グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

日々、異なるツアー

2015年11月01日 | ツアー
昨日は「釣りのダイワ」の社員旅行の方達との、半日ツアーに行ってきました。

寒かったのでお弁当をホテルで取り、出発。

ゴツゴツ溶岩に親しんだ後…


久しぶりに裏砂漠の奥まで歩きました。

いつも寝転んで景色を楽しむ場所を通過して、通称『キャニオン』を目指します。

雨が削った深い溝の崖からは、昨日も湯気が出ていました。

地下のマグマの存在を、体感できる瞬間です。

一昨年の大雨直後は削られて垂直の崖になっていた場所。

すぐに砂(火山灰)が落ちてきて斜面を元に戻したのですが、昨日は、その斜面にチャレンジするお客様も…。

V字の谷を抜け…


少し浅い溝に到達したら、たくさんの花をつけたアザミとノコンギクに迎えられました。

大雨の時はきっと、水につかってしまうような場所なのに…逞しいです。

広い場所に出てから、ちょっと変わったジャンプ。

まるでスキー!(笑)

昨日は風がなかったので、櫛形山の頂上でお茶を飲みました。

強風で立っているのも大変なことも多いこの場所で、のんびりお茶ができるなんて、それだけでも特別な感じがします。

帰りは黒い斜面をザクザク歩きながら下山。

爽快でした~。

駆けっこする人達もいました!

ええと…どちらが勝ったのでしたっけ?

草地に戻ってくる頃には太陽が顔を出し、キラキラ輝くススキを見ることができました。

みんなで一緒に良い汗を流して、きっと宴会のビールが美味しかったことでしょう~。

さて、今日です。

今日は「大島復興支援東京ボランティアセンター主催・大島復興交流プログラム」の一環の2時間半のツアーに行ってきました。

私たちに「恵み」も「災害」ももたらす「生きている火山」をできる限り伝えたくて、お客様とも相談して普段とは違うスケジュールを組みました。

ホテル椿園の新町亭で、女将さんの清水勝子さんから2年前の土砂災害の体験談を聞いた後のツアーなので、大金沢の砂防ダムからスタート。

砂防ダムの働きや2年前に起こったこと、その後行われた工事などについて、お話しました。

次に、29年前に元町に迫った溶岩へ。

冷え固まった溶岩が硬いこと、島の地面を作ること、土砂流が覆った部分に植物がどんどん生え始めていることなどを伝えました。

山に登ってホテル駐車場の地層から、過去の噴火の様子や、土石流の発生要因ともなった水はけの違いを触って体感。


森の中を早足で歩き…


崖崩れの様子を観察。

噴火で流れ出した溶岩で島が大きくなったこと、木々がわずかな土の上で生きていること、草で覆われていない地表は、流れやすいことが良くわかる風景です。

次に山頂口で「噴火の度に目の前の景色がどう変化してきたか」や…

マグマと水が接触した時の、爆発的な出来事を紹介。

もちろん、皆で噴火しました!


山頂ジオパーク展で噴火動画を見ながら、1500m吹き上がったという29年前の「割れ目噴火」を間近で見たガイドさんの、迫力満点の話を聞き…


最後に、その「割れ目噴火」の火口を見て…


火山観測機器で、どのようにして噴火を予測しようとしているのかを説明しました。

ふう…

車中弁当の弾丸ツアーでしたが「2時間半ってずいぶん色々なことができるんだなぁ」…と思いました。森の中の崖崩れ現場を見ることを、第一目的にして歩いたツアーも初めてでしたが…(笑)

お客様からは「地球スゴイな」「火山生きているな」という感想が聞かれました。
何より、嬉しかったです。

2日間のツアーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

(今日の後半で私がガイドしている写真は、『大島復興交流プログラム』に参加されていたJGCの中川さんからいただきました。昨日は、大島町の役場前の福祉祭りで、「浪江焼きそば」を作るボランティアをしてくれていたそうです)

(カナ)
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