりを繰り返している。深さ約5kmにマグマだまり。マグマが入ると膨らみ、膨らむ時に地震が起きている。今回地震計に今回の崩落と関係があると思われる波形が記録された。2時から4時事ぐらいまで複数回。今、土石流の専門家と解明をしようとしている。
千葉達朗氏
アジア航測株式会社総合研究所技師長赤色立体地図の発明者。
1986年の伊豆大島の割れ目噴火の際はカルデラ内で調査中、250mの距離で目撃。
全国の火山ハザードマップ、伊豆大島の赤色立体3D模型の作成にかかわる。
今回の災害発生後、4学会緊急調査団の一員として現地調査に参加。
講義内容
レーザー計測と赤色立体地図でわかった、伊豆大島の地形特に元町周辺の微地形を紹介。今回の災害後の4学会合同現地調査団の調査を踏まえ、現地写真を中心に速報的に崩壊発生状況等を紹介。
印象に残ったこと
大きな精巧な模型があれば,噴火のときすぐにどこに溶岩が流れるか予測できる。
(停電でも予測できる!)
人間が被害を受けないと、同じことが起きても記録に残らない。過去の土砂移動の記録を地質を調べて読み解く必要がある。
調査で採取した試料を今後工学的に分析をして、水の通りやすさや密度などを調べて本当に雨で表面が崩れたのかを検討し、みなさんにわかりやすく説明する機会をもちたい。
中田節也氏
東京大学地震研究所火山噴火予知研究センター教授(火山噴火岩石学)、日本ジオパーク委員会委員。
1991年に火砕流災害を起こした普賢岳噴火を皮切りに火山噴火予知研究に取り組み、2000年の有珠山・三宅島噴火、2011年の新燃岳噴火等を研究。
講義内容
今回の災害について開始した科学研究費研究の概要説明。ジオパークにおける防災や観光などのあり方などについて、島原半島、洞爺湖有珠山、霧島ジオパークの活動例を紹介。今後の大島について。
印象に残ったこと
日常を取り戻すのが災害のゴール。防災は一人一人が災害の脆弱生、人間が傷つきやすいことを理解するのがゴール。研究と同時に地域の人と考えるのが大切。
島原普賢岳の噴火で犠牲者を出したが、地元住民が中心になって復興を成し遂げた。土砂を自分たちの町の上にかさ上げして農地と住宅地を作って、その土地に暮らすことを選択した。その過程でボーリングをして過去に火山の歴史を調査した。記念館をつくり、学生達にも教えている。このプロセスがジオパーク。霧島噴火では複数の市町村がジオパークでつながっていたために協力できた。
セミナーに協力を申し出てくれた環境防災総合政策研究機構の松尾一郎氏からも「コミュニティ防災」について、簡単な説明がありました。
ところで今回の講師やコーディネーターの方々は、ご自身が神戸や東日本の震災で家族や友人が被災したり、伊豆大島の噴火の中に身を置いたり、他地域の火山災害に関わってきたり、という経験をお持ちでした。
だからこそ、今回のセミナーに忙しい時間を調整して駆けつけてくれたのだと思います。
仕事の合間に夜行船に乗って日帰りしてくださった方もいます。
そして皆さん専門の知識とともに、ご自身の思いを語ってくれました。
とても嬉しく,心強く感じました。
(カナ)