グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

3島巡り研修

2016年08月02日 | ツアー
今日は東邦大学理学部の長谷川雅美先生率いる“高校理科の教員免許更新講習”の皆さんのツアーに、ガイドとして参加しました。

伊豆諸島の生物を研究テーマに活動されてきた長谷川先生は、このブログにも何度か登場されています。今回は、3泊4日で三宅島→神津島→伊豆大島を回り、島毎の違いを比べるというスゴイ研修の最終日でした。

最初は火口に行く予定でしたが、時々雨がぱらつく濃霧で、森から裏砂漠を往復するコースに予定を変更。

他の島では見られない“イヌツゲとヒサカキがヒョロヒョロ高くなった森”を観察し…


まさにオンシーズンに突入した『ビュンビュン飛びかうアブラゼミ』に、皆であっけにとられながら森を抜けました。

毎年見ている私もボーゼンとするほどの、ものスゴイ数のアブラゼミです。

この写真の中にも6匹のセミが写っていますが、これよりもっと沢山のセミたちがジ〜ジ〜鳴きながら、縦横無尽に飛び交います。

皆さん「なんだ、なんだこのセミたちは!」と驚いていました。
(こんな状態は、他では見たことがないとのこと)

30年前の割れ目噴火の溶岩地帯で「地衣類(岩の表面を覆う灰色のもの)が多いなぁ」とつぶやいたら…

「確かに三宅島に比べて多いですよね。地衣類は火山ガスに弱いから、このあたりはガスの影響がないから多いのでは?」と,皆さんから答えが返って来ました。

なるほど…『時期』が同じだと環境を比べやすいですよね!!
同じ時期に複数の島を回る企画、スバラシイです。

ユリが1本の茎に、これほど沢山の花をつけているのも、他ではあまり見ない光景だそうです。

30年前は溶岩流に覆われ、何一つ植物が生えていない状態だった場所で、何故これほど見事な花をつけられるのでしょうか??

観察力のある理科の先生方は、色々なことに気づきます。
赤い胞子を伸ばした地衣類を発見したり…


「火山観測機器のミラーの中の白い糸が張られているのは何故か?」と、フツーの人が見ないような所まで観察したり…

このことに関しては、答えがさっぱりわからないので元・気象庁の加治屋さんに電話。
「糸ではなく、ミラーの継ぎ目」だと教えてもらいました(^_^)

ところで、裏砂漠に到達した時は、この状態でした。
雨&濃霧…

早々に引き返そうか…と悩んでいたら、長谷川先生が「飛びませんか?」と一言。

え…?
ジャンプ??

傘をさすような雨の中で「ジャンプをしよう」という提案は初めてだったので、ちょっと驚きましたが「やってみましょうか?」ということになり…

何度か飛びました!
ここで「雷は一番高く飛んでいる人に落ちる」ということが話題になり…

この写真の傘の上に、稲妻の絵を描きたいということで盛り上がり…


集まって大笑い。

で、笑っていたら霧が薄くなりはじめました。

長谷川先生、霧を持ち上げています!


草地に点在するユリが現れました!

できすぎ…(笑)

山側も霧が流れはじめ…


霧を押しのけると…


おおお〜!

三原山がだんだん姿を見せ始めました!

そして最後は傘なしで…

空を飛びました!

いや〜裏砂漠、堪能しました〜(^▽^)


さて午前に楽しく山を歩いたあとは、海岸沿いで植物調査。


主にシマホタルブクロの数や大きさを計測し…


データを整理して、島による違いをまとめたようです。(店の仕事をしていたので詳細は不明)

中身の濃い楽しい1日でした。

皆様、お疲れ様でした&ありがとうございました!

(カナ)



コメント
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