野外を歩いていると、火山と風雨、植物、人間などの関わりについて、色々なことを感じます。特に今回の災害後…
山の地面が崩れている現場で、縁ギリギリに残ったイタドリや…

崩れたところを乗り越えて、まだ頑張って根を延ばしているイタドリを見ると、その頑張りに感心します。

植物のはえている場所の下から地面が崩れていたり…

イタドリの周りだけ地面が削られずに残っている景色などを見ると、植物の根は確かに地面を固定する力を持っていると感じます。

でも…大きな崩れの中で、根ごともぎ取られてしまった姿もたくさん見かけます。

今回の大きな被害を受けた元町の上の斜面には、根の長さが1mぐらいのイヌツゲがたくさん倒れていました。

最初にこれを見た時「スダジイのように数mの根を張る大きな木だったら、もしかしたら崩れを止められたのだろうか?」と考えたりもしました。
何しろ、樹高20m近くあるスダジイの木は、こんなに長く根を延ばすので…。

けれど台風26号の雨では、スダジイが群生していた緑の森も崩れてしまっていました。

どんなに根を張っても、上から落ちて来た重いものには抗えない…ということなのでしょう。
ところで、大島の海岸を歩くと、大量の土石流が島を覆った証拠が目の前に転がっています。

人が住むずっと以前から噴火や土石流がおこっていて、それが今、私たちが暮らす島の地面を作っているのです。(土石流は上流の石や木を巻き込んで流れるので、このように粒の大きさが様々な石が入った地層が残ります。)
工事や土砂崩れなどで大島の大地の中身が現れると、そこにも火山活動の証拠が現れます。下の写真の白い石の混じる少し黒っぽい茶色の層(赤茶色の2つの層に挟まれている)は、およそ1700年前、山の頂上部分を吹き飛ばし山頂部に直径数kmの大きな穴をあけた噴火の時に、山から流れて来て積ったものだそうです。

これと同じものが島中に見つかるそうです。山の尾根からも…。
ということは…いったいどんなことが起こったのでしょう?
今の科学でもまだ正確なことがわからない大きな出来事は、専門家の間でえすに(S2)と呼ばれているそうです。そして、これと同じ出来事は、これからも起こる可能性がある…
ひとたび起きてしまったら、植物がどんなに頑張ろうと、人間がどんなに砂防ダムや導流堤を造ろうと、とても太刀打ちできない大きな出来事。今は、このことを考えるだけで、どうしようもない気持ちになります。
科学の進歩と、私たち1人1人の災害に向き合う力と、行政のシステム作りが間に合えば、なんとかなるかも…という淡い期待はありますが…。
だから…でしょうか?大きな力で変わった風景が、小さな力の積み重ねでまた姿を変えていくのを見ると、心から「すごいなあ」と思います。
大量の水に削られた大地も、風の力でもとの角度に戻っていきます。

1回の大きな出来事に対抗する力を持つ小さな力の積み重ね。
全てのもののつながりを、以前よりさらに感じる毎日です。
(カナ)
山の地面が崩れている現場で、縁ギリギリに残ったイタドリや…

崩れたところを乗り越えて、まだ頑張って根を延ばしているイタドリを見ると、その頑張りに感心します。

植物のはえている場所の下から地面が崩れていたり…

イタドリの周りだけ地面が削られずに残っている景色などを見ると、植物の根は確かに地面を固定する力を持っていると感じます。

でも…大きな崩れの中で、根ごともぎ取られてしまった姿もたくさん見かけます。

今回の大きな被害を受けた元町の上の斜面には、根の長さが1mぐらいのイヌツゲがたくさん倒れていました。

最初にこれを見た時「スダジイのように数mの根を張る大きな木だったら、もしかしたら崩れを止められたのだろうか?」と考えたりもしました。
何しろ、樹高20m近くあるスダジイの木は、こんなに長く根を延ばすので…。

けれど台風26号の雨では、スダジイが群生していた緑の森も崩れてしまっていました。

どんなに根を張っても、上から落ちて来た重いものには抗えない…ということなのでしょう。
ところで、大島の海岸を歩くと、大量の土石流が島を覆った証拠が目の前に転がっています。

人が住むずっと以前から噴火や土石流がおこっていて、それが今、私たちが暮らす島の地面を作っているのです。(土石流は上流の石や木を巻き込んで流れるので、このように粒の大きさが様々な石が入った地層が残ります。)
工事や土砂崩れなどで大島の大地の中身が現れると、そこにも火山活動の証拠が現れます。下の写真の白い石の混じる少し黒っぽい茶色の層(赤茶色の2つの層に挟まれている)は、およそ1700年前、山の頂上部分を吹き飛ばし山頂部に直径数kmの大きな穴をあけた噴火の時に、山から流れて来て積ったものだそうです。

これと同じものが島中に見つかるそうです。山の尾根からも…。
ということは…いったいどんなことが起こったのでしょう?
今の科学でもまだ正確なことがわからない大きな出来事は、専門家の間でえすに(S2)と呼ばれているそうです。そして、これと同じ出来事は、これからも起こる可能性がある…
ひとたび起きてしまったら、植物がどんなに頑張ろうと、人間がどんなに砂防ダムや導流堤を造ろうと、とても太刀打ちできない大きな出来事。今は、このことを考えるだけで、どうしようもない気持ちになります。
科学の進歩と、私たち1人1人の災害に向き合う力と、行政のシステム作りが間に合えば、なんとかなるかも…という淡い期待はありますが…。
だから…でしょうか?大きな力で変わった風景が、小さな力の積み重ねでまた姿を変えていくのを見ると、心から「すごいなあ」と思います。
大量の水に削られた大地も、風の力でもとの角度に戻っていきます。

1回の大きな出来事に対抗する力を持つ小さな力の積み重ね。
全てのもののつながりを、以前よりさらに感じる毎日です。
(カナ)