一昨日から「全国火山博物館ネットワーク」の方々が、2泊3日で研修旅行に来島。
ガイドとして(ガイドになっていたのかは別として・笑)同行しました。
今回の研修参加メンバーは、伊豆大島火山博物館名誉館長の伊藤先生をはじめ、火山防災の重鎮、かつ洞爺湖有珠山ジオパーク、磐梯山ジオパーク、立山黒部ジオパーク、箱根ジオパーク、島原半島ジオパーク、阿蘇ジオパークで中心となって活躍している方たちです。
ほとんどの方が伊豆大島に複数回来たことがあり、伊豆大島の何倍も大きなハワイのキラウェア火山も歩いていて…しかも昨日は朝から雨!(笑)
気象庁に電話して「午後少し雨が止むが、強風で気温も下がる」と教えてもらいました。
う~む…雨の中歩くのと、強風の冷たい風の中を歩くのと、どちらが良いでしょう~??
迷ったあげく「まだ山が見えるうちに」と崩壊斜面の「モニタリング調査現場」へ。
雨で滑るので、調査の装置までは紹介できなかったのですが、調査場所周辺の様子は見ていただくことができました。
雨も強くなってきたので「山頂ジオパーク展」でジオパークとしての活動を紹介。
その後、ここへ。

割れ目噴火で流れ出した溶岩の上に、空中に吹き上がったマグマのしぶきが降り積もり、割れながら流れに乗って運ばれて、様々な形ができた場所。視界が悪い時だからこそ見ることができる、不思議な雰囲気のところ。
雨はなかなかしっかり降っていて、風も強いので顔にかかります。
…で、私にしてはめずらしく、奥まで歩かずに「戻りましょうか」と声をかけました。
しかし…

全然戻る気配のない皆さん(笑)
降り積もったマグマのしぶきの横で、順番に記念撮影!

嬉しそうな笑顔でした。

(ススキで顔が…(^_^;。スミマセン~)
この後、雨でも歩きやすい樹海へ。
この溶岩に囲まれた「通路」のような場所は「溶岩が割れてできた」と言う説と「溶岩トンネルの天井が落ちてできた」という説の両方があった場所なのですが…

宇井先生はじめ、皆さんが次々に「溶岩トンネル説」を支持、その根拠をあげていきます。
根拠1 両脇に横筋がついているのは溶岩が流れた証拠。

(これは以前も聞いていて、印象に残っていたことでした)
根拠2 割れたのであれば岩が鋭角になっているはずだが、これは丸くて滑らか。

根拠3 ここに滴のような跡があるが、これは溶岩トンネルの空洞ができ上ってから溶岩が天井からしたたり落ちた証拠。
(溶岩鍾乳石と呼ばれるものだそうです)

こうやって皆さんが次々に証拠をみつけ理論を展開していくのを見ていると、まるで推理小説を読んでいるかのような気分になります。
しかも、子どもでも(私でも)理解できる、わかりやすい証拠ばかり…。
この謎解きの面白さがあるから、私たちでも火山を楽しめるのかもしれません。
午後になっても雨が本気で降り続いているので、火山博物館へ。

皆さんから様々なアドバイスをいただいきました。全国の火山博物館の方々から、伊豆大島の博物館へのアドバイスをもらえるなんて、なんという贅沢!
山田先生も仕事の合間を縫って駆けつけて、熱心にメモられていました。

沢山のことを学びましたが、私が最も印象に残ったのは、昭和新山の持ち主でもある三松さんの一言でした。

「いちばん面白いと思うのは、地球の裏と表で同じ年に噴火してたってことなんですよ」と三松さん。「?」と思って聞いてみたら…
「噴火で畑が盛り上がって昭和新山ができたのと同じ年に、地球の裏側は噴火でマグマが噴き出して山を作った」とのことでした。

「丸い地球の表面が、おできみたいにプクッと膨らんで、反対側ではピュ~っと吹き出している絵」が突然頭に浮かびました。この展示が、そんな風に読み取れる…というのが驚きでした。
「知識」に「人の思い」が加わることで「地球の物語り」が生まれるんですね~。
さて、皆さんはこの後、塩の製造工場でも海岸の地層を観察。

車道でも、およそ1200年ほど前の神津島噴火の火山灰を熱心に観察。

今日も朝の2時間弱の謎解きを楽しんで、戻られました。


ずっと雨だったけれど、贅沢で幸せな時間でした。
全国火山博ネットの皆さん、ありがとうございました!
ところで昼はフィールドや室内施設を歩きましたが、夜は情報交換会や火山防災の講演をしていただきました。その時の様子は、明日報告します~。
(カナ)
ガイドとして(ガイドになっていたのかは別として・笑)同行しました。
今回の研修参加メンバーは、伊豆大島火山博物館名誉館長の伊藤先生をはじめ、火山防災の重鎮、かつ洞爺湖有珠山ジオパーク、磐梯山ジオパーク、立山黒部ジオパーク、箱根ジオパーク、島原半島ジオパーク、阿蘇ジオパークで中心となって活躍している方たちです。
ほとんどの方が伊豆大島に複数回来たことがあり、伊豆大島の何倍も大きなハワイのキラウェア火山も歩いていて…しかも昨日は朝から雨!(笑)
気象庁に電話して「午後少し雨が止むが、強風で気温も下がる」と教えてもらいました。
う~む…雨の中歩くのと、強風の冷たい風の中を歩くのと、どちらが良いでしょう~??
迷ったあげく「まだ山が見えるうちに」と崩壊斜面の「モニタリング調査現場」へ。
雨で滑るので、調査の装置までは紹介できなかったのですが、調査場所周辺の様子は見ていただくことができました。
雨も強くなってきたので「山頂ジオパーク展」でジオパークとしての活動を紹介。
その後、ここへ。

割れ目噴火で流れ出した溶岩の上に、空中に吹き上がったマグマのしぶきが降り積もり、割れながら流れに乗って運ばれて、様々な形ができた場所。視界が悪い時だからこそ見ることができる、不思議な雰囲気のところ。
雨はなかなかしっかり降っていて、風も強いので顔にかかります。
…で、私にしてはめずらしく、奥まで歩かずに「戻りましょうか」と声をかけました。
しかし…

全然戻る気配のない皆さん(笑)
降り積もったマグマのしぶきの横で、順番に記念撮影!

嬉しそうな笑顔でした。

(ススキで顔が…(^_^;。スミマセン~)
この後、雨でも歩きやすい樹海へ。
この溶岩に囲まれた「通路」のような場所は「溶岩が割れてできた」と言う説と「溶岩トンネルの天井が落ちてできた」という説の両方があった場所なのですが…

宇井先生はじめ、皆さんが次々に「溶岩トンネル説」を支持、その根拠をあげていきます。
根拠1 両脇に横筋がついているのは溶岩が流れた証拠。

(これは以前も聞いていて、印象に残っていたことでした)
根拠2 割れたのであれば岩が鋭角になっているはずだが、これは丸くて滑らか。

根拠3 ここに滴のような跡があるが、これは溶岩トンネルの空洞ができ上ってから溶岩が天井からしたたり落ちた証拠。
(溶岩鍾乳石と呼ばれるものだそうです)

こうやって皆さんが次々に証拠をみつけ理論を展開していくのを見ていると、まるで推理小説を読んでいるかのような気分になります。
しかも、子どもでも(私でも)理解できる、わかりやすい証拠ばかり…。
この謎解きの面白さがあるから、私たちでも火山を楽しめるのかもしれません。
午後になっても雨が本気で降り続いているので、火山博物館へ。

皆さんから様々なアドバイスをいただいきました。全国の火山博物館の方々から、伊豆大島の博物館へのアドバイスをもらえるなんて、なんという贅沢!
山田先生も仕事の合間を縫って駆けつけて、熱心にメモられていました。

沢山のことを学びましたが、私が最も印象に残ったのは、昭和新山の持ち主でもある三松さんの一言でした。

「いちばん面白いと思うのは、地球の裏と表で同じ年に噴火してたってことなんですよ」と三松さん。「?」と思って聞いてみたら…
「噴火で畑が盛り上がって昭和新山ができたのと同じ年に、地球の裏側は噴火でマグマが噴き出して山を作った」とのことでした。

「丸い地球の表面が、おできみたいにプクッと膨らんで、反対側ではピュ~っと吹き出している絵」が突然頭に浮かびました。この展示が、そんな風に読み取れる…というのが驚きでした。
「知識」に「人の思い」が加わることで「地球の物語り」が生まれるんですね~。
さて、皆さんはこの後、塩の製造工場でも海岸の地層を観察。

車道でも、およそ1200年ほど前の神津島噴火の火山灰を熱心に観察。

今日も朝の2時間弱の謎解きを楽しんで、戻られました。


ずっと雨だったけれど、贅沢で幸せな時間でした。
全国火山博ネットの皆さん、ありがとうございました!
ところで昼はフィールドや室内施設を歩きましたが、夜は情報交換会や火山防災の講演をしていただきました。その時の様子は、明日報告します~。
(カナ)