グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

樹海リサーチ

2013年11月28日 | 火山・ジオパーク
台風後、崖崩れで歩き通せなかった樹海。
以来ずっと「歩いて迂回路を探さなければ」と思っていました。

…で、今日の午前中に行ってきました。
外輪山の内側の壁にそって歩き始めると、オオムラサキシキブの実の鮮やかな紫色に目を奪われます。

今年は特に色が鮮やかなような気がするのは、思い過ごしでしょうか?

モミジやカエデも色づいて、樹海の中の地面に彩りを添えていました。

地表の様子が,細かい溶岩から黒い火山灰に変わってきました。
そろそろ崖崩れが近づいてきたようです。

「この辺りじゃない?」
崖崩れが疑われる場所で壁側に入ったら、崩れた樹木が折り重なって行く手を塞いでいました。

もちろん、乗り越えて進みます。

壁には溶岩流?と思われる白い岩が、何段もあります。

緑の森の下は、こんな構造になっていたのですね。

崩れて来たのは樹木と細かい粒の溶岩や火山灰っぽいもので、大きな石はほとんど含まれていませんでした。

外輪山の内側も、外側と同じ崩れ方をしているようです。

倒れていた木は、ハチジョウイヌツゲ、ヒサカキ、オオシマザクラ、ヤブツバキ、アオキ等など…。

すっかり見晴らしが良くなった場所からは,三原山の姿を見ることもできました。

樹海をさらに進み、道を塞いでいるはずの崖崩れを目指しました。

数分歩くと、すぐにその場所に行き当りました。
 
緑の葉の向こうに、崩れた壁が見えています。

ここにも近づいてみることにしました。

森がなくなった壁の下は、ちょっとした広場みたいになっていました。

この白い岩が、かつてはドロドロに溶けた赤い物体だったのかと思うとちょっとドキドキします。

それに、こんなに厚い溶岩の上に森ができていたということにも驚きます。
崩れた部分の横を観察すると…

本当にわずかな隙間に、草や木がはえているのがわかります。

そこに少しでも生きることができるスペースがあれば活用するようです。

たくましい…。

上から崩れて来たものをやり過ごし,しっかり残っているオオシマカンスゲ(たぶん)を見ていたら、御神火スカイラインの、のり枠コンクリートの中でも残っていたのを思い出しました。

火山灰に埋もれながらも、青々と元気なオオシマカンスゲも見かけました。

流線形(?)の葉は、火山灰がつきにくい、水の流れに対して抵抗が少ないなどの特徴があるのでしょうか??

さて今日の目的の迂回路ですが、とても簡単に見つかりました。
崩れの範囲が思ったほど広くなかったからです。

これから雨の時は外輪山から離れるルートをとるなどして、できる限り安全に歩きたいと思います。

(カナ)



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